フランツ・シューベルトが、1828年に作曲した、ヴァイオリンとピアノのための幻想曲。
全体は、続けて演奏されるが、明らかに途中で曲調が変わり、4つの部分から構成されている。
幻想曲というイメージとは違い、音楽はシューベルトらしく、終始明るい基調になっている。
初演を行ったのが、ヴァイオリン、ピアノ共にボヘミア出身の演奏者だったためか、ハンガリー風のメロディが聴こえてくる。
当時の、華やかだが様々な矛盾をはらんだウィーンの雰囲気が、よく現れている。
1828年2月にウィーンで初演された時は、約25分という長さに足られずに、多くの観客が途中で席を後にしたという。
彼らは、貴重な機会を自ら失うことになったことに、全く気づいていなかったのだろう。
2021年12月、浜離宮朝日ホールでの演奏から。ヴァイオリンは岡本誠司、ピアノは務川慧悟。