2017年5月14日日曜日

カレル・フサ:プラハ1968年のための音楽

チェコの作曲家、カレル・フサが、1968年のプラハの春に怒りを覚えて作曲した曲。

その翌年に編曲された管弦楽版。

第1楽章、序章とファンファーレ。

第2楽章、アリア。

第3楽章、間奏曲。

第4楽章、トッカータとコラール。

楽章の名前を見ると、伝統的な音楽のようだが、テーマがテーマ的に、音楽は、前提的に陰鬱で、怒りに満ちているように聞こえる。

2017年1月のNHK定期演奏会から。指揮は下野竜也。

マルティヌー:リディツェへの追悼

チェコの作曲家、ボフスラフ・マルティヌーが、1943年に作曲した曲。

ナチスによって、親衛隊長の暗殺の報復として、村人が虐殺あるいは強制収用所に連行され、焼き尽くされて消滅したチェコのリディツェ村への追悼曲。

凄惨な事件とは裏腹に、音楽は静かで、ひたすら美しい。

人間という生物は、これ以上もない残忍なことを行うと同時に、これ以上もない美しい音楽を作ることができる、ということなのか。

2017年1月のNHK定期演奏会から。指揮は、下野竜也。

2017年5月6日土曜日

ベルク:オペラ『ヴォチェック』

アルバン・ベルクが、1922年に完成させた、3幕のオペラ。

ベルクは、1914年にこの戯曲を見て作曲を開始したが、途中で第1次世界大戦が勃発し、ベルクも従軍を余儀なくされて中断。戦後に再開し、1922年に完成させた。

オリジナルの戯曲の内容もさることながら、この従軍の体験が、オペラのダークな内容に大きな影響を与えたようだ。

ストーリーは、実話に基づいていて、下級軍人のヴォチェックが、浮気をした情婦のマリーを殺す様子が描かれる。

当時の不穏な時代を背景に、ヴォチェックを軸に、人間の狂気が描かれた、悲劇的なオペラの傑作。

2010年にボリショイ・オペラの公演から。