2018年9月30日日曜日

バルトーク:弦楽四重奏曲第5番

ベラ・バルトークが、1934年に作曲した、5番目の弦楽四重奏曲。

第1楽章、Allegro。これまでのバルトークの弦楽四重奏曲の中でも、かなり明るいイメージの音楽。

第2楽章、Allegro molto。やや静かな内省的な音楽。

第3楽章、Scherzo (Alla bulgarese, vivace)。軽快なスケルツォ。

第4楽章、Andante。再び静かな音楽。

第5楽章、Finale (Allegro vivace)。一転して、テンポの速い音楽。

2017年4月、パリのブッフ・デュ・ノール劇場における、ディオティマ弦楽四重奏団の演奏。

バルトーク:弦楽四重奏曲第4番

ベラ・バルトークが、1928年に作曲した、4番目の弦楽四重奏曲。

第1楽章、Allegro。バルトークの猫の声のような独特な音楽。

第2楽章、Prestissimo con sordino。小刻みでテンポの速い音楽が展開する。

第3楽章、Non troppo lento。チェロの伸びやかな音楽が心地よい。

第4楽章、Allegro pizzicato。ピチカートによって演奏される。

第5楽章、Allegro molto。再び、小刻みでテンポの速い音楽。フィナーレは唐突に訪れる。

第3番の翌年に作曲された作品だが、それまでの3つの弦楽四重奏曲とは、趣が著しく異なっている印象。

2017年4月、パリのブッフ・デュ・ノール劇場における、ディオティマ弦楽四重奏団の演奏。

バルトーク:弦楽四重奏曲第3番

ベラ・バルトークが、1927年に作曲した、3番目の弦楽四重奏曲。

第1部、Moderato。静かで捉えどころがない、バルトークらしい序奏。

第2部、Allegro。歯切れのいい、民族舞踏のような音楽。

第3部、Recapitulazione della prima parte。第1楽章と同じような音楽が展開される。

第4部、Coda。再び、軽快な、しかし激しい音楽でフィナーレを迎える。

演奏時間は15分ほどの短い音楽。

2017年4月、パリのブッフ・デュ・ノール劇場における、ディオティマ弦楽四重奏団の演奏。

バルトーク:弦楽四重奏曲第2番

ベラ・バルトークが、1915年から1917年の間に作曲したと言われる、2番目の弦楽四重奏曲。

第1楽章、Moderato。

第2楽章、Allegro molto capriccioso。全体的に、激しくエネルギッシュな音楽。終盤、静かになったり、激しくなったり、めまぐるしく様々な音楽が展開する。

第3楽章、Lento。一転して静かな音楽。

静かだが、不安定な雰囲気を感じさせる音楽。心の中にある様々な感傷的な思いが、浮かんでは消えていくようだ。

2017年4月、パリのブッフ・デュ・ノール劇場における、ディオティマ弦楽四重奏団の演奏。

バルトーク:弦楽四重奏曲第1番

ベラ・バルトークが、1907年から1908年の間に作曲したと言われる、最初の弦楽四重奏曲。

第1楽章、Lent。バルトークは、これを葬送の音楽であると友人への手紙に書いていた。静かで厳かな雰囲気の音楽。

チェロが弦を強く震わせて奏でる、低音の響きが、確かに死を感じさせる。

冒頭に12音全てが使われていているが、この曲が作曲されたのは、シェーンベルグが12音技法を確立する前だった。

第2楽章、Allegretto。

第3楽章、Allegro viviace。

次第に音楽が激しくなり、ダイナミックにフィナーレを迎える。

2017年4月、パリのブッフ・デュ・ノール劇場における、ディオティマ弦楽四重奏団の演奏。

2018年9月2日日曜日

カバレフスキー:チェロ協奏曲第2番

ソ連の体制寄りの音楽家として知られる、ドミトリー・カバエフスキーが、1964年に完成させた、2番目のチェロ協奏曲。

第1楽章 モルト・ソステヌート。

暗い感じのチェロの旋律が印象的。聴く者の心をグッと掴んでしまう。チェロの旋律は、やがて複雑な哀愁に満ちたものに変わっていく。タンゴのような印象。

第2楽章 プレスト・マルカート。

第1楽章と違って、激しい音楽。

第3楽章 アンダンテ・コン・モート。

再び静かなチェロの旋律が戻ってくる。ダイナミックな展開の後、最後はチェロの物悲しい旋律で終わる。

あまり有名ではないが、チェロ協奏曲の名曲の一つと言っていい。

チェロは、マリオ・ブルネロ。2018年6月、NHK交響楽団の定期公演から。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽『カルタ遊び』

ストラヴィンスキーが、アメリカ・バレエ団のために1937年に完成させたバレエ曲。

このバレエの振り付けは、ディアギレフのロシア・バレエ団で共に活躍したバランシンだった。

カルタ(カードゲーム)の3つのプレー(ディール)を3つの曲で表現している。

賭け事をテーマにした音楽だけに、全体的に、やや忙しない。

2018年5月にサントリーホールで行われた、NHK交響楽団の公演。指揮は、パーヴォ・ヤルヴィ。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ミューズを率いるアポロ』

ストラヴィンスキーが、アメリカ、ワシントンのアメリカ国会図書館での公演のために依頼され、1927年に完成させた、バレエのための音楽。

春の祭典などの前衛的な音楽とは異なり、古典的な手法で作曲されている。

アポロの踊りまでは静かな音楽。主役のアポロのパートは流石に聞きごたえがある。

パ・ド・ドューで再び静かな音楽になり、最後はコーダで明るく軽快な音楽になる。

2018年5月にサントリーホールで行われた、NHK交響楽団の公演。指揮は、パーヴォ・ヤルヴィ。

ファーゲルルンド:オペラ『秋のソナタ』

1972年生まれのフィンランドの作曲家、セバスチャン・ファーゲルルンドが、フィンランド国立劇場からフィンランド独立100周年を記念して委嘱され、作曲した作品。

題名からも想像できるように、イングマール・ベイルマン監督の同名の映画作品がベースになっている。

母親と娘の、対立する心の葛藤が全体の基調になっていて、映画ではベイルマンの美しい映像が添えられていたが、オペラ作品では、現代的な不安な音楽によって、むしろその愛憎劇が強調される形になっている。

イプセンの人形の家もそうだが、何気ない穏やかな日常の中に、人間の心の闇が隠されている、というのが北欧芸術のある種のパターンなのかもしれない。

2017年9月にヘルシンキのフィンランド国立劇場で行われた公演。