ヴェルディが、1851年に完成させた、全3幕のオペラ。『イル・トルヴァトーレ』や『ラ・トラヴィアータ』と並んで、ヴェルディ中期の傑作の1つ。
原作は、ヴィクトル・ユゴーの『王は愉しむ』という戯曲。当初は、その戯曲をほぼ忠実に作品化しようとしたが、検閲などによって、舞台や登場人物が一部変更された。
主役のリゴレットは、マントヴァ侯に仕える道化師だが、自らが笑い者にしたチェプラーノ伯爵の呪いに怯えている。
箱入り娘のジルダをマントヴァ侯に奪われ、その復讐のために殺そうとするが、逆に純粋なジルダがその身代りとなって、殺し屋に殺されてしまう。
冒頭のチェプラーノ伯爵の呪いが、バスの低音によって、不吉なおどろおどろしい音楽で奏でられ、これが何度も登場する。
主人公のリゴレットは、道化師という役割でありながら、道化の役割を演じるのは冒頭だけ。ほとんどの場面では、娘を思う父親として、あるいはその娘の復讐を誓う父親として、バリトンでその思いを切々と奏でる。
マントヴァ侯は、恋のみに生きる脳天気な侯爵。美しいソプラノで歌われる数々の口説き文句が、その脳天気さをより強調する。ユゴーの原作では、フランスのフランソワ1世ということになっている。
道化でありながら、その心の中では、周囲に対して恨みや妬みに満ちているという性格の2面性を持っているリゴレット。
悲劇は、脳天気なマントヴァ侯ではなく、そのリゴレットに降り掛かる、というのがこのオペラのミソ。ヴェルディが好んだシェークスピアの悲劇にも通じる。
2008年にパルマで行われたヴェルディ・フェスティバルの公演から。リゴレットには、ヴェルディ作品には欠かせないレオ・ヌッチ。ジルダには、ニノ・マチェイゼ。
複雑なリゴレットの思いを、見事に歌い上げたレオ・ヌッチ。ヴェルディのオペラは、歌唱力はもとより、演技力が何よりも要求される、ということを証明するような、素晴しいパフォーマンスだった。
2013年9月15日日曜日
2013年9月7日土曜日
ヤナーチェク:オペラ『利口な牝狐の物語』
レオシュ・ヤナーチェクが、新聞に掲載された絵物語をもとに1923年に作曲した、7番目のオペラ作品。全編がチェコ語で演じられる。
原作では、主人公の牝狐の結婚で終わっているが、ヤナーチェクは、子供が生まれ、主人公が撃たれてなくなり、しかし、森は昔のまま、という部分を付け加えている。
当時のヨーロッパを支配していた、東洋的な輪廻転生の思想の影響を受けている。
現代から見れば、自然環境の保護、という視点も感じられる。
オペラの最後で、森番が、”前に出会ったカエルだ”というと、そのカエルが、”それはボクのおじいさんだよ”と返す部分は、このオペラのテーマを実に良く表している。
音楽は、テーマが、森とそこに住む動物と人間の関わり、ということから、子供でも喜びそうな楽しい音楽や、ヤナーチェク独特のダイナミックなファンファーレ的な音楽もあり、多彩で、誰でも楽しめるものになっている。
2009年11月にフィレンツェで行われた公演。指揮は小澤征爾。
原作では、主人公の牝狐の結婚で終わっているが、ヤナーチェクは、子供が生まれ、主人公が撃たれてなくなり、しかし、森は昔のまま、という部分を付け加えている。
当時のヨーロッパを支配していた、東洋的な輪廻転生の思想の影響を受けている。
現代から見れば、自然環境の保護、という視点も感じられる。
オペラの最後で、森番が、”前に出会ったカエルだ”というと、そのカエルが、”それはボクのおじいさんだよ”と返す部分は、このオペラのテーマを実に良く表している。
音楽は、テーマが、森とそこに住む動物と人間の関わり、ということから、子供でも喜びそうな楽しい音楽や、ヤナーチェク独特のダイナミックなファンファーレ的な音楽もあり、多彩で、誰でも楽しめるものになっている。
2009年11月にフィレンツェで行われた公演。指揮は小澤征爾。
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