2013年9月15日日曜日

ヴェルディ:オペラ『リゴレット』

ヴェルディが、1851年に完成させた、全3幕のオペラ。『イル・トルヴァトーレ』や『ラ・トラヴィアータ』と並んで、ヴェルディ中期の傑作の1つ。

原作は、ヴィクトル・ユゴーの『王は愉しむ』という戯曲。当初は、その戯曲をほぼ忠実に作品化しようとしたが、検閲などによって、舞台や登場人物が一部変更された。

主役のリゴレットは、マントヴァ侯に仕える道化師だが、自らが笑い者にしたチェプラーノ伯爵の呪いに怯えている。

箱入り娘のジルダをマントヴァ侯に奪われ、その復讐のために殺そうとするが、逆に純粋なジルダがその身代りとなって、殺し屋に殺されてしまう。

冒頭のチェプラーノ伯爵の呪いが、バスの低音によって、不吉なおどろおどろしい音楽で奏でられ、これが何度も登場する。

主人公のリゴレットは、道化師という役割でありながら、道化の役割を演じるのは冒頭だけ。ほとんどの場面では、娘を思う父親として、あるいはその娘の復讐を誓う父親として、バリトンでその思いを切々と奏でる。

マントヴァ侯は、恋のみに生きる脳天気な侯爵。美しいソプラノで歌われる数々の口説き文句が、その脳天気さをより強調する。ユゴーの原作では、フランスのフランソワ1世ということになっている。

道化でありながら、その心の中では、周囲に対して恨みや妬みに満ちているという性格の2面性を持っているリゴレット。

悲劇は、脳天気なマントヴァ侯ではなく、そのリゴレットに降り掛かる、というのがこのオペラのミソ。ヴェルディが好んだシェークスピアの悲劇にも通じる。

2008年にパルマで行われたヴェルディ・フェスティバルの公演から。リゴレットには、ヴェルディ作品には欠かせないレオ・ヌッチ。ジルダには、ニノ・マチェイゼ。

複雑なリゴレットの思いを、見事に歌い上げたレオ・ヌッチ。ヴェルディのオペラは、歌唱力はもとより、演技力が何よりも要求される、ということを証明するような、素晴しいパフォーマンスだった。

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