2025年7月26日土曜日

シェーンベルク:ワルシャワの生き残り

シェーンベルクが、晩年の1947年に作曲した、ナレーター、男声合唱と管弦楽のためのカンタータ。

シェーンベルクは、自らの親族の何人かを、第2次世界大戦の中で失っている。

ワルシャワの生き残りである、男性ナレーターが、自らの強制収容所での体験を語ることで音楽が始まる。

わずか7分ほどの小品だが、その悲劇を表現する音楽の激しさには、シェーンベルクの思いが込められている。

その台本も、シェーンベルク自身が書き上げた。

2025年4月、ポーランド、ヴロツワフの国立音楽フォーラムでの公演から。指揮はクリストフ・エッシェンバッハ、NFMヴロツワフ・フィルハーモニー管弦楽団。


2025年7月12日土曜日

ブーレーズ:二重の影の対話

ピエール・ブーレーズが、1985年に作曲した、クラリネットのための音楽。

事前に録音しておいたクラリネットの演奏と、生のクラリネットの演奏による、二重演奏。

2025年、東京・春・音楽祭での演奏で、会場は、影の対話を作り出すために、暗闇の中で壇上のクラリネット奏者だけにスポットが当たる演出になっていた。

2025年4月、東京文化会館小ホールでの演奏。クラリネットは、マルタン・アダメク。


ブーレーズ:12のノクタシオン

ピエール・ブーレーズが、1945年に作曲したピアノのための音楽。

12音技法を使って作曲されている。当時、ブーレーズはまだメシアンの元で学んでいた。

2025年4月、東京文化会館小ホールでの演奏。ピアノ、永野英樹。


2025年7月5日土曜日

ラヴェル:夜のガスパール

モーリス・ラヴェルが、1908年に作曲したピアノ曲。

ベルトランの3つの詩をテーマに構成されている。

第1曲、オンディーヌ(水の精)。水の雫がこぼれ落ちるような音楽で始まる。ドラマチックな音楽。

第2曲、絞首台。静かに絞首台に向かって足を進めていような音楽。

第3曲、スカルボ。自由に飛び回る小悪魔が、ラヴェルの奔放な音楽で表現される。

2025年5月、すみだトリフォニーホールでの公演から。ピアノはミシェル・ダルベルト。

リスト:ノルマの回想

フランツ・リストが、1841年に作曲したピアノ曲。

ベッリーニのオペラ『ノルマ』の音楽を元に、ピアノ曲に仕立てている。

リストは、壮大なオペラ作品を、ピアノだけで同じような音楽世界にしてしまう。恐るべし。

リストは、ワーグナーなどのオペラ作品からのピアノ曲も作っている。音楽における創造性とは何かを、考えさせられる。

2025年5月、すみだトリフォニーホールでの公演から。ピアノはミシェル・ダルベルト。



ラフマニノフ:ピアノソナタ第1番

セルゲイ・ラフマニノフが、1906年から1907年にかけて作曲した最初のピアノソナタ。

ゲーテのファウストから着想を得て、3つの楽章でそれぞれファウスト、グレートヒェン、メフィトスフェレスを表そうとしたが、後にその構想は失われた。

当初は、45分という長い曲だったが、周囲のアドバイスを受けて、最終的には35分に落ち着いた。

この演奏は、未出版のオリジナルの版での演奏。

第1楽章 、アレグロ・モデラート。ダークな音楽で始まるが、次第に上方に展開していく。

第2楽章 、レント。グレートヒェンが、ファウストを浄化していくようだ。

第3楽章 、アレグロ・モルト。流れるような音楽で始まるが、展開が目まぐるしい。この楽章の中で、ソナタ一曲分の展開があるようだ。

2025年4月、浜離宮朝日ホールでの公演から、ピアノは、ルーカス・ゲニューシャス。