2025年11月24日月曜日

シャルパンティエ:オペラ『ルイーズ』

フランスの作曲家、ギュスターヴ・シャルパンティエが、1888年から1900年にかけて作曲した、4幕もののオペラ。

パリに住む若いお針子のルイーズと、売れない詩人の恋を描いた、自然主義的な内容のオペラ。

シャルパンティエは、ローマ賞を受賞し、ローマに留学した時からこのオペラを書き始めた。

社会主義的な内容を扱った、初めてのオペラと言われている。

ルイーズは、詩人のジュリアンと駆け落ちするが、父が病気になり、実家に連れ戻される。

駆け落ち相手の元に返したくない両親の束縛に、ルイーズは耐えられずに逃げ出してしまう。

当時のパリの貧しい人々の暮らしを、伝統の悲劇に準えようとしたオペラ。

2025年のエクサン・プロバンス音楽祭から。指揮はジャコモ・サグリパンティ、演奏はリヨン歌劇場管弦楽団。


2025年11月22日土曜日

メンデルスゾーン:交響曲第2番『賛歌』

フェリックス・メンデルスゾーンが、1840年に作曲した、合唱曲付きの交響曲。

1840年は、グーテンベルクによる印刷技術誕生後400年を記念する年で、ライプツィヒ市からメンデルスゾーンに曲の依頼があった。

ベートーヴェンの交響曲第9番のような構成だが、長らく忘れらていて、20世紀になり再評価された。

第1曲は、シンフォニア。オーケストラが音楽を奏でる。

第2曲から10曲は、カンタータ。聖書の詩篇などからの言葉が、歌われる。

歌詞は、ルターによるドイツ語の聖書から採られている。

宗教がテーマの音楽とあってか、メンデルスゾーンを象徴するような、軽快な音楽はあまり聞こえてこない。

2025年10月、NHKホールでの公演から。指揮はヘルベルト・ブロムシュテット、合唱はスウェーデン放送合唱団、演奏はNHK交響楽団。


2025年11月15日土曜日

芥川也寸志の世界


芥川也寸志のことは、NHKの『N響アワー』という番組で知った。

一時期、歴史学者の木村尚三郎、作詞家のなかにし礼の3人で司会をしていた。

芥川也寸志が作曲家ということは知っていたが、恥ずかしながら、その音楽を聴いたことはなかった。

正しくは、聴いたことがあっても、それが芥川の曲だと知らなかった、ということだった。

つい最近、映画『八甲田山』の音楽を芥川が作曲していたことを知った。

そのこともあってか、生誕100年を記念するコンサートが行われると聞いて、足を運んだ。

会場は、芥川に所縁のある、上野の台東区立旧東京音楽学校奏楽堂。

現在は台東区立とあるが、元は東京音楽学校、その後の東京藝術大学の施設だった。

老朽化が進み、その保存をめぐり東京藝術大学では費用を負担できず、台東区が名乗りをあげた。東京音楽学校の卒業生でもあった芥川も、他の卒業生たちともに、その保存に尽力したという。

また、芥川也寸志が、最後にアマチュアの新交響楽団の指揮を行ったのも、この奏楽堂だった。

コンサートは2部構成で、1部は弦楽四重奏曲やピアノ曲『ラ・ダンス』など昭和20年代に作曲された音楽、2部はヴァイオリンとピアノのためのバラードや、子供のための歌曲、絃楽のための三楽章(トリプティーク)など、昭和50年代に作曲された音楽が演奏された。

当たり前のことながら、いずれの曲にも、日本の音楽の要素が微妙にブレンドされていた。

また、芥川の音楽の特徴である、オスティナートと言われる短い周期の音の繰り返しが、随所に現れていた。

子供のための歌曲”ぶらんこ”と”ことりのうた”は、歌が始まってすぐに、かつて子供の頃に聴いていた記憶が蘇り、鳥肌が立った。

それらの曲が、芥川の曲だということを、このコンサートで初めて知ることになった。

一番最初に演奏された弦楽四重奏曲の一部は、最後に演奏された芥川の代表的な楽曲でもあるトリプティークに転用されている。

一瞬、また同じ曲が再演されているのかとも感じたが、聴いていくうちに、明らかに音楽としての完成度は、トリプティークが優っている。

このコンサートの企画者は、芥川の生涯にわたる音楽の変化と共通性を、感じて欲しかったのだろう。

現在、日本の作曲者で演奏される人といえば、武満徹、あるいは細川俊夫あたりが多いのではないか。

芥川也寸志の音楽は、もう少し注目され、もっと演奏されてもいい。

この日の演奏者は、すべて東京藝術大学の卒業生、つまり芥川の後輩たちだった。

最後のトリプティークの演奏が終わった後で、ヴァイオリンの尾池亜美が、メンバーに向けて”演奏は上手くいったね!”と言わんばかりの飛び切りを笑顔を見せた。

その表情が、このコンサートが成功であったことを、何よりもよく物語っていた。


ライリー:SUN RINGS

ミニマルミュージックの作曲家、テリー・ライリーが2001年7月から2002年8月にかけて作曲した、弦楽四重奏と合唱のための音楽。

NASAからの要請で作曲されたもので、NASAからは、宇宙探査船ボイジャーによって記録された、惑星の音楽が提供された。

10の”スペーススケープ”から構成されている。

1) Overture

2) Hero Danger 

3) Beebopterismo 

4) Planet Elf Sindoori      

5) Earth Whistlers 

6) Earth/Jupiter Kiss      

7) The Electron Cyclotron Frequency Parlour 

8) Prayer Central

9) Venus Upstream 

10) One Earth, One People, One Love

2025年6月、神奈川県立音楽堂での公演から。演奏は、クロノス・カルテット。合唱は、合唱団やえ山組。




グリーグ:組曲『ホルベアの時代から』

エドヴァルト・グリーグが、1884年に初めはピアノ協奏曲用に作曲し、翌年、管弦楽用に組曲にも仕立てた。

曲名にもなっているルズヴィ・ホルベアは、グリーグと同じベルゲン出身の作家。

当時のノルウェーはデンマーク領だったため、ホルベアはその両国の文学の祖とされている。

そのホルベアの生誕100年を記念して作曲された。ホルベアの生きた、バロック時代の雰囲気が上手に曲の中に織り込まれている。

第1曲:前奏曲。流れるような、リズミカルで爽快な音楽。

第2曲:サラバンド。緩やかな舞曲。

第3曲:ガヴォットとミュゼット。

第4曲:アリア。哀愁を誘うアリア。

第5曲:リゴドン。バロックの雰囲気に満ち溢れている。

2025年10月、サントリーホールでの公演から。指揮はプロムシュテット。演奏は、NHK交響楽団。


ニールセン:フルート協奏曲

デンマークの作曲家、カール・ニールセンが、1926年に完成させた、フルートのための協奏曲。

ニールセンは、交流の深かったコペンハーゲン五重奏団の各メンバーのために、それぞれの楽器の協奏曲を作曲した。

このフルート協奏曲は、その最初の曲だった。

第1楽章。壮麗なオーケストラの音楽に続き、フルートが陽気に登場する。

第2楽章。不思議な感覚の音楽で始まり、やがてダイナミックな展開に。

2025年10月、サントリーホールでの公演から。指揮はヘルベルト・プロムシュテット。フルートはセバスティアン・ジャコー、演奏はNHK交響楽団。


2025年11月1日土曜日

バッハ:マニフィカト

ヨハン・ゼバスティアン・バッハが、1723年に作曲した宗教音楽。

バッハは、プロテスタントでルター派の信者だったが、この曲には、カトリックのラテン語の典礼が使われている。

クリスマスの日に演奏されたため、クリスマス用の4つの曲も追加された12曲で構成されている。

2025年6月、オーストリアのメルク修道院での演奏から。指揮は、パブロ・エラス・カサド。演奏は、ウィーン・コンツェルトゥス・ムジクス。