2014年1月28日火曜日

バルトーク:バレエ『中国の不思議な役人』(組曲版)

バルトークが、1918年から1924年にかけて作曲した、パントマイムのための曲。バレエのための音楽として紹介されることが多い。

パントマイムのストーリーは、不良少年たちが、少女をおとりに、中国の不思議な役人風の男を、殺して金を巻き上げようとするが、その男がなかなか死なない、というもの。

いきなり、不協和音のノイジーな音楽で始まり、不安をかき立てるような、いかにも現代音楽、という曲で構成されている。

サイモン・ラトル指揮、ベルリンフィルの2008年6月のエクサンプロヴァンス音楽祭での演奏。

ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲

1876年に作曲された、ドヴォルザーク唯一のピアノ協奏曲。35歳の若き頃の作品で、荒削りな印象がある。

第1楽章は、独特な主題となるメロディーが特徴。ピアノとオーケストラが、その主題を互いに引き合う、といった感じの楽章。ドヴォルザークのオーケストレーションが冴えを魅せる。

第2楽章は、静かに始まる。途中で、ゴッドファーザーのテーマのようなメロディが登場する。

第3楽章は、軽快でリズミカルな、民族音楽風の出だしで始まる。様々なメロディーが登場し、やや混乱気味でもあるが、基本的な流れは同じ。

ピアノはアンドラーシュ・シフ。サイモン・ラトル指揮、ベルリンフィルの2008年6月のエクサンプロヴァンス音楽祭の演奏。

ブラームス:交響曲第3番

1883年の5月から10月にかけて作曲されたといわれる、ブラームスの3番目の交響曲。

第1楽章は、心にたまっていた感情が、一気に涌き上がるような、印象的なメロディーで始まる。基調としては、全体的に穏やかな楽調で、田園風景が思い浮かぶようだ。

第2楽章も、引き続き穏やかな基調が続く。ブラームス独特の、重厚な弦楽の響きが実に美しい。

そして、第3楽章では、一気に雰囲気が変わり、哀愁に満ちた、悲しげなメロディーで始まる。この世の中で、最も悲しみを誘う音楽のひとつ。

この音楽を本当に味わうには、ある程度の人生の経験を、経なければならないのではないか、と感じさせる。

第4楽章は、当初は、第3楽章の雰囲気を引きずりながら、次第に、壮大なクライマックスに盛り上がっていく。このスムーズな曲調の変化は、違和感が全くなく、スムーズで、さすが、ブラームス。

そして、最後は、再び穏やかな音楽に戻り、静かに、余韻を噛み締めるように終わりを迎える。

40分弱の短い交響曲だが、第1番や第2番に比べて、一段と成熟した交響曲に仕上がっている。

サイモン・ラトル指揮、ベルリンフィルによる、2008年6月のエクサンプロヴァンス音楽祭での演奏。

2014年1月4日土曜日

バッハ:クリスマス・オラトリオ

バッハが、1734年にクリスマス用に作曲したオラトリオ。

クリスマスから、1月6日までの間の6日間に演奏されるように、6つの部分、全64曲のカンタータから成り立っている。

歌詞の内容は、新約聖書の福音書などから採られている。

バッハは、このオラトリオを作曲したときは、現代のような独立した音楽家ではなく、教会で音楽監督として働いていた。

今日では、コンサートホールや大教会で、一流の音楽家によって演奏されるが、当時はもっと小規模な形で演奏されたのだろう。

2011年12月、デレスデンのフラウエン教会での演奏。指揮、クリスティアン・ティーレマン。演奏、シュターツカペレ・ドレスデンとドレスデン・フラウエン教会室内合唱団。

ヴェルディ:オペラ『オテロ』

ヴェルディが、1886年に完成させた、シェイクスピア原作のオペラ。

ヴェルディは、すでに晩年で、作曲への意欲を失いかけていたが、依頼者の巧みな誘いに、ついにこの曲を完成させたという。

我々は、この依頼者、リコルディに感謝すべきだろう。

第1幕の冒頭の嵐のシーンから、いきなりクライマックスを迎える。

オテロ、妻のデスデーモナ、イヤーゴ、カッシオの全ての主要なキャストが登場し、ダイナミックで緊迫感あふれるコーラスが、このオペラの不安な幕開けを告げる。

誰もが知っているストーリーと結末。だからこそ、この冒頭のシーンが活きる。観客は、この時点で結末を意識して、その後の展開をゆっくり楽しんでいくことになる。

実によくできているオペラだ。

2008年のザルツブルグ音楽祭から。指揮はリッカルド・ムーティ。