2019年4月29日月曜日

シューマン:幻想小曲集(作品73)

ロベルト・シューマンが1849年に作曲した室内楽曲。

オリジナルでは、クラリネットとピアノのための曲だが、ヴァイオリンやチェロのためにも編曲されている。

3つのパートから成り立っている10分ほどの小曲だが、ロマン派としてのシューマンの音楽がよく表れている。

2018年12月にローマの聖チェーリア・ホールでの、別府アルゲリッチ音楽祭inローマでの演奏から。アルゲリッチとマイスキーによる演奏。

ハンス・ロット:交響曲第1番

25歳という若さで惜しくも世を去ったハンス・ロットが、1880年に完成させた最初の交響曲。

ブルックナーにオルガンを師事し、2歳年下のマーラーとは音楽学校の学友だった。この二人はロットの音楽を高く評価していた。

後年のマーラーの交響曲第1番には、この曲からの引用が多いという。

第1楽章。ダイナミックなオーケストレーションは確かにマーラーを連想させる。

第2楽章。静かな音楽で、これもマーラーを連想させる。

第3楽章。この楽章の出だしの部分と最後のパートは、取り分けマーラーが引用したことがよく分かる。

第4楽章。この楽章でも、特に最後のクライマックスの壮大な音楽を聴くよ、マーラーがそのモチーフの多くをロットに負っていたことがよくわかる。

NHK交響楽団の定期演奏会から。指揮は、パーヴォ・ヤルヴィ。

シュトラウス:ヴァイオリン協奏曲

リヒャルト・シュトラウスが、1861年から1862年に作曲した、最初のヴァイオリン協奏曲。まだわずか18歳であった。

3つの楽章からなる。特に最初の楽章は、将来のシュトラウスらしい音楽の片鱗が現れている。

他のシュトラウスの作品に比べると、演奏される機会はほとんどない。

NHK交響楽団の定期演奏会から。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。ヴァイオリンは、アリョーナ・バーエワ。

ルクレール:2つのバイオリンのためのソナタ

18世紀に活躍した、ジャン=マリー・ルクレールが作曲した、珍しい2台のヴァイオリンのためのソナタ。

ルクレールは、リヨンに生まれ、トリノでヴァイオリンとダンスを学び、フランスに戻り、ルイ15世の宮廷で活躍しながら、最後は、惨殺されて命を落とすという、まさに波乱万丈な人生を送った。

いわゆるバロック音楽の時代の曲だが、このヴァイオリン・ソナタは、時代を超えて、人々に訴えかける何かを持っているような気がする。

2018年12月にローマの聖チェーリア・ホールでの、別府アルゲリッチ音楽祭inローマでの演奏から。ヴァイオリンは、竹澤恭子と豊嶋泰嗣。

2019年4月21日日曜日

ヴェルディ:オペラ『アッティラ』

ジュゼッペ・ヴェルディが、1846年の2月に完成させた、9作目のオペラ。

古代ローマに進行して、当時のローマを大混乱に陥れた、フン族のアッティラを主人公に、そのアッティラに父を殺された娘の復讐劇、初演されたヴェネツィアのフェニーチェ劇場にちなんだ、ヴェネツィア建国の物語も絡めた、スケールの大きな内容。

ミラノ・スカラ座の2018/2019年シーズンのオープニング公演で、イタリア大統領も鑑賞し、華やかな雰囲気の中で行われた。

ベルリオーズ:交響曲『イタリアのハロルド』

フランスの作曲家、エクトル・ベルリオーズが、1834年6月に完成させた、ヴィオラ独奏付きの交響曲。

ヴァイオリンの名手、パガニーニにヴィオラのための管弦楽曲を依頼されたベルリオーズが、パガニーニを満足させる曲を作れずに、最後はヴィオラ独奏付きの交響曲に落ち着いたという話が伝わっている。

イギリスの詩人、バイロンの長編詩『チャイルド・ハロルドの巡礼』にインスピレーションを得て作られており、4つの楽章にはそれぞれ場面を表す表題が付いている。

ヴィオラは、この曲の名では主人公のハロルドの役を演じている。

この長編詩はイタリアが舞台だが、ベルリオーズもローマ賞を受賞してイタリアを訪れており、その時の経験が作曲にも活かされている。

イギリス人のバイロン、フランス人のベルリオーズ、二人のイタリア趣味が混じり合った作品とも言える。

幻想交響曲と同じようなメロディが、所々で登場する。

2019年1月のNHK交響楽団の定期公演から。ヴィオラ演奏は佐々木亮、指揮はトゥガン・ソヒエフ。