2020年6月27日土曜日

ワーグナー:オペラ『ニュルンベルグのマイスタージンガー』

リヒャルト・ワーグナーが、ドレスデン時代に『タンホイザー』とともに着想したが、完成したのはそのおよそ20年後の1867年だった。

1868年6月にミュンヘンのバイエルン宮廷歌劇場でハンス・フォン・ビューローの指揮により初演された。

ニュルンベルグの街を舞台に、若い恋人と、歌の親方のそれぞれの想いが交錯するハートウォーミングなストーリー。

陰鬱な暗いイメージが多いワーグナーのオペラ作品の中では、唯一と言っていい明るい内容。

クライマックスで、マイスタージンガーの靴屋の職人ハンス・ザックスが、”マイスターをないがしろにしなければ、神聖ローマ帝国は滅んでも、ドイツの芸術は残るだろう”と歌う部分には、ワーグナーの思想が色濃く表れている。

2008年のウィーン国立歌劇場の公演から。指揮はクリスティアン・ティーレマン。

2020年6月21日日曜日

ベッリーニ:オペラ『ノルマ』

シチリアのカターニャに生まれたヴィツェンツォ・ベッリーニが、1831年に作曲した2幕もののオペラ。

ローマが支配するガリア地方を舞台に、ローマ総督のポッリオーネと、ドルイド教の高僧の娘ノルマの愛と悲劇を描いている。

第1幕第1場でノルマが歌う、カスタ・ディーヴァがとりわけ有名。

また、第2幕第1場にノルマとアダルジーザの2重唱も美しい。

2007年のマチェラータ・オペラ・フェスティバルの公演から。指揮はパオロ・アッリヴァベーニ、ノルマ役にはマリア・カラスの再来と評価されたディミトラ・テオドッシュウ。

チャイコフスキー:オペラ『マゼッパ』

ロシアの作曲家、ピョートル・チャイコフスキーが、1881年から1883年にかけて作曲した全3幕のオペラ。

18世期初頭のウクライナを舞台に、コサックの棟梁マゼッパと、裕福な貴族のコチュベイ、その娘のマリアらが繰り広げる、愛憎劇。

父の反対を押し切ってマゼッパと一緒になったマリア。しかし父はマゼッパによって殺され、やがてマゼッパもピョートル大帝との戦争に敗れて、そんな中でマリアは精神錯乱を起こしてしまう・・・

2019年6月、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場での公演から。指揮は、ワレリー・ゲルギエフ。

2020年6月13日土曜日

レオンカヴァルロ:オペラ『道化師』

ルッジェーロ・レオンカヴァルロが1892年に作曲した、プロローグ付きの2幕もののオペラ。いわゆるヴェリズモ・オペラの代表作。

旅芸人一座の座長のカニオと、その妻で愛人と浮気をしているネッタ、そして愛人のトニオ、二人の不倫をカニオに告げるペッペらが繰り広げる愛憎劇。

再2幕は、最初は舞台で劇が展開されるが、錯乱したカニオが妻のネッタを殺してしまい、続いて乱入したトニオも殺してしまう。

最後に、カニオは”喜劇はこれで終わり”と呟く。

演出家で映画監督のフランコ・ゼフィレッリが映像化した作品。

オッフェンバック:オペラ『美しきエレーヌ』

ドイツで生まれて、フランスで成功を収めた、ジャック・オッフェンバックが1864年に作曲したオペラ・ブッファ。

トロイア戦争の原因となった有名なギリシャ神話のエピソードを、当時の社会風潮への皮肉を込めてパロディ化した。

パリスが、美しいスパルタ王妃のエレーヌ(ヘレネ)を誘惑するというストーリー。

舞台を豪華客船に設定し、その中で繰り広げられるドタバタ悲劇が展開される、という現代風な演出。

途中、メルケル首相に扮した演者が、お金の入った小さな運搬車を運ぶ、という何とも皮肉がシーンが登場した。

2014年9月のハンブルク歌劇場での公演から。

サン=サーンス:オペラ『サムソンとデリラ』

フランスの作曲家カミーユ・サン=サーンスが、1868年から74年にかけて作曲した3幕もののオペラ。

当初はオラトリオとして構想したが、最終的にはオペラの形式に落ち着いた。

パリのオペラ座は、聖書がテーマのオペラという点に何色を示し、初演が行われたのはドイツだった。フランツ・リストがこのオペラに興味を持っていて、熱心に働きかけを行ったという。

旧約聖書の土師記13〜16章に描かれる、サムソンの物語がストリーの核になってる。

怪力を活かしてペリシテ人からイスラエル人を守っていたサムソンだが、デリラに恋をしてその怪力の秘密を教えてしまう。

怪力を失い、両目をえぐられたサムソンが、自分の命と引き換えに力を取り戻して多くのペリシテ人とともに死んでいくという悲劇が、サン=サーンスのダイナミックな音楽で語られる。

2019年10月、ニューヨークのメトロポリタン・オペラの公園から。指揮はマーク・エルダー、デリラ役はエリーナ・ガランチャ、サムソン役はロベルト・アラーニャ。