普段は、あまり目にすることのないオペラ。オイゲン・ダラベールの『低地』。
ストーリーは、製粉工場のオーナーで、多くの小作人や使用人を抱えるセバスティアーノが、金持ちの女性と結婚するために、使用人で愛人だったマリアを、山地にすむペードロに花嫁として押し付けるが、結婚後も愛人関係を続けている。
始めは、その結婚を臨んでいなかったマルタも、ペードロの純粋な愛情に触れ、彼を深く愛するようになり、二人でセバスティアーノと対決する。最後は、ペードロが、セバスティアーノを絞め殺す。
虐げられた民衆が、金持ち階級に復讐する、という社会主義的な内容のオペラだが、ダラベールが、ワーグナーの影響の元にこのオペラを書いていることもあり、ヒットラーがこのオペラを大のお気に入りだったという。そのためもあり、これまで上演機会に恵まれなかった。
ストーリーが、劇的な内容で、音楽も、わかりやすく、美しいメロディーや、激しいワーグナー的なものもあり、純粋に、音楽とストーリーを楽しめるオペラ。
オイゲン・ダラベールは、イタリア系フランス人の父とイギリス人の母の間で、スコットランド生まれながら、ドイツで活躍しドイツに帰化した。
このストーリーは、カタロニア地方を舞台にしたスペインの話から取っている。何とも、汎ヨーロッパ的な背景を持っているオペラで、そのことも、興味深かった。
2006年のチューリッヒ歌劇場公演。フランツ・ウェルザー=メスト指揮。マリアにぺトラ・マリア・シュニッツァー(ソプラノ)、ペードロにペーター・ザイフェルト(テノール)、セバスティアーノにマティアス・ゲルネ(バリトン)。
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