2013年6月3日月曜日

サン=サーンス:交響曲第3番

サン=サーンスが、1886年に作曲した5番目の交響曲。

本人は、この曲を自分の集大成と考えていたようで、自分の持っているものを全てこの中に注ぎ込んだ、と自ら述べているしている。しかし、サン=サーンスは、その後も35年も生きていた。

全体は、2つの楽章から構成されているが、それぞれが前半部と後半部に分かれており、従来の形式を残しつつ、新しい試みに挑戦している。

パイプオルガンやピアノの連弾がところどころで使われており、特にパイプオルガンは、音楽により壮麗な雰囲気を与えている。

サンサーンスは、1つの主題が、曲の流れの中で成長していく、というリストと同様の試みをこの曲の中で行ったと言われている。

2013年2月のNHK交響楽団の定期演奏から。指揮は準・メルクル。

ペルゴレージ:オペラ『シリアのアドリアーノ』

1743年にナポリで初演されたペルゴレージのオペラ。

現在では、あまりポピュラーとは言えないペルゴレージだが、当時はモーツァルト、ロッシーニと並ぶオペラ作曲家だった。

当時のナポリは、英邁なスペインのカルロ7世王の元で、音楽のみならず、哲学者のヴィーコなど、様々な文化・芸術が花開いた。ベルゴレージのオペラは、その華やかさを今日に伝えている。

アドリアーノとは、ローマ皇帝ハドリアヌスのこと。今のシリアで、パルティア帝国を征服したハドリアヌスと、パルティアの王の娘エレーナとその恋人の恋をめぐる物語。

歌いところは歌い、チェンバロが奏でられると、セリフが語られるという、当時の決まり事で進行するオペラだが、現代はむしろ新鮮に聞こえる。

2010年のペルゴレージ・フェスティバルでの演奏。

リスト:ピアノ協奏曲第1番

リストの最初のピアノ協奏曲。1830年から作り始め、1855年に初演されたのちも、1856年に改訂されている。

その初演は、ベルリオーズの指揮、リスト本人によるピアノ、という豪華な取り合わせだった。

4つの楽章から構成されているが、休みなく、続けて演奏される。

始まりは、ダイナミックなオーケストラの音楽で始まる。この主題は、第4楽章にも登場する。

第1楽章には、ピアノにより奏でられる、哀愁のある和音があり、悪魔的な魅力を振りまいている。

第3楽章では、珍しく、トライアングルが登場する。

ダイナミックに始まり、ダイナミックに終わり、いわゆるロマン主義音楽の典型的なもの。リストの管弦楽曲の中でも、屈指の出来。

2013年2月のNHK交響楽団の定期演奏から。ピアノはヘルベルト・シュフ、指揮は準メルクル。

ピアノはスティーブン・ハフ、シャルル・デゥトワ指揮、NHK交響楽団による2013年11月の演奏。

リスト:交響詩『ラ・プレリュード』

1854年に作曲された、リストの3番目の交響詩。

プレリュードという曲名が付いた背景は、人生とは死への前奏曲である、というリストの思想がもとになっている。

人生を4つの部分にわけ、死と生を表すそれぞれの主題が、変奏されて演奏される。

どちらかといえば、勇壮でダイナミックな音楽の方が強く、フィナーレも、死に敢然と立ち向かう壮大なファンファーレで締め括られる。

晩年の達観したような静かな音楽は、この曲からは、まだ聞こえてはこない。

2013年2月のNHK交響楽団の定期演奏から。指揮は準・メルクル。

ヴェルディ:オペラ『ナブッコ』

1842年に初演されたヴェルディの3番目のオペラ。これがヴェルディにとっては、オペラでの最初の大ヒット作品となった。

ナブッコとは、歴史上に実在の人物。新バビロニア王国のネブカドネザルのこと。ユダヤ王国を滅ぼし、大量のユダヤ人をバビロニアに移住させたことで知られる。

そのエピソードをもとに脚色し、彼の二人の異母娘との後継者争いや、恋の争いなどを絡め、オペラらしい劇的な脚本になっている。

ナブッコのバリトンを挟んで、王位を狙う奴隷の女の娘の怖いアビガイッレと、本来王位をつくべき美しく優しいイズマエーレの二人のソプラノの対決が見もの。

イタリア統一運動のシンボルとなり、国家のように扱われることになった、黄金の翼に乗って、など美しく、聞き慣れた曲も満載。

2009年のパルマ・ヴェルディ・フェスティバルの公演。