2020年2月29日土曜日

ペルゴレージ:オペラ『恋に陥った兄と妹』

ナポリ派のジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージが作曲し、1732年に初演されたオペラ・ブッファ。

ペルゴレージの最初の成功作となり、その後次々とヒット作を重ねたが、惜しくも26歳で夭折してしまった。

しかし、残されたオペラ作品は、モーツァルトをはじめとしたその後のオペラ・ブッファに大きな影響を与えた。

2つの家族のそれぞれの父親が、それぞれの子供を結婚させるように企てるが、子供たちの思いが状況を複雑なものにさせていく。

たわいもないストーリーの恋愛喜劇だが、登場人物が自分の複雑な思いを切々と歌い上げるアリアが、実に美しい。

喜劇の中に、こうしたちょっとしたアクセントを入れ込むのが、ペルゴレージの大きな魅力の一つなのだろう。

2011年に、ペルゴレージの故郷、マルケ州のイェージで行われた、ペルゴレージ・スポンティーニ・フェスティバル2011の演奏から。

指揮者のファビオ・ビオンディは、自らヴァイオリン、ヴィオラ・ダモーレを弾きこなしながら、指揮を行っていた。

2020年2月15日土曜日

ワイル:オペラ『マハゴニー市の興亡』

ベルトルト・ブレヒトが1927年に発表した脚本に、カート・ワイルが音楽を作曲して1930年に初演されたオペラ。

3人の人物が、色と欲にまみれた都市マハゴニーを作り、そこにアラスカから移住してきた鉱夫たちも加わって展開されるドラマ。

お金があればなんでもできる、お金がないと暮らせない都市、という設定はいかにもブレヒトらしい。

ブレヒトは、第1次大戦後の社会的、経済的な混乱が続いていたワイマール共和国のベルリンで暮らしていた。

同じ時期に、ブレヒトは代表作の三文オペラも書いている。

ジミー・マホニーという主人公が、処刑される前に、金で買える幸せは、本当の幸せではない、と人々に訴える。

エクサン・プロバンス音楽祭2019の演奏から。

2020年2月8日土曜日

メサジェ:オペレッタ『可愛いミシュ』

フランスの作曲家、アンドレ・メサジェの作品で、1897年にパリで初演されたオペレッタ。

将軍の行方不明になった娘と、その娘を引き取った小さな商店を営む夫婦などをめぐる悲喜劇が繰り広げられる。

フランスのオペレッタの全盛時代の雰囲気が、そのまま詰め込まれた様な、これぞオペレッタという感じ。

アンドレ・メサジェは、9歳年下に当たるドビュッシーからも尊敬されていた作曲家だったが、現在ではあまり演奏される機会には恵まれていない。

2018年5月にフランスのナントにある、グララン劇場での公演。

2020年2月2日日曜日

ヴァインベルク:交響曲第3番

ポーランド生まれのユダヤ人作曲家、ミェチスワフ・ヴァインベルクが1949年に作曲した3番目の交響曲。

ヴァインベルクは、1919年生まれで、ナチスのポーランド進攻を受けてソ連に亡命し、そこで生涯を終えた。

ショスタコビッチらと交流をしていたが、反ユダ人キャンペーンの際は逮捕されるという経験もした。

第1楽章、Allegro。静かな吹奏楽で始まるが、やがて重厚な音楽になっていくが、再び静かに収束していく。

第2楽章、Allegro giocoso。冒頭では、ここでも吹奏楽が大きな役割を果たしている。リズミカルな軽やかな音楽。

第3楽章、Adagio。静かなアダージョ。

第4楽章、Allegro vivace。印象的なフレーズも何度か登場して、壮麗なフィナーレを迎える。



2019年BBCプロムスの演奏から。指揮はミルガ・グラジニーテ=ティーラ、演奏はバーミンガム市交響楽団。

ナッセン:ヤンダー城への道

英国の作曲家、オリバー・ナッセンが作曲した、オーケストラのための音楽。

武満徹とも友人であったというナッセンの音楽は、どこか武満徹の音楽とも似ている様に感じられる。

2019年BBCプロムスの演奏から。指揮はミルガ・グラジニーテ=ティーラ、演奏はバーミンガム市交響楽団。

ハウエル:交響詩『ラミア』

イギリスの女性作曲家、ドロシー・ハウエルの交響詩。

15分ほどの曲だが、交響詩、という名前に相応しく、まさに詩情に溢れている。

幻想的な音楽や、オーケストラを活かしたダイナミックな音楽など、様々な音楽要素が詰まっていて美しい。

2019年BBCプロムスの演奏から。指揮はミルガ・グラジニーテ=ティーラ、演奏はバーミンガム市交響楽団。

ドニゼッティ:オペラ『ドン・パスクヮーレ』

イタリアのガエターノ・ドニゼッティが、1842年に作曲し、1843年に初演されたオペラ。

未亡人を愛する若者が、悪知恵の働く医師の協力で、叔父で金持ちの意思を騙して恋人を結婚させ、その遺産を横取りして、その未亡人とも結婚しようとするが・・・、というオペラブッファ。

ありがちな脚本で、その展開も読めるのに、各場面でハラハラしてしまうのは、や
はりドニゼッティの音楽によることろが大きいのだろう。

フィナーレは、皆んながハッピーエンドになるというお決まりのストーリー。

2013年12月にヴェローナのフィラルモニコ歌劇場での公演から。指揮は、オメール・メイア・ヴェルバー。演奏はアレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団及び同合唱団。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーベンが1808年に作曲したピアノ協奏曲。交響曲の第5番、第6番などと同じ時期、いわゆる傑作の森と呼ばれる時期に作曲された。

この後、ベートーヴェンはピアノ協奏曲は作らなかった。

1808年12月にアン・デア・ウィーン劇場で交響曲の第5番、第6番などとともに初演された。これまでの4つの協奏曲では、自ら初演でピアノ演奏を行なったが、この第5番ではベートーヴェンは演奏していない。

第1楽章 Allegro 変ホ長調。

オーケストラのファンファーレの後ですぐにピアノが参加して、壮麗な音楽が展開する。

第2楽章 Adagio un poco mosso ロ長調。

オーケストラの美しい音色のアダージョを、ピアノがさらに心を浄化するような高みに導いていく。

第3楽章 Rondo Allegro - Piu allgero 変ホ長調。

ロンド、というよりは、交響曲の第4楽章といった雰囲気で、壮麗なこの協奏曲のフィナーレに相応しい。

2019年11月、東京オペラシティ・コンサートホールでの演奏から。ピアノと指揮はアンドラーシュ・シフ、オーケストラはカペラ・アンドレア・バルカ。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベンが、1805年から1806年にかけて作曲した4番目のピアノ協奏曲。

初演は1808年12月にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場でベートーヴェンの演奏により行われた。

第1楽章 Allegro moderato ト長調。

ピアノのソロで始まるというそれまでのピアノ協奏曲にはない構成。

第2楽章 Andante con moto ホ短調。

第2楽章にしては重々しい始まり方で、第1楽章のような雰囲気。

第3楽章 Rondo Vivace ト長調。

伸びやかな開放的な気分になる音楽。

2019年11月、東京オペラシティ・コンサートホールでの演奏から。ピアノと指揮はアンドラーシュ・シフ、オーケストラはカペラ・アンドレア・バルカ。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベンが、1796年から1803年にかけて3番目に作曲したピアノ協奏曲。

ベートーヴェンにとって、唯一の短調によるピアノ協奏曲になったが、5つのピアノ協奏曲の中でも屈指の名曲。

第1楽章 Allegro con brio ハ短調。

とてもドマチックな始まり方で、ピアノがその音楽を引き継いで、更にそのドラマを展開させていく。

第2楽章 Largo ホ長調。

第1楽章の興奮を覚ますような、天上にいるような静かな音楽。

第3楽章 Molto allegro ハ短調~ハ長調。

リズミカルな主題のメロディがとても印象的。最後は壮麗なフィナーレ。

2019年11月、東京オペラシティ・コンサートホールでの演奏から。ピアノと指揮はアンドラーシュ・シフ、オーケストラはカペラ・アンドレア・バルカ。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベンが、1786年から1795年にかけて作曲したピアノ協奏曲。第1番より先に作曲されていたが、楽譜の出版順序の関係で、第2番となっている。

初演は、1795年にウィーンのブルク劇場でベートーヴェン自らのピアノ演奏で行われた。

第1楽章 Allegro con brio 変ロ長調。

穏やかで、宮廷文化の華やかさを感じさせるような、大人しい音楽。

第2楽章 Adagio 変ホ長調。

終始静かで穏やかなアダージョ。

第3楽章 Rondo, Molto allegro 変ロ長調。

軽やかでリズミカルな音楽。

2019年11月、東京オペラシティ・コンサートホールでの演奏から。ピアノと指揮はアンドラーシュ・シフ、オーケストラはカペラ・アンドレア・バルカ。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーベンが1795年に完成させたピアノ協奏曲。第2番より後に作曲されたが、こちらの方が楽譜の出版が早かったために第1番となっている。

1795年にウィーンのブルク劇場で初演された。指揮はサリエリが行い、ベートーヴェン自らがピアノ演奏を行った。

第1楽章 Allegro con brio ハ長調。

華やかな壮麗なオーケストラの音楽で始まり、ピアノも静かに登場する。音楽は終始、華やかな雰囲気で展開されてく。

第2楽章 Largo 変イ長調。穏やかな音楽。

第3楽章 Rondo Allegro ハ長調。

軽快なロンド。とても親しみやすい軽やかなメロディが繰り返されていく。

2019年11月、東京オペラシティ・コンサートホールでの演奏から。ピアノと指揮はアンドラーシュ・シフ、オーケストラはカペラ・アンドレア・バルカ。