2025年4月29日火曜日

シューマン:ピアノ・ソナタ第1番

ロベルト・シューマンが、1832年から1835年にかけて作曲した、最初のピアノ・ソナタ。

それまでに幻想曲などの様々な小品を作ってきた成果が、このソナタに反映されている。

そのせいか、複雑な技法などを詰め込みすぎた、とも評価される。

第1楽章 Introduktion:un poco Adagio-Allegro vivace。

第2楽章 Aria:Senza passione, ma espressivo。

第3楽章 Scherzo e Intermezzo:Allegrissimo。

第4楽章 Finale:Allegro un poco maestoso。

静かだが、奥底に情熱を秘めているように始まる。終始、ダークなモードに支配された曲。

2022年6月、東京オペラシティーコンサートホールでの公演から。ピアノは、アレクサンドル・カントロフ。



2025年4月13日日曜日

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(弦楽三重奏版)

グレン・グルールドの演奏で有名な、バッハのゴールドベルク変奏曲。

そのグールドが亡くなった3年後の1985年に、ヴァイオリニストのシトコヴェツキーが、”グールドの思いでに”として、弦楽三重奏用に編曲した作品。

冒頭のアリアと、その変奏の30曲から構成される。

初めから弦楽三重奏のために作曲されたのでは、と思うほど違和感のない素晴らしい編曲。

2025年4月、東京の王子ホールでの公演から。ヴァイオリンは日下沙矢子、ヴィオラとチェロはベルリン・フィルメンバーの演奏。


2025年4月6日日曜日

リスト:交響詩『タッソー』

フランツ・リストが、1848年から1854年にかけて作曲した交響詩。

リストがヴェネツィアを訪れた際に、ゴンドラの船乗りが歌っていたタッソーの『解放されたエルサレム』に感動して、それから作品にするためのアイデアを温めていたという。

初めはピアノ曲として作曲したが、その後、ゲーテの戯曲『タッソー』の序曲の依頼があり、管弦楽曲用として変更した。

悲劇と勝利を表現した2つのパートに分かれており、最初のパートに、リストがヴェネツィアで耳にしたメロディが使われている。

2024年12月、NHKホールでの演奏から。指揮はファビオ・ルイージ。演奏はNHK交響楽団。


リスト:ファウスト交響曲

フランツ・リストが作曲した、ファウストをテーマにした交響詩。

リストは、ベルリオーズから『ファウストの劫罰』を献呈されたことをきっかけに、1854年から作曲を開始し、最終的な決定稿は1880年に完成した。

ファウスト、グレートヒェン、メフェストフェレスという3人の人物がそれぞれの楽章で描かれて、最後に『神秘の合唱』が歌われる。

3人の性格を、いくつかの音楽的なモチーフで表現している。

音楽的には、最後のメフェストフェレスが面白い。第1楽章のファウストの要素を、パロディ化した内容になっている。

2024年12月、NHKホールでの演奏から。指揮はファビオ・ルイージ。演奏はNHK交響楽団。

2025年4月5日土曜日

ベートーヴェン:ホルン・ソナタ

ベートーヴェンが、1800年に作曲した、唯一のホルン・ソナタ。

ホルン演奏の名手、ジョバンニ・ブントのために作曲された。

初演はブントとベートーヴェンの演奏でウィーンで行われたが、ベートーヴェンは前日に作曲を始めた、というエピソードが残っている。

当時のホルンの名演奏家のために作曲されたということもあり、ホルンの高度な演奏技法が要求される。

ピアノ部分はベートーヴェンが自ら演奏したことからも、言わずもがな。

第1楽章、Allegro moderato。伸びやかなホルンの音が美しい。

第2楽章、Poco adagio, quasi andante。短い楽章。

第3楽章、Rondo, allegro moderato。流れるようなホルンの音楽。

2022年5月、東京の紀尾井ホールでの演奏から。ホルンはラドヴァン・ヴラトコヴィチ、ピアノは児島一江。