2013年1月19日土曜日

ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』

チェコを代表する、後期ロマン派のドヴォルザークが、アメリカ滞在中の1893年に作曲した9番目の交響曲。新世界から、故郷のボヘミアに向けて、という意味があるという。

数ある交響曲の中でも、最も有名なものの一つで、演奏機会も多い。

4つの楽章、すべてに印象的なメロディーが含まれ、ロマン派らしいダイナミックな構成。まさに、パーフェクトな交響曲で、コンサートにはうってつけ。

しかし、その終わり方は静かな終わり方で、それまでの壮大さとの対比が印象的。

新大陸のアメリカの黒人音楽などに刺激を受けたと言われている。おそらく、急成長するアメリカ、そのもののダイナミックさが、彼の音楽に表れたのだろう。

トーマス・ダウスゴー指揮、デンマーク国立交響楽団の2009年6月の演奏。

ニールセン:交響曲第3番『広がりの交響曲』

日本ではあまりメジャーではないが、デンマークを代表する作曲家、カール・ニールセンが、1910〜1911年にかけて作曲した3番目の交響曲。

第1楽章にAlegro Expansivoとあることから、”広がりの交響曲”と呼ばれる。その明るい、牧歌的な雰囲気から、ニールセンの田園交響曲とも言われる。

第2楽章に、ソプラノとバリトンが歌うパートがある。歌詞はなく、”アー”と歌うだけ。人間の声を楽器として使用している。

演奏は、トーマス・ダウスゴー指揮、デンマーク国立交響楽団の2009年6月の演奏。

演奏の後に、指揮者ダウスゴーのインタビューがあった。デンマーク人のダウスゴーにとって、ニールセンという存在は、あまりに巨大過ぎ、若い時は逆に敬遠していた、という話が興味深かった。

2013年1月13日日曜日

リヒャルト・シュトラウス:オペラ『ナクソス島のアリアドネ』

Rシュトラウスが、47才頃に作曲したオペラ。ホフマンスタールの台本。最初、劇中劇として作成した物を、後にオペラに変更した。

そのせいか、Rシュトラウスの『サロメ』や『薔薇の騎士』などの他のオペラとは、趣の変わったものとなっている。

あるスポンサーに、悲劇と喜劇を同時に演じろ、と言われ、その状況の不条理さに戸惑う人々の姿が描かれる。

第1幕は、悲劇こそ芸術の王道と考える作曲者と、それを軽い気持ちで慰める喜劇の人々、そうした対照的なドタバタが、軽い音楽で展開される。

第2幕では一転、悲劇と喜劇が、一体となった素晴らしいオペラが演じられる。Rシュトラウスの重厚で濃密な音楽が、第1幕のドタバタの後で、より印象的に感じられる。

悲劇と喜劇が一体となり、美しい音楽が伴えば、最高の芸術が生まれる、ということか。

2006年のチューリッヒ歌劇場の講演は、悲劇側のソプラノ、アリアドネ役のエミリー・マギーと、喜劇側のソプラノ、チェルピネッタ役のエレーナ・モシェクの二人の”対決”が見事。

2013年1月5日土曜日

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート1987

1987年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは、ザルツブルグで生まれたヘルベルト・フォン・カラヤンが最初にして最後の指揮を務めた。

この年、カラヤンは78才。この2年後の1989年に亡くなっている。指揮台の上で、ずっと立ち続けることはすでにできず、手すりにもたれかかっての演奏だった。

しかし、ニューイヤーコンサートということもあり、表情は明るく、楽しそうに演じていた。このような明るいカラヤンの指揮の様子は、実に珍しい。

カラヤンというと、目を閉じて重々しく指揮するイメージが強いが、晩年は目を開けて指揮していた。

演奏曲は、おおむね伝統的な内容だったが、この年は珍しくソプラノのキャスリーン・バトルが登場し、『春の歌』を歌った。

カラヤンは、長くベルリンフィルの音楽監督を務めていたが、この時期は両者は対立関係にあり、カラヤンはウィーンフィルとの活動に軸足を移していた時期だった。

カラヤンの前任者ロリン・マゼールまでは、このニューイヤーコンサートの指揮は、一人の指揮者が長年務めていたが、このカラヤン以降は、ほぼ毎年指揮者を変えるようになった。

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート1974

1974年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートを映像で見た。

指揮者は、ヴィリー・ボフコフスキー。コンサートマスターとしてもウィーンフィルで活躍し、ニューイヤーコンサートの指揮を、20年以上にもわたり務めた。

この1974年のコンサートは、ボフコフスキーにとって20回目にあたる記念すべき演奏となった。演奏の合間に、団員から、ケーキで作ったヴァイオリンが送られた。

曲目は、美しき青きドナウ、皇帝円舞曲、ラデツキー行進曲、など今もお馴染みなものばかり。

団員のおふざけは、いまよりも過激な印象。打楽器演奏のフランツ・ブロシェクは、毎年奇抜な衣装で観客を楽しませた。

この年は、ブロシェクがそうした演出を初めて20年目にもあたり、彼にも記念のケーキが送られていた。

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2013

今年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートは、指揮者がフランツ・ウェルザー=メストだった。

1960年生まれのメストは、53才と若く、2010年に小沢征爾の公認としてウィーン国立歌劇上の音楽監督に就任している。

指揮者が若いと、コンサート自体もフレッシュに感じる。指揮途中、演奏者に、動物のぬいぐるみを次々に渡すといった、新年らしい微笑ましい演出が楽しかった。

しかも、演奏された曲も、初演の曲が多かった。

来年は、ダニエル・バレンボイムが2度目の指揮をすることに既に決まっている。チケットの発売も、すでに1月2日から始まっている。