1987年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは、ザルツブルグで生まれたヘルベルト・フォン・カラヤンが最初にして最後の指揮を務めた。
この年、カラヤンは78才。この2年後の1989年に亡くなっている。指揮台の上で、ずっと立ち続けることはすでにできず、手すりにもたれかかっての演奏だった。
しかし、ニューイヤーコンサートということもあり、表情は明るく、楽しそうに演じていた。このような明るいカラヤンの指揮の様子は、実に珍しい。
カラヤンというと、目を閉じて重々しく指揮するイメージが強いが、晩年は目を開けて指揮していた。
演奏曲は、おおむね伝統的な内容だったが、この年は珍しくソプラノのキャスリーン・バトルが登場し、『春の歌』を歌った。
カラヤンは、長くベルリンフィルの音楽監督を務めていたが、この時期は両者は対立関係にあり、カラヤンはウィーンフィルとの活動に軸足を移していた時期だった。
カラヤンの前任者ロリン・マゼールまでは、このニューイヤーコンサートの指揮は、一人の指揮者が長年務めていたが、このカラヤン以降は、ほぼ毎年指揮者を変えるようになった。
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