2013年11月27日水曜日

シューマン:交響曲第1番

シューマンが1841年の作曲した、最初の交響曲。初演は、メンデルスゾーンの指揮、ゲヴァントハウス管弦楽団によって行われた。

第1楽章につけられた標題、春の始まり、にちなんで、春、という名前で呼ばれ、その名の通りの華やかな交響曲になっている。

初めに、重々しいファンファーレで始まるが、次第に、春という名前のような、華やかな音楽に変わって行く。

第2楽章は、ゆっくりとした音楽で、まるで、夢の中を彷徨っているようなイメージ。

第3楽章はスケルツォだが、ワルツのような、踊るような音楽。

第4楽章は、再びファンファーレで始まり、軽やかなメロディと、重々しいメロディが交互に演奏され、その対比が面白い。最後は、この二つが融合し、華やかなフィナーレを迎える。

2012年、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団の演奏。

ドヴォルザーク:交響曲第8番

ドヴォルザークが、1889年に作曲した交響曲。イギリス、という名前で呼ばれるが、それは、それまで長年にわたって、楽譜を出版してきたチェコの出版社から、イギリスの出版社に変えたことに由来する。

第9番ほど有名ではないが、随所にドヴォルザークらしさを感じさせるメロディーが、散りばめられている。

特に第3楽章のワルツのメロディーはよく知られ、一度聞いたら、忘れられないような印象を残す。

第4楽章では、ユーモアに溢れたダイナミックな音楽もあり、全体的に、華やかで、コンサート向きの音楽になっている。

その反面で、ブラームスの音楽の影響も、ところどころ、濃厚に感じられる。

2012年9月、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、パリ管弦楽団の演奏。

2013年11月10日日曜日

ヴェルディ:オペラ『シチリアの晩鐘』

ヴェルディが、1854年に作曲し、翌年の1855年にパリのオペラ座で初演された。

1282年に、当時シチリアを支配していたフランス人に対して、怒ったシチリア市民が、多くのフランス人を虐殺した事件をもとにしている。

第1回目のパリ万博の記念として依頼されたことから、その内容が、フランスのグランド・オペラ風であるといわれている。

序曲はとりわけ有名で、コンサートの冒頭で単独で演奏される機会が多い。最もヴェルディらしいメロディーの一つでもある。

支配者であったフランス総督の隠し子と、殺されたシチリア王の娘が恋仲にあるというのが、このオペラのストーリーの鍵になっている。

二人の結婚を祝福する鐘の音が、虐殺の開始の合図になっている。それを知った元シチリア王の娘の花嫁が、愛する男の父親を心配して結婚に反対するが、父親のフランス総督はそうとは知らず、愛する息子のために結婚をいそがせ、鐘が鳴り、最後に自分が殺されてしまうという、劇的な幕切れになる。

その第5幕では、結果はわかっているのに、ヴェルディの素晴しい音楽と、歌手たちの迫真の演技によって。見ていてハラハラさせられてしまう。

2010年10月のパルマ王立歌劇場の公演。フランス総督役のレオ・ヌッチが素晴しい。

2013年11月9日土曜日

ヴェルディ:オペラ『ラ・トラヴィアータ(椿姫)』

ヴェルディが、1853年に書き上げたオペラ。アレクサンドル・デュマの同名の小説の劇場版を見て感激したヴェルディが、短期間で作曲したといわれている。

パリの社交界で華麗な生涯を送っていた娼婦が、一人の若い貴族と出会い、真剣に愛しながらも、彼の将来を案じ、独り身を引き、最後は病いで命を落とすというストーリー。

個人的には、ヴェルディのオペラの中でも、最も好きな作品の一つ。

とにかく、このオペラの出来は、主人公のヴィオレッタにかかっている。

若い貴族、アルフレードの父から、息子と別れるように説得され、身を引くヴィオレッタ。何も知らないアルフレードから侮辱を受けるシーンでのヴィオレッタの悲しさなど、ヴィオレッタを演じるソプラノには、歌唱力の他にも、ヴィジュアルな美しさ、豊かな演技力が要求される。

パーティー会場で歌われる陽気な乾杯の歌、ヴィオレッタと彼女を説得するアルフレッドの父との二重唱、侮辱されたヴィオレッタが歌うアリアなど、聞き所は満載。

ヴェルディの作品のみならず、数多くあるオペラ作品の中でも、屈指のオペラの一つといっていいだろう。

2007年10月、パルマ国立歌劇場での公演。ヴィオレッタを演じたのは、ブルガリア出身のスヴェトラ・ヴァシレヴァ。指揮は、ロシア人のユーリ・テミルカーノフ。

ヴェルディ:オペラ『イル・トレヴァトーレ』

ヴェルディが1852年に完成させたといわれる、中期3大オペラの1つ。

スペインの舞台劇を元にしており、ストーリーは、母親をスペインの貴族によって殺され、我が子も失ったジプシー女性が、最後にはその呪いによって、貴族の息子同士が殺し合いを演じ、復讐を遂げるというもの。

ヴェルディらしい、ドロドロした内容のオペラだが、あまりにストーリーが複雑すぎるためか、一つ前のリゴレットと比べると、それほどの感動は覚えなかった。

ジプシー女性を主人公にすべきだろうが、年を取りすぎているせいでそうはできず。貴族の二人の息子は、一人がジプシー女性の子供して育てられ、その二人が政治的も対立し、一人の女性を巡って争うのだが、オペラの焦点はそちらに向けられている。しかし、そのせいで、復讐劇の要素が薄まってしまっている。

2010年10月、パルマ国立劇場での公演。指揮は、ロシア人のユーリ・テミルカーノフ。