2014年11月24日月曜日

ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス

ベートーヴェンが、その晩年、1823年に完成させたミサ曲。

ベートーヴェンは、以前にもミサ曲を作っているが、そちらが伝統的な宗教音楽の手法を使って作曲されていたのに比べ、このミサ・ソレムニスでは、宗教的な内容を踏まえながら、純粋な合唱音楽としての特徴も盛り込んでいる。

ワーグナーは、この曲を、交響曲として聞いていたという。

同時期に作曲された、交響曲第9番と共通する部分もあるが、こちらの方が合唱が主体であるため、より多彩な合唱の音楽を聞くことができる。

キリエ。単なる宗教音楽ではないぞ、という印象で始まる。

グローリア。ベートーベンらしい、ダイナミックな音楽。

クレド。壮大なフーガ。

サンクトゥス。アダージョなどが含まれる。

アニュス・デイ。男性バスの重々しいアダージョで始まる。フィナーレは、ベートーヴェンらしく壮大に終わるのかと思いきや、宗教音楽らしく、静かな祈りのまま終わる。

アーノンクール指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団とオランダ放送合唱団による、2012年4月のアムステルダムでの演奏から。

2014年11月23日日曜日

ブルックナー:交響曲第1番

ブルックナーが、1866年に完成させた2番目の交響曲。この前に作曲された作品は、習作的なものと考えられている。

その後、何度か改定されている。

ブルックナーの音楽は、とにかく苦手だ。

第1楽章、アレグロ。いかにもブルックナーらしい、大仰で、けたたましい音楽。

第2楽章、アダージョ。静かな音楽でほっとしていると、ところどころで、ホルンが雄叫びをあげる。

ブルックナーよ、せめて、アダージョくらいは、最後まで静かにしていてくれないか。

第3楽章、スケルツォ、シュネル。

スケルツォ?出だしが、まるで第1楽章の始まりのように壮麗だ。

第4楽章、フィナーレ、運度的に、火のように。

”火のように?”

文字通り、出だしは火のように始まる。相変わらず、フィナーレも壮大だが、さすがに、まだ第1番ということだからだろうか?

ブルックナーにしては、おとなしい終わり方。

うーん。やっぱり、自分がブルックナーのことが、どうも好きになれない、ということを再確認したような演奏だった。

小泉和裕指揮、九州交響楽団による、2014年9月アクロス福岡シンフォニーホールでの定期演奏会から。

エルガー:交響曲第1番

エルガーが、1907〜1908年にかけて作曲した、最初の交響曲。

4つの楽章からなるが、循環形式をとっており、冒頭の主題が、何度も登場する。

第1楽章の主題は、エニグマ変奏曲を連想させる。

第2楽章は、勇壮な音楽でダイナミックに始まる。穏やかな音楽と、勇壮な音楽が繰り返される。

第3楽章と切れ目なく演奏される。ゆっくりとして、穏やかな、夢見心地にさせるような美しいアダージョ。

2014年6月のNHK交響楽団の定期公演から。指揮は、ウラディーミル・アシュケナージ。

シベリウス:組曲『恋人』

シベリウスが、自らの合唱用の曲を元にして、管弦楽団用に、1911年から1912年にかけて編曲したもの。

恋人、恋人たちのそぞろ歩き、別れ、という3つの曲から構成されている。

冒頭から、シベリウス独特のロマンチックな音楽が展開される。

ダイナミックな北欧の大自然を連想させる、シベリウスの音楽とは、一味違っており、心に残る。

2014年6月のNHK交響楽団の定期公演から。指揮は、ウラディーミル・アシュケナージ。

ヒンデミット:交響曲『画家マチス』

ヒンデミットが、1933〜34年にかけて作曲した交響曲。

交響曲とあるが、同名のオペラからの素材から作り上げたもので、いわゆる古典的な交響曲とは、性格が異なっている。

画家マチスとあるが、近代フランスのアンリ・マチスではなく、マティアス・グリューネヴァルトという16世紀ドイツの画家のこと。

天使の合奏、埋葬、聖アントニウスの誘惑という3つの楽章からなっているが、グリューネヴァルトの代表作、イーゼンハイムの祭壇画の3つの絵の題名から取られている。

最初の2つの楽章は、静かな印象の音楽。第3楽章には、後年のシンフォニエッタを連想される、壮大な音楽が展開される。

ヒンデミットは、その後も、オペラからの音楽で交響曲を書いている。交響曲という音楽の形式を、古典派のようには考えていなかったようだ。

ズビン・メータ指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団による、2013年ミュンヘンでの演奏。

2014年11月22日土曜日

ブラームス:悲劇的序曲

ブラームスが、1880年に作曲した、管弦楽用の音楽。

ブラームスは、依頼された”大学祝典序曲”の作曲中に、この曲が陽気な曲であるから、それと対になる悲劇的な内容の曲を作ろうと、この悲劇的序曲を構想した。

曲自体は、ブラームスらしい重々しさはあるが、あまり悲劇性は感じられない。

この曲のモチーフは、この後に作曲する交響曲第3番に多く使われたという。

ズビン・メータ指揮、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団による、2013年ミュンヘンでの演奏。

シューベルト:創作主題による8つの変奏曲

シューベルトが、1824年に作曲した、ピアノのための変奏曲。

冒頭のメロディは、いかにもシューベルトらしい。それが、次々と変奏されていく。

あまり有名な曲ではないが、じっくりと聞いていると、シューベルトの音楽世界が、次々と展開されていく。

マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイムによる、2014年4月19日、ベルリンのフィルハーモニーでの演奏。

モーツァルト:2台のピアノのためのソナタ

モーツァルトが、1878年11月にウィーンで完成させた曲。

当時のピアノの弟子だった、ヨーゼファ・バルバラ・アウエルンハンマーという女性と演奏するために作曲した曲。

モーツァルトは、ヨーゼファの容姿があまり優れず、あつかましい性格だったことから、女性としてはまったく興味がなかったらしいが、ピアノの技術は高く評価していた。

3つの楽章からなる。

第1楽章はアレグロ・コン・スプリート。モーツァルトらしい軽々なメロディにあふれた楽しい音楽。

第2楽章はアンダンテ。静かで内省的な音楽。モーツァルトの心の奥底が垣間見えるような奥深さを感じる。

第3楽章はモルト・アレグロ。第1楽章の明るさと、第2楽章の静かさと、2つの側面を併せ持つような音楽。

マルタ・アルゲリッチとダニエル・バレンボイムによる、2014年4月19日、ベルリンのフィルハーモニーでの演奏。