ワーグナーが1865年から書き始め、1882年に完成させた、ワーグナー最後のオペラ。
その構想は、ローエングリンを作曲した頃からあったという。
中世のスペインを舞台にした、聖杯を守る騎士の物語がベースになっている。
全体的に重々しい音楽で、ワーグナーは自らこのオペラを、舞台神聖祝典劇と呼んで、拍手をすることを禁じたという。
主人公のバルジファルは、汚れなき愚者とされ、ニーベルングの指環のジークフリートを連想させる。
親のない子供が、世界に平和をもたらすというテーマは、まさにニーベルングの指環のテーマでもある。
バルジファルは、白鳥を射落としたものとして登場するが、これは、ローエングリンを連想させる。
第2幕で、魔法使いのクリングゾルがバルジファルを女性を使って誘惑するが、これは、タンホイザーのテーマとも共通する。
そうした観点では、このオペラは、ワーグナーの総決算、とも言える。
その他にも、いろいろな箇所に、ワーグナーの思想に裏つけられた様々な”記号”が登場し、そこからいろいろな解釈を生み出すことができる。
キリスト教を毛嫌いしていたニーチェは、このオペラを巡ってワーグナーを非難して、二人は決別することになった。
純粋で無垢な人間が聖杯を手にする、というプロットは、映画レイダースの最初のシリーズ”失われたアーク”のテーマにも影響を与えているのかもしれない。
2013年のザルツブルク・イースター音楽祭の公演から。
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