2015年6月27日土曜日

ブリテン:オペラ『ベニスに死す』

イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンが1973年に作曲した最後のオペラ。

原作は、トーマス・マンの同名の小説。ルキノ・ヴィスコンティの映画で有名。

音楽は、いかにも現代のオペラといった不協和音的だが、最後はさすがに、死の厳粛な雰囲気を表現している。

途中、東南アジアの音楽ような、不思議な音楽も登場する。

ディオニソス、アポロが登場し、主人公を自分の世界に引き込もうと画策する。世紀末の雰囲気がプンプンする。

2014年12月、スペインのマドリード、レアル劇場での演奏。大胆な演出で楽しませてくれた。

バッハ:ヨハネ受難曲

バッハが、ヨハネによる福音書の第18, 19章をもとに作曲した、オーケストラと合唱団、ソロシンガーたちのための音楽。

1724年にドイツ、ライプツィヒの聖トーマス教会において初演されたといわれる。バッハが、この教会に来てから迎えた、最初の聖金曜日のことだった。

マタイ受難曲よりは、知名度は低い。

最初のコーラスがとても印象的。その後は、とりわけ心象に深いメロディはないが、マタイ受難曲に比べて、2時間と短く、全体的にバランスがとれている。

1970年、カール・リヒターの指揮で、ドイツ、ミュンヘンのクロスター修道院付属教会での演奏された。

2015年6月21日日曜日

バッハ:マタイ受難曲

バッハが、マタイによる福音書の第25, 26章をもとに作曲した、オーケストラと合唱団、ソロシンガーたちのための音楽。

1727年にドイツ、ライプツィヒの聖トーマス教会において初演された。

バッハの死後、長く忘れられていたが、メンデルスゾーンが1829年に復活上演を行い、その後、よく知られるようになった。

現在は、およそ3時間かけて、二部構成で68曲が演奏される。

わずか本にして10ページか20ページほどの内容を、悲しみや喜びなどの表現を織り交ぜながら、これほど壮大な音楽を作り上げてしまう、バッハという音楽家の凄みが感じられる。

中でも、15曲目、39曲目、そして最後のコーラスがよく知られていて、敬虔な場面、悲劇的な場面での効果音として使われる。

1971年に、カール・リヒターの指揮のもとに演奏され、映像化された。

背後の壁を白で統一し、真上に、巨大な十字架を設置した、印象的な舞台構成は、この曲の敬虔な内容を、より引き立てている。

2015年6月14日日曜日

プッチーニ:オペラ『トゥーランドット』

プッチーニの最後のオペラとなった作品。

プッチーニは、1920年からこの作品を作り始めたが、途中スランプに陥り、やがて喉頭癌になってしまい、未完のまま1924年にこの世を去ってしまった。

アラビア、ペルシャ地方に伝わる謎かけ姫の伝説がもとになっていて、舞台は中国に設定されている。

作られた時代もあるが、ヨーロッパから見たアジアのイメージが満開した内容になっていて、いわゆる”オリエンタリズム”丸出しの内容。

しかし、アジアで行われるヨーロッパの有名歌劇団の公演では好んで取り上げられる演目でもあり、そのオペラをありがたがるアジア側の姿勢を見ると、お互い様といったところか。

第3幕の”誰も寝てはならぬ”という主人公、カラフのアリアが超有名。

男性全体に復讐心を抱いている冷酷無比なトゥーランドットと、カラフに一途な愛を捧げる女召使リューの対比が、このオペラの鍵になっている。

2008年に行われた、バレンシア州立歌劇場での公演から。

指揮は、ズビン・メータ。舞台演出は、映画監督のチェン・カイコーが担当している。

2015年6月7日日曜日

ベルリオーズ:歌曲『夏の夜』

ベルリオーズが、テノールやメゾソプラノ用に、1840年に作曲した、6つの曲からなる歌曲集。

もとになっている詩は、交友もあったゴーティエの『死の喜劇』から採られている。

第1曲のヴィラネル、第2曲のばらの精、は明るく華やかな曲だが、その後の3から5曲目は、別れや死がテーマになった曲で、悲しく哀愁のこもった音楽になっている。

第6曲の道の鳥では、再び明るさを取り戻し、新たな愛を求める心を歌っている。

幻想交響曲のダイナミックなイメージとは違った、繊細なベルリオーズの音楽世界を堪能できる。

2013年11月にロンドンのバービカンセンターで行われた公演から。指揮はヴァレリー・ゲルギエフ、メゾソプラノはカレン・カーギル、演奏はロンドン交響楽団。