チャイコフスキーが、亡くなった1893年に作曲した、6番目の、そして最後の交響曲。チャイコフスキーが”悲愴”と名付け、自分の作品の中で最高のものだと語ったという。
第1楽章は、2つの主題で構成されている。いずれも美しい主題で、地上で最も美しい音楽の1つであることは、間違いない。
第2楽章は、スラブ民謡風のワルツ。まるで、広い草原で、蝶々や小鳥がのどかに飛び回り、人々が思い思いに過ごしている、といったイメージ。さわやかな楽章。
第3楽章は、行進曲みたいなスケルツォ。チャイコフスキーらしい楽章。私の好みではない。チャイコフスキーの交響曲は、後半で、かならずこうした陳腐な音楽になってしまう・・・
第4楽章は、『悲愴』という表題に相応しい、まさに悲しい音楽で始まる。次に現れてくる主題もこれまた悲しいが、時の流れを感じさせるような哀愁に満ちている。次第に、ダイナミックなオーケストレーションが展開されていく。最後は、悲劇のエンディングのように、消え入るように終わっていく・・・
この交響曲を聴いていると、チャイコフスキーにとって、人生とは、そして音楽とは、決して楽しいだけのものではなく、もっと別なものであったのだなあ、と思わされる。
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮、サンクトペテルブルグ・マイリンスキー劇場管弦楽団による2010年のパリでの演奏。
2012年6月16日土曜日
2012年6月10日日曜日
チャイコフスキー:交響曲第4番
チャイコフスキーが1876年から77年にかけて作曲した4つ目の交響曲。あきらかに、それまでの3つの交響曲とは異なる。しかも、この後の2つほど暗くはない。
第1楽章は、ホルンによる、ベートベーンの交響曲第5番のような出だし。いきなりチャイコフスキーらしいダイナミックな音楽が展開される。木管楽器によるもう一つの主題と、この2つの主題がめまぐるしく交錯する。
チャイコフスキーは、この曲に強い表題性があることを示唆していたという。この楽章は、2つの感情がぶつかっているようにも聞こえる。
特に、この第1楽章の最後は、まるでこの交響曲自体の終わりかのような、ドラマチックな終わり方だ。
第2楽章は、オーボエの抒情的な調べで始まる。第1楽章で盛り上がった感情が、一気に静まっていく。
第3楽章は、いわゆるピチカートの楽章。他に、ロシア民謡からの音楽も使われている。
第4楽章は、一転、けたたましい音楽が展開され、シンバルが連打される。第1楽章の冒頭の主題が、途中で再び登場する。最後は、この楽章の冒頭の主題で終わる。
チャイコフスキーの交響曲全体に言えることかもしれないが、この交響曲でも、第1楽章、第2楽章が素晴らしい。
第1楽章は、ホルンによる、ベートベーンの交響曲第5番のような出だし。いきなりチャイコフスキーらしいダイナミックな音楽が展開される。木管楽器によるもう一つの主題と、この2つの主題がめまぐるしく交錯する。
チャイコフスキーは、この曲に強い表題性があることを示唆していたという。この楽章は、2つの感情がぶつかっているようにも聞こえる。
特に、この第1楽章の最後は、まるでこの交響曲自体の終わりかのような、ドラマチックな終わり方だ。
第2楽章は、オーボエの抒情的な調べで始まる。第1楽章で盛り上がった感情が、一気に静まっていく。
第3楽章は、いわゆるピチカートの楽章。他に、ロシア民謡からの音楽も使われている。
第4楽章は、一転、けたたましい音楽が展開され、シンバルが連打される。第1楽章の冒頭の主題が、途中で再び登場する。最後は、この楽章の冒頭の主題で終わる。
チャイコフスキーの交響曲全体に言えることかもしれないが、この交響曲でも、第1楽章、第2楽章が素晴らしい。
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮、サンクトペテルブルグ・マイリンスキー劇場管弦楽団による
2010年のパリでの演奏。
2012年6月9日土曜日
チャイコフスキー:オペラ『エフゲニー・オネーギン』
プーシキンの韻文小説『エフゲニー・オネーギン』をもとにしたオペラ。
多額の遺産によって、悠々自適に暮らすオネーギン。若い時から社交嫌いで、タチアーナからの熱烈なラブレターに冷めた回答をするが、数年後に人妻となったタチアーナに再会。その美しさに、若き日の過ちを詫び求愛するが、今度は、逆に振られてしまう。
とにかく、チャイコフスキーの音楽が美しい。
オネーギンは主役だが、バリトンということもあるし、チャイコフスキーも彼用にはあまりいい音楽を書いていない。
むしろ、オネーギンに失恋するソプラノのタチアーナと、オネーギンと決闘して殺されてしまう、友人のテノールのレンスキーの方に、感情移入してしまう。
聞き所は、オネーギンに一目惚れしたタチアーナが、オネーギンにラブレターを書く有名な「手紙の場」と、オネーギンと決闘することになってしまった友人のレンスキーが、決闘の前に歌う「わが青春の輝ける日々よ」。
多額の遺産によって、悠々自適に暮らすオネーギン。若い時から社交嫌いで、タチアーナからの熱烈なラブレターに冷めた回答をするが、数年後に人妻となったタチアーナに再会。その美しさに、若き日の過ちを詫び求愛するが、今度は、逆に振られてしまう。
とにかく、チャイコフスキーの音楽が美しい。
オネーギンは主役だが、バリトンということもあるし、チャイコフスキーも彼用にはあまりいい音楽を書いていない。
むしろ、オネーギンに失恋するソプラノのタチアーナと、オネーギンと決闘して殺されてしまう、友人のテノールのレンスキーの方に、感情移入してしまう。
聞き所は、オネーギンに一目惚れしたタチアーナが、オネーギンにラブレターを書く有名な「手紙の場」と、オネーギンと決闘することになってしまった友人のレンスキーが、決闘の前に歌う「わが青春の輝ける日々よ」。
チャイコフスキー:交響曲第5番
この交響曲は、チャイコフスキーが、1877年の交響曲第4番の作曲以降、11年振りとなる1888年の48才の時に作曲された。
第1楽章は、とても暗いメロディーで始まる。このメロディーは、形を変え、その後の各楽章で登場する。やがて、まるで白鳥の湖やくるみ割り人形のような、華麗な音楽が展開される。
第2楽章は、冒頭でホルンによる美しいメロディーが奏でられる。哀愁に満ちた音楽と、ダイナミックな展開の音楽が交互に現れ、聴くものを、この交響曲の世界に引き込んでいく。
第3楽章は、文字通りのワルツ。第1楽章と第2楽章での疲れをとってください、とでもいった感じ。
第4楽章。第1楽章の冒頭のメロディーが軽快な行進曲のテンポで演奏される。クライマックスにむけて音楽は盛り上がり、最後は、第1楽章の冒頭のメロディーで締めくくられる。
この交響曲は、第1楽章と第2楽章が素晴らしい。第4楽章は、ある意味でチャイコフスキーらしいのだが、ちょっと教科書的な感じがして、あまり面白くない。
第1楽章は、とても暗いメロディーで始まる。このメロディーは、形を変え、その後の各楽章で登場する。やがて、まるで白鳥の湖やくるみ割り人形のような、華麗な音楽が展開される。
第2楽章は、冒頭でホルンによる美しいメロディーが奏でられる。哀愁に満ちた音楽と、ダイナミックな展開の音楽が交互に現れ、聴くものを、この交響曲の世界に引き込んでいく。
第3楽章は、文字通りのワルツ。第1楽章と第2楽章での疲れをとってください、とでもいった感じ。
第4楽章。第1楽章の冒頭のメロディーが軽快な行進曲のテンポで演奏される。クライマックスにむけて音楽は盛り上がり、最後は、第1楽章の冒頭のメロディーで締めくくられる。
この交響曲は、第1楽章と第2楽章が素晴らしい。第4楽章は、ある意味でチャイコフスキーらしいのだが、ちょっと教科書的な感じがして、あまり面白くない。
2012年6月3日日曜日
ムソルグスキー:オペラ『ホヴァンシチナ』
ムソルグスキーの未完のオペラ。ロシアらしい、重厚で、重苦しい雰囲気のオペラだが、同じムソルグスキーの『ボリスゴドノフ』よりは、少しは明るい内容の部分もある。
舞台は、17世紀の後半。誕生して間もないロマノフ王朝に、ピュートル大帝が登場し、それまで力を持っていた貴族たちを次々と粛正していく様子を、実在のホヴァーンスキー大公に代表させ、その死と、彼に従っていた民衆の悲劇を描いている。
オペラの最後で、ロマノフ王朝に反抗する民衆が虐殺される。確かに、こうした内容では、ムソルグスキーが生きていた時代にこのままの姿で完成させることができなかっただろう。
最後の方は、ただただ悲しいだけのオペラだが、途中は、ムソルグスキーの美しい音楽、特に民衆による、ロシア民謡や、ペルシャ風の音楽を取り入れた部分は、聞き応えがある。
ホヴァーンスキー大公のテーマは、ロシアらしい重々しい音楽。
シャクロヴィートゥイのアリア「ああルーシよ、あなたは呪われている」は、ロシアの民謡風の音楽で、祖国の悲しみを切々と歌う。
第3幕から、ホヴァーンスキー大公が殺される第4幕がクライマックス。特に、民衆の合唱が、悲しみを讃えて、美しい。
ショスタコーヴィチ版をドミトリー・チャルニャコフが演出。出演は、パータ・ブルチュラーゼ(ホヴァンスキー)、ドリス・ゾッフェル(マルファ)他。ケント・ナガノ指揮、バイエルン州立歌劇場管弦楽団及び合唱団。2007年のミュンヘン・オペラ・フェスティバルの演奏。現代風の衣装、セットによる演出。
ゲルギエフ指揮による、2012年9月のロシア、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場の公園は、当時の様子をそのまま再現したような、古典的な演出。
それぞれ、演出の違いで、全く違ったオペラのように見える。
舞台は、17世紀の後半。誕生して間もないロマノフ王朝に、ピュートル大帝が登場し、それまで力を持っていた貴族たちを次々と粛正していく様子を、実在のホヴァーンスキー大公に代表させ、その死と、彼に従っていた民衆の悲劇を描いている。
オペラの最後で、ロマノフ王朝に反抗する民衆が虐殺される。確かに、こうした内容では、ムソルグスキーが生きていた時代にこのままの姿で完成させることができなかっただろう。
最後の方は、ただただ悲しいだけのオペラだが、途中は、ムソルグスキーの美しい音楽、特に民衆による、ロシア民謡や、ペルシャ風の音楽を取り入れた部分は、聞き応えがある。
ホヴァーンスキー大公のテーマは、ロシアらしい重々しい音楽。
シャクロヴィートゥイのアリア「ああルーシよ、あなたは呪われている」は、ロシアの民謡風の音楽で、祖国の悲しみを切々と歌う。
第3幕から、ホヴァーンスキー大公が殺される第4幕がクライマックス。特に、民衆の合唱が、悲しみを讃えて、美しい。
ショスタコーヴィチ版をドミトリー・チャルニャコフが演出。出演は、パータ・ブルチュラーゼ(ホヴァンスキー)、ドリス・ゾッフェル(マルファ)他。ケント・ナガノ指揮、バイエルン州立歌劇場管弦楽団及び合唱団。2007年のミュンヘン・オペラ・フェスティバルの演奏。現代風の衣装、セットによる演出。
ゲルギエフ指揮による、2012年9月のロシア、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場の公園は、当時の様子をそのまま再現したような、古典的な演出。
それぞれ、演出の違いで、全く違ったオペラのように見える。
ラフマニノフ:交響曲第2番
ラフマニノフが、ドレスデンに滞在していた間に作曲した作品。人生でもっとも安定していた時期の作品で、ピアノ協奏曲第2番と並ぶ、ラフマニノフの代表曲。
第1楽章は、重く陰鬱な雰囲気で始まる。
第2楽章は、一転、ホルンのよる軽快なテンポではじまるスケルツォ。ラフマニノフの重厚なイメージとは違った、明るい音楽。
第3楽章は、管弦楽による、人生の哀愁を感じるような美しい音楽が印象的。ラフマニノフの楽曲の中でも、屈指の音楽。
第4楽章は、ワーグナー風のテンポの速い音楽で始まり、いろいろなメロディーを奏でながら、壮麗なフィナーレを迎える。
ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団、1979年の演奏で。
第1楽章は、重く陰鬱な雰囲気で始まる。
第2楽章は、一転、ホルンのよる軽快なテンポではじまるスケルツォ。ラフマニノフの重厚なイメージとは違った、明るい音楽。
第3楽章は、管弦楽による、人生の哀愁を感じるような美しい音楽が印象的。ラフマニノフの楽曲の中でも、屈指の音楽。
第4楽章は、ワーグナー風のテンポの速い音楽で始まり、いろいろなメロディーを奏でながら、壮麗なフィナーレを迎える。
ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団、1979年の演奏で。
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