2012年6月16日土曜日

チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』

チャイコフスキーが、亡くなった1893年に作曲した、6番目の、そして最後の交響曲。チャイコフスキーが”悲愴”と名付け、自分の作品の中で最高のものだと語ったという。

第1楽章は、2つの主題で構成されている。いずれも美しい主題で、地上で最も美しい音楽の1つであることは、間違いない。

第2楽章は、スラブ民謡風のワルツ。まるで、広い草原で、蝶々や小鳥がのどかに飛び回り、人々が思い思いに過ごしている、といったイメージ。さわやかな楽章。

第3楽章は、行進曲みたいなスケルツォ。チャイコフスキーらしい楽章。私の好みではない。チャイコフスキーの交響曲は、後半で、かならずこうした陳腐な音楽になってしまう・・・

第4楽章は、『悲愴』という表題に相応しい、まさに悲しい音楽で始まる。次に現れてくる主題もこれまた悲しいが、時の流れを感じさせるような哀愁に満ちている。次第に、ダイナミックなオーケストレーションが展開されていく。最後は、悲劇のエンディングのように、消え入るように終わっていく・・・

この交響曲を聴いていると、チャイコフスキーにとって、人生とは、そして音楽とは、決して楽しいだけのものではなく、もっと別なものであったのだなあ、と思わされる。

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮、サンクトペテルブルグ・マイリンスキー劇場管弦楽団による2010年のパリでの演奏。

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