2024年3月30日土曜日

ベルク:管弦楽のための3つの小品

アルバン・ベルクが1914年から1915年に作曲した管弦楽のための音楽。

ベルクが作曲した、唯一の管弦楽曲。

文字通り、3つの曲から構成されている。

マーラーや、師のシェーンベルグの影響が感じられるが、後のオペラ『ヴォツェック』を予感させる音楽もしばしば登場する。

前奏曲。不安を煽り立てるような印象の音楽。

輪舞。この音楽では、踊ることはとても難しいだろうな、と思わせてくれるワルツ。

行進曲。破局に向かって行進を続けているような音楽。

2023年11月、東京のサントリーホールにおける公演から。演奏はベルリンフィル。指揮はキリル・ペトレンコ。


2024年3月24日日曜日

リヒャルト・シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』

リヒャルト・シュトラウスが、1898年に作曲した交響詩。これが、シュトラウスにとっては最後の交響詩となった。

その最後を締めくくるように、この交響詩のテーマは、自らの生涯を音楽で綴った内容だが、この曲を作曲した時、シュトラウスはまだ30代だった。

英雄。ホルンの壮麗な音楽が印象的。父親がホルン奏者だったシュトラウスにとって、ホルンは自分を象徴する楽器だったのだろう。

英雄の敵。シュトラウスを批判する音楽評論家たちの様子が、陰鬱な音楽で表現される。

英雄の妻。第1ヴァイオリンが優しいメロディを奏でる。

英雄の戦場。一転して、激しい戦いの音楽。

英雄の業績。ドン・ファンなどのこれまでのシュトラウスの作品からの引用で構成される。

英雄の隠遁と完成。英雄は隠遁し、静かな死を迎える。英雄とその妻を象徴する、ヴァイオリンとホルンの美しい音楽。

1986年のベルリンフィルのサントリーホールでの来日公演から。指揮は小澤征爾。カラヤンが急病で来日が叶わず、小澤征爾が代役を務めた。




グノー:オペラ『ロミオとジュリエット』

フランスの作曲家、シャルル・グノーが1866年に完成させた5幕もののオペラ。

ストーリーは、シェークスピアの原作にほぼ忠実に従っている。

第1幕の冒頭、キャピュレット家の仮面舞踏会が始まる音楽は、グノーらしい華やか音楽で、イタリアのヴェローナというよりは、19世紀後半の華やかなパリを感じさせる。

『ジュリエットのワルツ』は、ソプラノ歌手の定番のアリアになっている。

ロミオとジュリエットと言えば、プロコフィエフの作品をまずは思い浮かべるが、このグノー版の方が王道のロミオとジュリエットだろう。

2023年6月、パリ・オペラ座バスチーユでの公演から。指揮はカルロ・リッツィ、ジュリエットにエルザ・ドライシヒ、ロメオにバンジャマン・ベルネーム。


イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第5番

 ベルギーのヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイが1924年に完成させた6つの無伴奏ヴァイオリンソナタの1つ。 

それぞれの曲が有名なヴァイオリニストに捧げられており、この第5番は、マチュー・クリックボームに献呈されている。

第1楽章、曙光。静かだが、内に激しい情熱を秘めているような音楽。

第2楽章、田舎の踊り。軽やかな音楽と共にフィナーレを迎える。

2023年12月、東京の紀尾井ホールでの演奏から。ヴァイオリンは青木尚佳。

イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番

ベルギーのヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイが1924年に完成させた6つの無伴奏ヴァイオリンソナタの1つ。 

それぞれの曲が有名なヴァイオリニストに捧げられており、この第3番は、ジョルジェ・エネスクに献呈されている。

この第3番と第6番は、単独の楽章で構成されている。

バラードという副題がついている。その名の通り、ドラマティックな展開の音楽になっている。

2023年12月、東京の紀尾井ホールでの演奏から。ヴァイオリンは青木尚佳。

イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番

ベルギーのヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイが1924年に完成させた6つの無伴奏ヴァイオリンソナタの1つ。 

それぞれの曲が有名なヴァイオリニストに捧げられており、この第2番は、ジャック・ティボーに献呈されている。

第1楽章、妄執。バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタからの引用や、怒りの日の音楽が聴こえてくる。

第2楽章、憂鬱。メランコリックな音楽の中にも、静かに怒りの日の音楽が潜んでいる

第3楽章、影たちの踊り。怒りの日のピチカートの音色で始まる。

第4楽章、復讐の女神たち。この曲に相応しい、ドラマチックな音楽でフィナーレ。

2023年12月、東京の紀尾井ホールでの演奏から。ヴァイオリンは青木尚佳。

イザイ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番

ベルギーのヴァイオリニスト、ウジェーヌ・イザイが1924年に完成させた6つの無伴奏ヴァイオリンソナタの1つ。 

ヨーゼフ・シゲティの演奏により、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタを聴いて、作曲を決意したと伝えられている。

それぞれの曲が有名なヴァイオリニストに捧げられており、この第1番は、この1連の曲を作曲するきっかけになった、ヨーゼフ・シゲティに献呈されている。

第1楽章、グラーヴェ。苦しみの中で祈りを捧げるような音楽。

第2楽章、フガート。迷走を繰り返しているような音楽。

第3楽章、アレグレット・ポコ・スケルツォーソ。悲しみの中の束の間の休息。

第4楽章、フィナーレ・コン・ブリオ。希望に満ちた前を向いた音楽。

2023年12月、東京の紀尾井ホールでの演奏から。ヴァイオリンは青木尚佳。

2024年3月16日土曜日

レーガー モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ

後期ロマン派のドイツ出身の作曲家、マックス・レーガーが1914年に作曲した、文字通りの”モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ”。

モーツァルトのピアノソナタ第11番、第1楽章の主題による8つの変奏曲と、最後にフーガが添えられている。

クラシック音楽と言えば、交響曲、協奏曲、ソナタなどのイメージが強いが、変奏曲という分野も、かつては重要な楽曲であったことを思い起こさせてくれる。

レーガーは、当時のいわゆる”現代的な混乱した音楽”へ対抗するというマニフェストという位置付けをこの曲に与えていたようだ。

2023年12月、東京のサントリーホールでの演奏から。指揮はファビオ・ルイージ、演奏はNHK交響楽団。