2025年10月25日土曜日

ジェフスキー:「不屈の民」変奏曲

アメリカの作曲家、フレデリック・ジェフスキーが、1975年に作曲した、ピアノ独奏のための変奏曲。

ピアニストのウルスラ・オッペンスのリクエストによって作曲されて、オッペンスによって1976年に初演された。

チリの作曲家、セルヒオ・オルテガによって作曲された革命歌「不屈の民」からの36の変奏で構成されている。

クラシカルな雰囲気の音楽や、ジャズ風な音楽、いかにも現代音楽・・・など、様々な音楽が楽しめる。

しかし、原題は、「団結した民衆は決して敗れることはない The People United Will Never Be Defeated!」。明らかに政治的なメッセージが込められている。

2025年6月、桐朋学園宗次ホールでの演奏から。ピアノは、この曲を委嘱したウルスラ・オッペンス。


ショパン:ロンド『クラコヴィアク』

フレデリック・ショパンが、1829年に完成させた、管弦楽とピアノのための音楽。

クラコヴィアクとは、ポーランドの古都クラクフの伝統的な民俗舞踊のこと。

ショパンは、管弦楽の作曲が上手くないと言われるが、その6曲の中では、最も優れていると評価されている。

序奏、ロンド、そしてコーダで締めくくられる。

2024年3月、東京オペラシティーでの公演から。ピアノはトマス・リッテル、オーケストラは18世紀オーケストラ。

ショパン:ポーランド民謡による幻想曲

フレデリック・ショパンが、1828年から1830年にかけて作曲した、管弦楽とピアノのための音楽。

4つのパートが、切れ目なく演奏される。

序奏、ラルゴ・ノン・トロッポ。

エア、アンダンティーノ。伸びやかなポーランド民謡が奏でられる。

アレグレット。吹奏楽の民謡風の音楽につられて、ピアノが情熱的な音楽を奏で始める。この曲のハイライト。

クラコヴィアク、ヴィヴァーチェ。

ショパンは、管弦楽の作曲には秀でているとは言われないが、この曲では、オーケストラはピアノの音楽を引き立てるために、ポーランドの民謡を演奏している、という印象。

2024年3月、東京オペラシティーでの公演から。ピアノは川口成彦、オーケストラは18世紀オーケストラ。


2025年10月13日月曜日

武満徹:ウォーター・ドリーミング

武満徹が、1980年にオーストラリアを訪れた際に、アボリジニの文化に触発されて作曲した、フルートとオーケストラのための作品。

この時期、武満徹は、水をテーマにした作品を多く作曲していた。

冒頭から、フルートの音色が、不思議な世界へ誘う。

水をテーマにしていることもあってか、所々でドヴュッシーやラヴェルのような音楽も感じる。

最後は、音楽は静かに終わる。しかし、夢は、ずっと続いている・・・

2025年6月、ベルリン・フィルハーモニカでの公演から。フルートはエマニュアル・パユ、指揮は山田和樹、演奏はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。


フランツ・シュミット:交響曲第4番

オーストリアの作曲家、フランツ・シュミットが1933年に作曲した4番目の交響曲。

シュミットは、1874年に現在のスロヴァキアの首都プラチスラヴァに生まれた。

若い頃はピアノを学んでいたが、やがてウィーンに出て、ウィーン・フィルの主席チェロ奏者を務めながら、作曲も行なった。

交響曲第3番までは、ブラームス風の伝統的な交響曲を作曲していたが、この第4番では、4つのパートが切れ目なく演奏される、という斬新なスタイルで作曲を行った。

トランペットの不思議な音楽で始まる。

最後は、静かに消え入る様にフィナーレを迎える。

1932年の春に亡くなった、一人娘へのレクイエムと言われている。

2025年9月、NHKホールでの演奏から。指揮はファビオ・ルイージ。演奏はNHK交響楽団。

2025年10月12日日曜日

ラヴェル:オペラ『スペインの時』

モーリス・ラヴェルが、1907年に作曲した、1幕もののオペラ。

ラベル自身は、この作品を”コメディ・ミュジカル”と位置つけていた。

1907年にパリのオデオン座で見た同名の笑劇を見て、これをオペラにすることを思いつたという。

50分ほどの作品で、トレドの時計屋の主人とその妻、妻の愛人たちが繰り広げる痴話劇を、ラヴェルの美しい音楽によって展開される。

ラヴェルはこの作品で、自らの音楽によって伝統的なオペラ・ブッファの世界を再現したかったようだ。

2025年3月に行われた、モンテカルロ劇場での公演から。指揮は山田和樹、演奏はモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団。


シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番

フランツ・シューベルトが、1827年に作曲したピアノ三重奏曲。

終始、穏やかな音楽で、シューベルトらしいピアノ三重奏曲。

第1楽章、アレグロ・モデラート。伸びやかな主題のメロディが印象的。

第2楽章、アンダンテ・ウン・ポコ・モッソ。チェロの哀愁のある調べで始まる。

第3楽章、スケルツォ、アレグロ。ピアノの軽やかな音楽を、ヴェイオリン、チェロが引き継いでいく。

第4楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ-プレスト。軽やかさと優雅さを合わせたような音楽が展開していく。

2025年6月、紀尾井ホールでの公演から。演奏はヘーデンボルク・トリオ。


2025年10月4日土曜日

チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲『偉大な芸術家の思い出』

チャイコフスキーが、1881年から1882年にかけて作曲した、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのためのピアノ三重奏曲。

友人で、音楽家、ピアニストであったニコライ・ルービンシュタインへの追悼の音楽。そのため、”偉大な芸術家の思い出”と呼ばれている。

第1楽章、悲歌的小品(Pezzo Elegiaco)、Moderato assai - Allegro Giusto。

追悼の曲らしい、物悲しい音楽で始まる。後半は、やや落ち着きを取り戻し、故人を回想するような音楽へ。

第2楽章、主題と変奏。主題と12の変奏、そしてコーダで構成される。明るい基調の音楽で終わると思いきや、再び冒頭の追悼の音楽に戻り、フィナーレを迎える。

一つの短編小説を読み終えたような印象が残る、そんなピアノ三重奏曲だった。

2024年10月、トッパンホールでの演奏から。ヴァイオリンは周防亮介、ピアノは五十嵐薫子、チェロは笹沼樹。