2020年7月26日日曜日

リスト:巡礼の年 第2年 イタリア

フランツ・リストが20代から60代にわたって作曲したピアノ曲集。

最初の2つは20代に、最後の第3年は60代で作曲している。

第2年は、1837年から作曲を開始し1839年にはほぼ終わっていたようだが、出版されたのは1858年だった。

婚礼:ラファエロの『聖母の婚礼』をイメージした曲。静かに始まり、徐々に高みに登っていくような音楽。

物思いに沈む人:ミケランジェロの同名の彫刻作品をイメージした曲。ミケランジェロの苦悩を記した詩の内容を反映しているような暗い音楽。

サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ:唯一の他人の引用曲。バロックの音楽家ローザの音楽が使われている。軽快な行進曲。

ペトラルカのソネット第47番:恋人同士を連想させるロマンチックな音楽。

ペトラルカのソネット第104番:喜びや悲しみ、様々な要素を合わせ持つ味わいの深い音楽。

ペトラルカのソネット第123番:静かに語りかけるような音楽。

ダンテを読んで ソナタ風幻想曲:ダンテ・ソナタとも呼ばれるこの曲集の中で最も長い曲。地獄を象徴する音楽で始まり、ダンテの神曲の世界が展開されていく。

1986年3月、ロンドンのミドル・テンプル大ホールでの演奏。ピアノはアルフレート・ブレンデル。

2020年7月25日土曜日

リスト:巡礼の年 第1年 スイス

フランツ・リストが20代から60代にわたって作曲したピアノ曲集。

最初の2つは20代に、最後の第3年は60代で作曲している。

第1年は、1835年から1836年にスイスを訪れたときの印象をもとに作曲して、1842年に出版されたが、1855年に現在のバージョンに改訂された。

ウィリアム・テルの聖堂:始まりに相応しい静かだが威厳のある音楽。

ワレンシュタートの湖にて:静かな湖の水面が思い浮かぶような穏やかな音楽。

パストラール:スイスの山で暮らす牛飼いたちの歌を元にしているという軽快な音楽。

泉のほとりで:水の弾ける様子を表現したような透明感にあふれた音楽。

嵐:文字通りの激しい曲で、リストらしい音楽。

オーベルマンの谷:ロマンチックな叙情的な音楽。この第1年を代表する印象的なメロディも聴こえてくる。

牧歌:リズミカルな穏やかな曲。

郷愁:こちらもスイスの牛飼いたちの歌に基づいているが、とてもノスタルジックな音楽。

ジュネーブの鐘:ある女性に捧げた曲。哀愁に満ちた音楽。

1986年3月、ロンドンのミドル・テンプル大ホールでの演奏。ピアノはアルフレート・ブレンデル。

シューベルト:ミサ曲第6番

フランツ・シューベルトが、1828年に完成させた最後のミサ曲。この年の11月19日にシューベルトは亡くなった。

シューベルトは、幼い頃、現在のウィーン少年合唱団の元になった合唱団で歌っていたことから、こうしたミサ曲を6つ、他にもドイツ・ミサ曲やスタバート・マーテルを残している。

キリエ、グロリア、クレド、サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュス・デイという構成。

1976年7月、ウィーン宮廷礼拝堂での演奏。指揮はカール・ベーム、ウィーン・ホーフムジークカペレ、ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン少年合唱団の演奏。

2020年7月19日日曜日

リヒャルト・シュトラウス:オペラ『影のない女』

リヒャルト・シュトラウスが、1914年から1917年にかけて作曲した作品。まさに第1次世界大戦が行われている真っ最中だった。

台本は、フーゴ・フォン・ホフマンスタール。この2人はそれまでに『エレクトラ』、『町人貴族』、『ナクソス島のアリアドネ』、『ばらの騎士』と言ったオペラを一緒に作ってきた。

子供ができない皇帝の妻は影を持っていない。それが子供ができない理由だとして、同じく子供ができなくて悩んでいるある夫婦の妻から影を奪おうとするのだが・・・というストーリー。

メルヘンオペラと言われる内容で、2組のカップルが試練に遭遇して立ち向かうというストーリーは、明らかにモーツァルトの『魔笛』を意識している。

いかにもシュトラウスらしい、美しくもどこかで退廃や嫌悪を感じさせる独特な音楽が展開されていく。

2019年5月、ウィーン国立歌劇場での講演から。指揮はクリスティアン・ティーレマン。皇后役にカミッラ・ニールント、皇帝役にステファン・グールド。

2020年7月12日日曜日

ショパン:ピアノ協奏曲第1番

フレデリック・ショパンが1830年に完成させたピアノ協奏曲。

第1番とあるが、実際には第2番が発表された後に完成された。ショパンが祖国を離れる直前の演奏会で自らのピアノで初演された。

その後、1832年のパリでのデビューとなる演奏会で演奏されて出版されたことから、こちらが第1番となった。

第1楽章 Allegro maestoso。壮麗な始まり方。しかしピアノの独奏はあくまでも叙情的だ。

第2楽章 Romanze, Larghetto。文字通り、ピアノのロマンチックな雰囲気に溢れた楽章。

第3楽章 Rondo, Vivace。一転して、軽快な音楽でフィナーレ。

2017年4月、ドイツ、ドルトムントのコンツェルトハウスでの演奏。ピアノはダニール・トリフォノフ、指揮はミハイル・ブレトニョフ、演奏はマーラー・チェンバー・オーケストラ。

2020年7月11日土曜日

ヴェルディ:オペラ『レニャーノの戦い』

ジュゼッペ・ベルディが作曲し、1849年に初演された4幕もののオペラ。

12世期に起こった神聖ローマ皇帝フリードリッヒ1世とロンバルディア連合の戦いをテーマにしたオペラ。

1176年にイタリア支配を目論んだフリードリッヒ1世、通称バルバロッサはイタリアに攻め入ったが、ローマ教皇側だったミラノなどのロンバルディア連合軍にこの戦いで破れて、バルバロッサのイタリア支配の夢は潰えた。

戦争によって引き裂かれた恋人同士とその悲劇が描かれる。

当時は、オーストリアに対するイタリアの独立運動が展開されていた時期であり、そうした世相も反映されている。

2012年2月&3月に、イタリア、トリエステのジュゼッペ・ヴェルディ劇場での公演から。指揮はニーノ・ナポレターノ、演奏はトリエステ・ジュゼッペ・ヴェルディ歌劇場管弦楽団及び同合唱団。





2020年7月4日土曜日

モーツァルト:フルート協奏曲第1番

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが、1778年に作曲したフルートのための協奏曲。

裕福なオランダ人からの依頼で書かれたフルート協奏曲のうちの1つ。

モーツァルトはフルートのための音楽にはあまり乗り気ではなかったようだが、今ではフルート曲の定番の一つになっている。

第1楽章 アレグロ・マエストーソ。いわゆるモーツァルトらしい軽快な音楽。

第2楽章 アダージョ・ノン・トロッポ。静かに奏でられるフルートの伸びやかな音が美しい。

第3楽章 ロンド テンポ・ディ・メヌエット。華やかなフィナーレ。

2019年8月、スイスのルツェルン文化会議センター・コンサートホールでの演奏から。フルートは絵マニュアル・パユ、指揮はヤクブ・フルシャ、演奏はマーラー室内管弦楽団。

ベートーヴェン:三重協奏曲

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが1803年から1804年にかけて作曲した、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための協奏曲。

ベートーヴェンのパトロンだった、ルドルフ大公がピアノパートを演奏するために書かれたと言われる曲。

ベートーヴェンは同時期に交響曲第3番やクロイツェルソナタ、ピアノソナタの熱情などを作曲されている時期にあたるが、比較的古典的な音楽になっているのは、そのためかもしれない。

第1楽章、アレグロ。古典的な印象の音楽。

第2楽章、ラルゴ。チェロとヴァイオリンの独奏が美しい。

第3楽章、ロンド・アラ・ポラッカ。伸びやかで開放的な印象の音楽。

2019年10月、ベルリンフィルハーモニーでの演奏。指揮とピアノはダニエル・バレンボイム、ヴァイオリンにアンネ・ゾフィー・ムター、チェロはヨーヨーマという豪華なメンバー。

オーケストラは、ウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団。