2012年3月21日水曜日

ドニゼッティ:オペラ『ロベルト・デヴェリュー』

ドニゼッティの女王3部作の最終作。エリザベス女王とその愛人と噂された実在のロベルト・デヴルーの関係を元にしたオペラ。

2005年5月にバイエルン州立歌劇場の講演は、主演のエリザベッタを演じたエディタ・グロベローヴァの鬼気迫る熱演で大成功を収めた。

一般的な解釈だと、女王3部作の中で、一番良くない出来、という声もあるが、この舞台を見たら、とてもそんな風には思わないだろう。

特に、ロベルト・デヴェリューが、親友の妻と不倫関係にあることが暴露される場面が秀逸。元恋人のエリザベッタと親友の目の前で暴露され、三者のそれぞれの思いが、ドニゼッティの華麗でダイナミックな音楽で展開される。

このドニゼッティの女王3部作を、テレビで続けて鑑賞したのだが、とにかく、どっと疲れてしまった・・・

2012年3月20日火曜日

ドニゼッティ:オペラ『マリア・ストゥアルダ』

ドニセッティの女王三部作の1つ。

イングランドのエリザベス女王とスコットランド女王のメアリー・ステュワートとの史実に基づく対立を描いたオペラ。シラーの悲劇をもとにした作品。

イングラングの歴史を、ドイツのシラーが劇にし、それに音楽を付けたのがイタリアのドニゼッティという、汎ヨーロッパ的な作品。

作品の出来具合は、『アンナ・ボレーナ』よりは遥かに劣る。第一幕のエリザベッタとストゥアルダとのソプラノ対決。最後のストゥアルダの慈悲深さが見所。

不幸にもエリザベスによって死刑に処されるマリア・ストゥアルダは、最後は宗教の力で改心し、あれほど嫌っていたエリザベスを許して、断頭台に散る。

マリア・ストゥアルダはカトリック。エリザベスはイギリス国教会。イタリア人としては、カトリックの方が信仰深い、とでもいいたかったのか。

2009年4月のヴェネツィアのフェリーチェ劇場の公演は、迷路のような舞台装置で、モダンなスタイルの演出だった。

ドニゼッティ:オペラ『アンナ・ボレーナ』

ヘンリー8世が、王妃アン・ブーリンに男子が生まれないため、別な女性、ジェーン・シーモアを王妃にするまでを描いた、ドニゼッティの悲歌劇。

愛と憎しみ、権力とその行使、友情と裏切り。イタリア・オペラの魅力が満載のオペラ。ドニゼッティは、この作品で巨匠の仲間入りをした。オペラ史上でも、屈指の名作。とにかく、素晴らしい作品だ。

イングランドの王位を巡る争いの世界を、感情表現が過激なイタリア・オペラで描く。イタリア・オペラにとって、最も適した題材が、イングランドにあったというのは、少し皮肉な感じもする。

2011年の春のウィーン歌劇場の講演は、アンナ・ボレーナ(ソプラノ)にアンナ・ネトレプコ、ジョバンナ・シーモア(メゾ・ソプラノ)にエリーナ・ガランチャという2大スターの競演で話題を呼んだ。

舞台は素晴らしいの一言。エンリーコ8世(バス・バリトン)を演じたイルデブランコ・ダルカンジョロも、権力欲の強く、威圧的な役を見事に演じていた。

同じ題材で、『ブーリン家の姉妹』という映画があった。映画はそれなりに面白かった。しかし、人間の感情を描くという観点でいえば、この作品に軍配をあげる。

ドヴォルザーク『ルサルカ』

水の精、ルサルカは人間の王子の恋をし、魔法使いに人間の姿に変えてもらうが、しゃべることはできない。

王は、美しいルサスカを愛するが、口がきけないのを不審に思い、別な王女と浮気をしてしまう。

魔法使いはルサルカに元の姿に戻すには男の血が必要で、ナイフで王子を指すように命ずるが、それを拒む。本当の合いに気付いた王子は、死を恐れずにルサルカに口づけをし、二人は死で結ばれる。

こうした悲しい、典型的なヨーロッパのおとぎ話が、美しいドヴォルザークの音楽によって展開される。美しいメロディー、素晴らしい独唱『月に寄せる歌』などがありながら、このオペラはそれほどメジャーではない。もっと演奏されてもいい。

2011年に行われた新国立劇場の講演を見た。うーん、主要な出演者は海外から呼んで、とてもがんばっているけれど、やはり何か違う・・・と感じてしまった。

2012年3月17日土曜日

ヤナーチェク:オペラ『マクロプロス事件』

ヤナーチェク晩年の3部作の一つ。カレル・チャペックの原作を自ら台本化した。

不死の薬によって、300年以上生きている女性を巡る法廷劇。不死は人間の究極の夢だが、結局長生きしてもいいことはないよ、という内容の話。

2011年のザルツブルグ音楽祭の演出は斬新で、賛否を巻き起こした。

主役の不死の女性でオペラ歌手のエミリアを巡り、彼女を愛する男、彼女を疑う男、疑いつつもその存在界に一目おく男など、さまざなま男が取り巻いて、歌劇が展開される。

2012年3月4日日曜日

シェーンベルグ『今日から明日へ』

シェーンベルグが、十二音技法で書き上げたオペラ。1時間ほどの短い内容。

ストーリーは、ウィーンの夫婦のたわいない話。初めは、夫が自らの人生の不幸を嘆いているが、次第に妻が話の主導権を握り、浮気をほのめかしながら夫を脅し、夫を改心させる。それぞれの愛人となるかもしれなかった男女を、それぞれ袖にふり。元の鞘に戻る。

オペラは、時間が短いということもあるが、終止歌のみで展開される。途中、ワーグナーのラインの黄金が、十二音技法の中に取り込まれている。

少々、エキセントリックともいえるシェーンベルグの音楽は、こうした喜劇によく合っている。

2008年、エリアフ・インバル指揮、ヴェネツィアのフェリーチェ劇場で行われた公演を見て。

ブルックナーは苦手

どうも、昔からブルックナーは苦手だ。

なんというか、”ださいなあ”と思ってしまう。あまりにも、教科書的に音楽を書いているような気がしてしまう。聞いていて、背筋がくすぐったくなるような、そんな感じがしてしまう。

ブルックナーは、いわゆるワグナー派と言われるが、ブラームスよりも、より古典的のように思える。

ブルックナーは、オルガン奏者であった。

ブルックナーは、生涯をかけて、自分の音楽を何度も何度も修正していた。

2010年、バレンボイムがシュターツカペレ・ベルリンとベルリンフィルで演奏したブルックナー/チクルスを聞いて。

リヒャルト・シュトラウス『エレクトラ』

ギリシャのソフォクレスの悲劇をもとに、ホフマンステールが書いた台本を、リヒャルト・シュトラウスがオペラにした。

母が愛人と共謀して父を殺害。殺された父の娘は、弟が、いつか父を殺してくれることを願うが、自分が殺そうとも考えている・・・

その内容を象徴するように、最初から最後まで、陰鬱な音楽で綴られる。

舞台は、暗い闇に始まり、赤一色に変わるなど、シンプルだが原色をフルに使い、オペラの内容を、より先鋭化して表現している。

ティーレマン指揮。バーデンバーデン祝祭劇場2010。