2013年7月28日日曜日

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番

プロコフィエフが、1921年に作曲した3つ目のピアノ協奏曲。プロコフィエフのピアノ協奏曲の中でも、とりわけ有名な作品。

伝統的な音楽と、不協和音を使ったモダンな音楽が融合して、バランスの取れた内容になっており、それが、好まれている原因かもしれない。

最後は、オーケストラとピアノが、同じ音を連打しながらクライマックスを迎える。一度聞いたら、忘れられない音楽。

ピアノはデニス・マツーエフ、ゲルギエフ指揮マイリンスキー劇場管弦楽団による、2012年6月の演奏。

ヴェルディ:レクイエム

ヴェルディは、ロッシーニの死を受けて、他の音楽家たちと、レクイエムの作成を構想したが、様々な事情で実現しなかった。

その後、イタリアを代表する小説家、マンゾーニの死にショックを受けて、今度は一人でこのレクイエムを書き上げ、1874年に初演された。

モーツァルト、フォーレと並んで、3大レクイエムと言われるが、紛れもなく、最もドラマティックなレクイエム。オペラのようなレクイエムと揶揄されることも。

同時期に、アイーダを作曲していたこともあり、似ているメロディもある。

特に、怒りの日、という有名なパートは、そこだけ効果音的に引用されることが多い。しかし、その引用は、単なる音楽の激しさだけを意図したもので、この音楽の本来の意味とは、およおかけ離れている。

日本語では、鎮魂歌、という名称だが、詩の内容は、罪のある死者の魂を、キリスト教の神が、その罪を許し、祝福することを、祈るという、というもの。

指揮、セミョーン・ビシュコフ、2013年4月のNHK交響楽団の演奏。

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第2番

チャイコフスキーが、1879年から1880年にかけて作曲した、2番目のピアノ協奏曲。

第1番はあまりにも有名だが、こちらは演奏される機会はほとんどない。

冒頭は、馴染みやすく、覚えやすいメロディーで始まる。いきなり掴みを取ろうとするチャイコフスキーらしい出だしだが、その後は、やや地味な展開になり、第1番ほどポピュラーでない理由も納得できる。

第2楽章は、アンダンテ・ノン・トロッポだが、ヴァイオリンとチェロのソロが入り、ピアノ協奏曲であることを、しばし忘れさせてくれる。音楽は、美しい。

第3楽章は、ロンド。最後はチャイコフスキーらしい、ダイナミックな音楽でフィナーレを迎える。

チャイコフスキーは、ピアノ協奏曲第1番を、友人で有名なピアニスト、ニコライ・ルビンシテインに捧げたが、拒否され、この第2番を改めて献呈した。

そのルビンシテインが、初演を演じることが決まっていたが、直前にパリで客死してしまい、兄のアントン・ルビンシテインの指揮、セルゲイ・タナーエフのピアノで、1882年5月にモスクワで初演された。

ピアノはデニス・マツーエフ、ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団の2011年1月の演奏。

2013年7月6日土曜日

ワーグナー:さまよえるオランダ人

ワーグナー自ら、最初のオペラであると語っていた、1842年に完成したオペラ。

乙女の愛によってのみ救われる、という呪いを、神からかけられたオランダ人。そのオランダ人を救うことを自らの天命だと信じゼンダの愛と悲劇。

その後の、ワーグナーのオペラに見られる主要なテーマは、すべてこの作品の中に含まれている。

女性にとって救われる、というテーマは、ゲーテのファウストにも共通し、他にも、様々な精神分析的な解釈ができるだろう。

男性中心主義的な視点が丸出しのオペラ。ドイツ人から見たオランダ人のイメージも、いかにもあからさまだ。

しかし、音楽は、やはり素晴しい。テーマの非現実性やストーリーの不自然さなどを、すべて押しつぶしてしまうほどの、圧倒的な音楽。

これこそが、ワーグナーのオペラの醍醐味だろう。

1985年のバイロイト公演は、ハリー・クプファーによる、すべてを、ゼンダの妄想の中で起こった出来事、と解釈する斬新な演出。

ペルゴレージ:オペラ『イル・フラミニオ』

18世紀にナポリで活躍し、わずか26才で夭折したペルゴレージの最後のオペラ。

後に、ストラヴィンスキーが『プルチネッラ』を作曲したとき、このオペラから多くの曲を取り入れたこともあり、オペラ自体はあまり知られていないが、その中の曲は、どこかで聞いたことがあるものも。

ナポリで演じられていたことから、ナポリ方言や、トスカーナ方言なども使われており、ローカル色に溢れたオペラになっている。といっても、私には、どのセリフがナポリ方言で、トスカーナ方言と何がどう違うのかは、さっぱりわからないが。

主人公のフラミニオ、未亡人のジュースティーナを中心に、3組のカップルの恋の行方がテーマになっており、典型的なオペラブッファで、モーツァルトとの共通性や違いを感じられる。

当時の楽器に近いオーケストラ構成が、バロック音楽の独特な音色を奏でて、新鮮に聞こえる。

2010年にペルゴレージの生誕300年を記念して、ペレルゴージの生誕地、イェージで演じされた公演は、舞台の奥にオーケストラを置くという珍しい舞台装置だった。

劇中劇の場面では、観客席から実際の観客を呼び寄せ、劇中劇の観客にする、という粋な演出もあった。

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番

ショスタコーヴィチが、1947年から1948年にかけて作曲した最初のヴァイオリン協奏曲。

4つの楽章からなるが、最初はいきなりノクターンという抒情的な音楽で始まるが、ヴァイオリンの音色が美しい。

第2楽章のスケルツォは、いかにもショスタコーヴィチらしい音楽。ところどころに、ショスタコーヴィチの交響曲で聞いたことがある、メロディが聞こえてくる。

第3楽章は、長いヴァイオリンのカデンツァが続き、ヴァイオリンの音色にうっとりとさせられる。

そのまま切れ目なく第4楽章に突入する。最後の終わり方もショスタコーヴィチらしい。

2013年4月のNHK交響楽団の定期講演。ヴァイオリンは、ヴィクトリア・ムローヴァ、指揮は、ピーター・ウンジャン。

プロコフィエフ:交響曲第7番

プロコフィエフが1951年から1952年にかけて作曲した、プロコフィエフにとっての最後の交響曲。プロコフィエフは、その翌年に亡くなった。

前の第6番が党から批判されたためか、あるいは、死を前にした心境の変化だったのか、プロコフィエフにしては、実に穏やかで、古典的な内容の交響曲に仕上がっている。

ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団による、2012年4月の演奏。

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第5番

1932年に作曲されたプロコフィエフの最後のピアノ協奏曲。

5つの楽章からなるという得意な構成。

冒頭から猛烈なピアノの演奏で始まり、そのまま5つの楽章を突っ走る、という感じの曲。オーケストラは、ただその後をついていっている感じ。その意味では、協奏曲とは、呼べないかもしれない。

同じ音符を何度も機械的に繰り返す部分もあり、野心的なピアノ協奏曲となっている。

ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団による、2012年4月の演奏。

プロコフィエフ:交響曲第6番

プロコフィエフが1947年に作曲した6番目の交響曲。

3つの楽章で構成されている。

モダンな内容と、ロシアの抒情的な音楽が溶け合って、プロコフィエフらしい交響曲に仕上がっている。

しかしながら、1948年の初演では、その前衛的な側面を批判され、ながく演奏される機会がなかった。

ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団による、2012年4月の演奏。