ワーグナー自ら、最初のオペラであると語っていた、1842年に完成したオペラ。
乙女の愛によってのみ救われる、という呪いを、神からかけられたオランダ人。そのオランダ人を救うことを自らの天命だと信じゼンダの愛と悲劇。
その後の、ワーグナーのオペラに見られる主要なテーマは、すべてこの作品の中に含まれている。
女性にとって救われる、というテーマは、ゲーテのファウストにも共通し、他にも、様々な精神分析的な解釈ができるだろう。
男性中心主義的な視点が丸出しのオペラ。ドイツ人から見たオランダ人のイメージも、いかにもあからさまだ。
しかし、音楽は、やはり素晴しい。テーマの非現実性やストーリーの不自然さなどを、すべて押しつぶしてしまうほどの、圧倒的な音楽。
これこそが、ワーグナーのオペラの醍醐味だろう。
1985年のバイロイト公演は、ハリー・クプファーによる、すべてを、ゼンダの妄想の中で起こった出来事、と解釈する斬新な演出。
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