ブーレーズが、1948年に構想に着手した、弦楽四重奏のための書(Livre pour quatuor)。
何とも不思議な名前だが、これは、マラルメから影響を受けている。マラルメは、自分の詩を大きな紙に並べて書いて、どこから読んでもいい、としていた。
この曲もいくつかの楽章から構成されているが、どこからどう演奏してもいい、という意味を込めて、書という名をつけたという。
1955年に最初の2つの楽章が演奏され、1961年にVとVIが、1962年にはIIIが演奏された。
しかし、ブーレーズは、この曲の楽譜の出版を許可しなかった。いつか、改訂する予定でいたらしい。
また、あまりに複雑な構成であるために、演奏に当たっては、自らの指揮が必要だと考えていたらしく、演奏される機会もあまりなかった。
2016年の東京・春・音楽祭では、ポリーニがプロデュースしたプログラムの中で、この曲のIa, Ib, II, IIIa, IIIb, IIIc, V, VIが2日に分けて演奏された。
演奏は、ジャック四重奏楽団。彼らは、以前にも、この曲を演奏したことがある。
ブーレーズの曲は、2つのピアノソナタ、ル・マルトー・サン・メートル、レオポンなど、結構聴いてきているが、それでもこの弦楽四重奏のための書は衝撃的だった。
この弦楽四重奏曲は、ハイドン、ベートーヴェン、ドビュッシー、ストラヴィンスキー、そしてバルトークなどに続く、弦楽四重奏の名曲と言っていい。
会場には、このコンサートのプロデュースをしたポリーニ本人も姿を見せていた。
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