2016年9月24日土曜日

グノー:オペラ『ファウスト』

フランスの作曲家、シャルル・フランソワ・グノーが1858年に完成させたオペラ。

ゲーテの有名な『ファウスト』の第1部をオペラ化したもの。グノーは、ネルヴァルがフランス語に訳した『ファウスト』を若い頃から愛読していた。

第1部では、若き純粋無垢な娘、マルグリートが、悪魔のメフィストフェレスによって悪の道に引き込まれたファウストに愛され、やがて捨てられる悲劇がテーマになっている。

前半の華やかな恋のドラマが、4幕以降の後半で一気に悲劇に突入していく、そのギャップが見事。

フランスのオペラらしく、随所にダンスが織り込まれている。

近未来のような、宇宙船の中のような、斬新な舞台演出も楽しめた。

2016年のザルツブルグ音楽祭の講演から。

2016年9月19日月曜日

リヒャルト・シュトラウス:交響詩『ツァラトゥストラはこう語った』

リヒャルト・シュトラウスが、1894〜1896年に作曲した交響詩。

ニーチェに対するオマージュとして作らているが、同名の有名な書をそのまま音楽にしたものではない。

シュトラウスは、ミュンヘン大学で哲学の授業を受けた際に、ニーチェの哲学に大きな衝撃を受けたという。

30分ほどの作品だが、以下のような幾つかのモチーフで構成されている。

序奏
背後の世界の住人について
大いなるあこがれについて
歓喜と情熱について
墓場の歌
科学について
病いが癒(い)えつつある者
踊りの歌
夢遊病者の歌

2016年2月に東京で行われた、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、NHK交響楽団の演奏。

リヒャルト・シュトラウス:変容

リヒャルト・シュトラウスが、1944〜1945年にかけて作曲した、23のソロ弦楽奏者のための音楽。

第2次大戦末期に書かれ、次第に崩壊していく国家を目の当たりにしながら作られた曲で、実に陰鬱な音楽だが、その悲しがなメロディが、実に美しい。

オリジナルの23の弦楽だけによる演奏は、明日の希望が打ち砕かれるほどの陰鬱な音楽だが、この演奏では楽器数をもっと増やし、エンターテイメントを考慮した内容になっていた。

2016年2月に東京で行われた、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、NHK交響楽団の演奏。

ニールセン:交響曲第5番

デンマークを代表する作曲家、カール・ニールセンが1921〜1922年にかけて作曲した5番目の交響曲。

2つの楽章から構成されている。

始まりは静かだが、やがて軍隊のマーチのような音楽が聞こえてくる。

この曲には、第1次世界大戦がニールセンに与えた影響が、色濃く現れている。

第2楽章は、第1楽章と違ってアップテンポになっている。

最後は、ニールセンらしく、ダイナミックな音楽で終わる。

第4番ほどの盛り上がりには欠ける気がするが、改めてじっくりと聴きたくなる交響曲。

2016年2月に東京で行われた、パーヴォ・ヤルヴィ指揮、NHK交響楽団の演奏。

2016年9月18日日曜日

ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第7番

ブラジルの作曲家、ヴィラ=ロボスが1942年に作曲した7番目の弦楽四重奏曲。

第1楽章が実にいい。不協和音のような音で、官能的なムードを感じさせる。

第2楽章は、まるで情事の後のような、何とも言えない雰囲気を醸し出している。

第3楽章は、一転して、エキセントリックな雰囲気ながらリズミカルな音楽。

第4楽章は、ヴィラ=ロボスの個性が爆発したような強烈な音楽。

実に聞き応えのある弦楽四重奏曲だ。フランスでの滞在経験は、その後のヴィラ=ロボスの音楽に、大きな影響を与えたことが、この曲だけでもよくわかる。

2010年7月~2011年5月にかけて、リオ・デ・ジャネイロのカテナ宮殿で行われた、クアルテート・ハダメス・ジナタリの演奏。

2016年9月17日土曜日

ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第6番

ブラジルの作曲家、ヴィラ=ロボスが1938年に作曲した6番目の弦楽四重奏曲。

ヴィラ=ロボスの17の弦楽四重奏曲の中でも、最も演奏される機会の多い弦楽四重奏曲。

第1楽章で、ブラジルの民族音楽が取り入れられていることから、この曲は『ブラジル』という愛称をもって呼ばれる。

第4楽章は、ポリリズムで作曲されている。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが時に拍子を合わせながら、慎重に演奏を進めていく。

2010年7月~2011年5月にかけて、リオ・デ・ジャネイロのカテナ宮殿で行われた、クアルテート・ハダメス・ジナタリの演奏。

ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第5番

ブラジルの作曲家、ヴィラ=ロボスが1931年に作曲した5番目の弦楽四重奏曲。

パリへの留学から帰国して間もなくこの曲は作曲された。

パリで、自分がブラジル人であることを強く意識したのだろうか。

第1楽章では、ブラジルではないが、隣の国のアルゼンチン・タンゴのような音楽が取り入れられている。

第2楽章は、シンプルかつ印象的な音楽が演奏される。

第4楽章では、民謡風な音楽も登場する。

2010年7月~2011年5月にかけて、リオ・デ・ジャネイロ市立劇場で行われた、クアルテート・ハダメス・ジナタリの演奏。

ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第4番

ブラジルの作曲家、ヴィラ=ロボスが1917年に作曲した4番目の弦楽四重奏曲。

4つの楽章から構成されているが、1〜3番に比べると、より複雑な構成になっている。

2010年7月~2011年5月にかけて、リオ・デ・ジャネイロのラランジェイラス宮殿で行われた、クアルテート・ハダメス・ジナタリの演奏。

ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第3番

ブラジルの作曲家、ヴィラ=ロボスが1916年に作曲した3番目の弦楽四重奏曲。

第2楽章がポップコーン・スケルツォという名前であることから、ポップコーン・クアルテットと呼ばれている。

ピチカートを多用して、まさにポップコーンが弾けるような演奏で楽しい。

2010年7月~2011年5月にかけて、リオ・デ・ジャネイロ市立劇場で行われた、クアルテート・ハダメス・ジナタリの演奏。

ヴィラ=ロボス:弦楽四重奏曲第1番

ブラジルの作曲家、1887年生まれのヴィラ=ロボスが、1915年に作曲した最初の弦楽四重奏曲。

6つの短い楽章から構成されているが、音楽自体はとてもクラシックな印象。

特に、第1番と第5番の哀愁に満ちた音楽が美しい。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を感じさせる。

2010年7月~2011年5月にかけて、リオ・デ・ジャネイロのカテテ宮殿で行われた、クアルテート・ハダメス・ジナタリの演奏。

2016年9月10日土曜日

ペルゴレージ:オペラ『奥様女中』

いわゆるナポリ派の一人、ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージが作曲し、1733年に初演されたオペラ・ブッファ。

1時間ほどの小品で、当初は『誇り高き囚人』というオペラ・セリエの合間のオペラとして上演されたが、セリエはいつの間にか忘れられ、この作品がペルゴレージの代表作となった。

登場人物はわずか3人。しかも一人はパントマイム。年老いた主人のウベルト(バス)が、若い女中のセルピーナ(ソプラノ)に求婚するまでの寸劇。

しかし、ペルゴレージのメリハリの効いた音楽が、この寸劇を極上のオペラに仕立て上げている。

2010年のペルゴレージ・フェスティバルの演奏。

ニールセン:交響曲第4番『不滅』

デンマークの国民的な作曲家、カール・ニールセンが1914〜1916年にかけて作曲した4番目の交響曲。

ニールセンの交響曲の中では、最もよく演奏される交響曲。

単一の楽章からなるが、内容は幾つかのパートから成り立っている。

冒頭の主題が、最後にもまた現れるが、より伸びやかに、よりダイナミックに演奏されて、最高の盛り上がりとともにフィナーレを迎える。

ニールセンの生誕150周年を記念する、2015年9月のコペンハーゲンでの演奏。