2012年9月2日日曜日

リゲティ:オペラ『ル・グラン・マカーブル』

映画『2001年宇宙の旅』や『シャイニング』の音楽でも知られる、20世紀の音楽が、ジョルジ・リゲティが、1977年、54才の時に作曲した唯一のオペラ。

原作は、フランスのミシェル・ド・デルドロードの戯曲『大いなる死のバラード』。ブリューゲルワールドという架空の国を舞台に、男性である死神が、この世の終わり、最後の審判の訪れを宣言し、人々は絶望にくれる。

しかし、最後の審判は訪れず、レズビアンが『心配は他の人間に任せ、自分たちは、今この時間を楽しもう』と宣言し、死神が殺した女性も蘇る、というストリー。

この不思議なストーリーが、リゲティのエキセントリックな音楽の中で、強烈なパロディとともに、展開される。

スペイン、バルセロナのリセウ大劇場での2011年の公演。舞台の真ん中に、巨大な裸の女性の像が置かれ、その前で、時にはその内部で、オペラが演じられる。冒頭で、レズビアンの二人が、性行為を創造させる動きをする。そうした斬新な演出で、観客のオペラに対する概念の再考を迫る。

オペラの全編を通じて、男性原理に対する、女性原理の勝利が描かれる。

ル・グラン・マカーブルとは、大いなる死者、という意味。リゲティは、第2時世界対戦中、家族とともに強制収容所に入れられ、父親と弟を、そこで失っている。

そのリゲティが、最後の審判と、それをものともせずに、たくましく生き延びる人間たちを描いたオペラを作った、ということの意味を、自然と考えさせられる。

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