もっとも有名なオペラの1つ、ビゼーの『カルメン』。初演時の評判は今ひとつで、その後の改良で人気を博した。しかし、残念ながらビゼーはそのとき、すでに亡くなっていた。
運命の女の代名詞となった、自由奔放に生きる、ロマの女、カルメン。そのカルメンに恋をして、やがては破滅して行く軍人のホセ。
”恋は野を飛び回る鳥のような存在 誰もそれを手なずけることはできない”とはじまる「ハバネラ」。この冒頭で歌われるこの歌が、まさにこのオペラのすべてを語っているように聞こえる。
同時にこのオペラでは、ホセが、軍隊の規律や家族との繋がりと、ロマの自由な生活のあいだで揺れ動く様子が描かれる。
いずれも、今日から見れば、明らかに男性の立場から見た女性像、統治する側から見た、放浪のするロマへの差別、などがあからさまに描かれている。
しかし、オペラの演出によっては、その矛盾を、暴きだすことができる。
2010年リセウ大劇場での公演は、舞台を現代に移し、ロマの人々は、車に乗って放浪したり、途中、全裸の男が踊りを演じるなど、大胆な演出で、大きな反響を呼んだ。
カルメンの悲劇、ホセの悲劇は、時代が変わっても、誰にでも、ふいに訪れる可能性を持っている。このオペラは、今後も長く演じられて行くだろう。
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