2012年5月19日土曜日

ムソルグスキー:オペラ『ボリス・ゴドゥノフ』

実に、重苦しいオペラだ。

イヴァン雷帝の死後、ロマノフ王朝が成立する前の混乱期に、王位を狙える実力者であったボリス・ゴドゥノフの栄光と苦悩を描いたオペラ。

原作は、プーシキンによる同名の戯曲。ムソルグスキーは、1868年から1869年にかけて、この作品を完成させた。

冒頭の、”なぜ、我々を見捨てるのか!”と歌う民衆の合唱は、いかにも重厚なロシア音楽らしく、オペラ全体の基調をよく表している。

ツァーリに選出されながら、皇太子ドミトリー殺しの疑いをかけられ、つねにその亡霊におびえるボリス・ゴドゥノフ。その苛立ちと苦しみが、バスの低音で全編を覆っている。

偽ドミトリーに、新たなロシアへの期待をかけるロシアの民衆。その祈りのような合唱は、まるでロシアの大地からの呻き声のように聞こえる。

1954年にソ連で制作された映画版。当時のボリショイ劇場のスターが総出演。ソ連の威信をかけて制作された作品。全編ロケ。音楽も、従来のバージョンではなく、映画独自のものだったという。

2012年5月、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で行われた、「第20回白夜祭国際フェスティバル」の演奏から。指揮、ヴァレリー・ゲルギエフ。演奏は、サンクトペテルブルク・マリインスキー劇場管弦楽団及び同合唱団。

こちらの演出は、衣装やセットに、伝統的な物と現代的な物を組み合わせたユニークな演出。伝統的なロシアの衣装を着た修道僧が、パソコンで年代記を書いている。


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