2016年2月28日日曜日

ハチャトゥリアン:バレエ曲『ガイーヌ』

1942年に初演された、アラム・イリイチ・ハチャトゥリアンが作曲したバレエのための音楽。

アルメニア人の女性を主人公とした物語。当時のソ連の状況を踏まえて、集団農業の成果を讃えるような内容になっている。

音楽は、ハチャトゥリアンらしい、民族色に溢れた華麗なもので、現在でも、運動会の中で使われるような、軽快な音楽もある。

2015年11月のNHK交響楽団の定期公演から。指揮は、ヴラディーミル・フェドセーエフ。

マーラー:歌曲『リュッケルトによる5つの歌曲』

マーラーが、1901年から1902年にかけて作曲した歌曲。

ロマン派の詩人、フリードリヒ・リュッケルトの5つの詩に、曲をつけている。

全体的に、悲しげで厭世的な内容の詩になっていて、音楽も、華やかさより、哀愁に満ちたものとなっている。

中でも、私はこの世に捨てられて Ich bin der Welt abhanden gekommen 、という曲が、とりわけ哀愁に満ちた音楽で、印象に残る。

2015年11月のNHK交響楽団の定期演奏から。指揮は、ディエゴ・マテウス。ソプラノは、ケイト・ロイヤル。

2016年2月20日土曜日

ハイドン:交響曲92番

ハイドンが、1789年に完成させた、92番目の交響曲。

オックスフォード交響曲という名称で呼ばれるが、ハイドンが、オックスフォード大学から学位を授与されたことを記念する演奏会で、演奏されたことによる。

第1楽章。アダージョ、アレグロ・スプリトーゾ。明るい華やかな音楽。

第2楽章。アダージョ。重厚なアダージョ。

第3楽章。メヌエット、アレグロット。これぞ、メヌエット、という音楽。

第4楽章。フィナーレ、プレスト。流れるような音楽。

1983年、バーンスタイン指揮、ウィーンフィルの学友教会での演奏。

ハイドン:交響曲第88番

ハイドンが、1787年に作曲した、88番目の交響曲。

第1楽章。アダージョ、アレグロ。軽やかな音楽。

第2楽章。ラルゴ。

第3楽章。メヌエット、アレグレット。

第4楽章。フィナーレ、アレグロ・コン・スピリト。流れるようなフィナーレ。

1983年11月、バーンスタイン指揮、ウィーンフィルの学友教会での演奏。

ブルックナー:交響曲第9番

ブルックナーが1896年に亡くなった時、最終楽章が未完のままに残された、ブルックナーの9番目の交響曲。

第1楽章。Feierlich, misterioso。

ブルックナーらしい、巨大なファンファーレだが、misteriosoという名の通り、神秘的な響きを持っている。

第2楽章。Scherzo. Bewegt, lebhaft - Trio. Schnell。

スケルツォにしては、爆音、ダイナミック。

第3楽章。Adagio. Langsam, feierlich。

一転して、美しいアダージョ。

最後は、消え入るようにして、音楽が終わる。

ダイナミックな大音響が代名詞のブルックナーの、最後の交響曲の最後の楽章は、意外にも、静かな終わり方だった、

バレンボイム指揮、シュターツカペレ・ベルリンの2010年6月ベルリン・フィルハーモニーでの演奏。

2016年2月14日日曜日

ベートーヴェン:『シュテファン王』序曲

ベートーベンが、ハンガリーのある劇場の新築公演用に1812年に作曲した序曲。

エネルギッシュなエグムント序曲に比べると、華やかな印象の音楽。

1978年11月、バーンスタイン指揮、ウィーンフィルの楽友協会での演奏。

ベートーヴェン:『エグモント』序曲

ベートーヴェンが、1809年から1810年にかけて作曲した、ゲーテの同名の戯曲のための、劇付随音楽。

序曲の他に、9つの曲からなっているが、通常は序曲のみが演奏される。

短い中に、ベートーヴェンのエネルギッシュな音楽が凝縮しており、聴く者の気分を高揚させる。

1975年、カラヤン指揮、ベルリンフィルの演奏。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第32番

ベートーヴェンが、1819年から1822年にかけて作曲した、32番目の、そして最後のピアノソナタ。

2つの楽章から構成されている。ベートーヴェン本人は、その理由を、その後を書く時間がなかったから、と語ったという。

第1楽章。Maestoso - Allegro con brio ed appassionato 。ハ短調。

助奏の後で、運命のテーマのような、印象的なメロディが現れ、この主題が楽章全体を引っ張っていく。

第2楽章。Arietta. Adagio molto, semplice e cantabile。ハ長調。

始めは、迷走するような、静かでゆっくりとした音楽が、徐々に軽快で生き生きとした音楽に変わっていく。

その後は、再び、静かな音楽に変わり、そのまま終わりを迎える。

ダニエル・バレンボイムによる1983年から1984年にかけて行われた、全曲演奏から。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番

ベートーヴェンが、1821年に完成させた、31番目のピアノソナタ。

第1楽章、Moderato cantabile molto espressivo。変イ長調。

繊細で、敬虔な印象を受ける音楽。

第2楽章、Allegro molto。ヘ短調。

単調のせいか、少しダークな印象のアレグロ。

第3楽章、Adagio, ma non troppo - Fuga. Allegro, ma non troppo。変イ長調。

最初は、アダージョ、そして後半はフーガという珍しい構成。

ダニエル・バレンボイムによる1983年から1984年にかけて行われた、全曲演奏から。

ベートーヴェン:序曲『コリオラン』

ベートーヴェンが1807年に作曲した、演奏会用の序曲。

古代ローマの政治家で、悲劇的な死を迎えたコリオランが主人公の戯曲を見て、その感動を元に作られた曲。

ベートーヴェンの脂が乗り切った時代の曲なので、同時期の運命交響曲のような、ダイナミックで劇的な構造を持っている。

1996年10月、ミュンヘンのヘルクレスザールにおいて、カルロス・クライバー指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団による演奏。

ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏曲変ホ長調

ベートーヴェンが、1796年、26才の時に作曲した、ピアノとオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットという4つの管楽器のための五重奏曲。

同名のモーツァルトの曲を参考に作ったという。

若きベートーヴェンの、古典派的な要素が色濃い内容で、3つの楽章から成り立っている。

ジェイムズ・レヴァインのピアノと、アンサンブル・ウィーン=ベルリンによる、1986年の演奏。

2016年2月13日土曜日

シベリウス:交響曲第5番

シベリウスが、1915年に自らの50歳の誕生日を祝うイベント用に作曲した、5番目の交響曲。

第1楽章。変ホ長調。Tempo molto moderato - Allegro moderato (ma poco a poco stretto) - Vivace molto - Presto - Più Presto。

北欧の広大な森と大地を感じさせる、壮大な音楽。

第2楽章。ト長調。Andante mosso, quasi allegretto - Poco a poco stretto - Tranquillo - Poco a poco stretto - Ritenuto al tempo I 。

一つの主題が様々な楽器によって、何度か演奏される。

第3楽章。変ホ長調。Allegro molto - Misterioso - Un pochettino largamente - Largamente assai - Un pochettino stretto。

印象的な雄大な主題が展開される。そして、最後に、間をおいて、6つの和音が奏でられるという印象的な終りを迎える。

2015年1月、ミュンヘンのヘルクレスザーレでの、エサ=ペッカ・サロネン指揮、バイエルン放送交響楽団の演奏。

ヒルボリ:11の門

スウェーデン生まれのアンデシュ・ヒルボリが、2006年に作曲した管弦楽団のための音楽。

11の曲からなり、それぞれの曲には、おしゃべり鏡の部屋で突然、キツツキとの混乱した対話、海に映るおもちゃのピアノ、などユニークな名前が付いている。

音楽的なスケッチとでも行ったところだろうか。

いわゆる難しい現代音楽、という感じではなく、映画『未知との遭遇』などのテーマが引用されるなど、ポピュラーな、親しみやすい音楽になっている。

2015年1月、ミュンヘンのヘルクレスザーレでの、エサ=ペッカ・サロネン指揮、バイエルン放送交響楽団の演奏。

パーセル:メアリー女王のための葬送音楽

ヘンリー・パーセルが、イングランドのメアリー女王の1694年の死に際して作曲した、葬送音楽。

この曲のために作曲したものではなく、それまでの自身の作品からの引用がほとんどだという。

基本的には合唱曲で、歌詞は、英国国教会の祈祷書から取られている。

音楽は、敬虔な内容で、パーセルの女王に対する敬愛の念が、よく表れている。

第1曲目と7曲目の間に、5つの歌曲が挟まれている構成。

スタンリー・キューブリックの映画、『時計仕掛けのオレンジ』の冒頭で、印象的の使われている。

2014年3月、ミュンヘンのガスタイクで演奏された、ダニエル・ハーディング指揮、バイエルン放送交響楽団及び同合唱団による演奏。


2016年2月11日木曜日

ブルックナー:交響曲第8番

ブルックナーが1884年から1887年に作曲した、8番目の交響曲。

第1楽章。Allegro moderato。

静かな始まり。複雑な音楽。

第2楽章。Scherzo. Allegro moderato。

有名な、ブルックナーらしい、単調で素朴な主題が最初と最後に登場する。ブルックナー自身は、ドイツの野人と表現している。

自分でも、この音楽の単純さ、粗野さを意識していたようだ。

第3楽章。Adagio. Feierlich langsam, doch nicht schleppend。

重厚な音楽で奏でられるアダージョ。

第4楽章。Finale. Feierlich, nicht schnell。

壮麗なファンファーレで始まるが、やがて、静かな展開に。

徐々に盛り上がりながら、ゆっくりとした音楽ながら、雄大なフィナーレを迎える。

バレンボイム指揮、シュターツカペレ・ベルリンの2010年6月ベルリン・フィルハーモニーでの演奏。

2016年2月7日日曜日

ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナーが1881年から1883年にかけて作曲した、7番目の交響曲。

1884年に初演され、ブルックナーの交響曲としては、初めて大きな成功を収めた。

この交響曲の作曲中、1883年にワーグナーが亡くなり、そのオマージュもこの交響曲の中には含まれている。

第1楽章。アレグロ・モデラート。

色々な音楽が現れる、複雑な楽章。

第2楽章。アダージョ。

ブルックナーの数ある主題の中でも、とりわけ有名な、哀愁のあるメロディ。

第3楽章。スケルツォ。

実に単純な主題が展開する。私が最も嫌う、ブルックナーの音楽だ。どうも、ダサいなあ、と感じてしまう。

第4楽章。フィナーレ。

ブルックナーにしては、それほどダイナミックなフィナーレではない。

バレンボイム指揮、シュターツカペレ・ベルリンの2010年6月ベルリン・フィルハーモニーでの演奏。

ブルックナー:交響曲第6番

ブルックナーが、1879年から1881年にかけて作曲した、6番目の交響曲。

ブルックナーは、1880年にスイスに旅行しており、その時のスイスの大自然の印象が、この交響曲には反映されているという。

ダイナミックで大音響、というイメージの強いブルックナーの作品の中では、比較的、穏やかな音楽。

第1楽章。Maestoso。

ヴァイオリンの音がとてもよく聞こえてくる。ブルックナーにしては、珍しい。

アラビアのロレンスのBGMにでもよく合いそうな、オリエンタルな音楽も印象的。

第2楽章。Adagio.Sehr feierlich。

美しいアダージョ。ワーグナーのトリスタンとイゾルデからの影響、そしてマーラーのアダージョへの影響が、それぞれ感じられる。

第3楽章。Scherzo.Nicht schnell - Trio.Langsam。

これまで鳴りを潜めていた、ブルックナーらしい壮麗な音楽がようやく現れる。

第4楽章。Finale.Bewegt,doch nicht zu schnell。

壮大なフィナーレだが、ブルックナーの他の交響曲のフィナーレに比べると、やや抑えられている感じがする。

バレンボイム指揮、シュターツカペレ・ベルリンの2010年6月ベルリン・フィルハーモニーでの演奏。

2016年2月6日土曜日

ワーグナー:オペラ『トリスタンとイゾルデ』

ワーグナーが1857年から1859年にかけて作曲した3幕からなるオペラ。台本も自ら書いている。

1865年6月10日、ミュンヘンの宮廷歌劇場で初演された。

ケルト人の伝説に基づくトリスタン神話が元になっている。

当時、ワーグナーはパトロンの妻だったマティルデ・ヴェーゼンドンクと不倫関係にあり、その事がこの物語にも反映されていると言われる。

マルケ王の忠実な部下であった勇者トリスタンが、騙された飲まされた愛の媚薬によって、王の妻イゾルデと許されぬ愛に陥ってしまう。

お互いの地位や、名前を忘れて、一つになり、愛のみに生き、ともに死にましょう、と歌う二人の言葉に、この物語の本質が現れている。

第1幕の序曲は、このオペラの終曲でもあり、イゾルデの愛と死は、この世の中で最も美しい音楽の一つだろう。

第2幕の延々と続くトリスタンとイゾルデの二重唱は、このオペラのハイライト。

ワーグナーを代表するということ以上に、19世紀後半のロマン主義を代表する芸術作品となっている。

2015年のバイロイト音楽祭での上演は、二人は媚薬を飲む前から、実は愛し合っていた、という大胆な設定で、牢屋のようなモダンな舞台演出を取り入れている。

ブルックナー:交響曲第5番

ブルックナーが、1875年から1878年にかけて作曲した、5番目の交響曲。

ブルックナー自身は、この交響曲のことを、対位法風あるいは幻想曲風と呼んでいた。

第1楽章。Introduktion: Adagio - Allegro。

静かなアダージョで始まるが、次第に、ブルックナーらしい、吹奏楽を使った雄大な音楽に変わっていく。

第2楽章。Adagio. Sehr langsam。

重厚なアダージョで始まる。全体的にゆっくりとした音楽が続く。

第3楽章。Scherzo. Molt vivace, Schnell - Trio. Im gleichen Tempo。

めまぐるしくいろいろな音楽が展開する。

第4楽章。Finale. Adagio - Allegro moderato。

ブルックナーらしい、壮大なフィナーレ。

バレンボイム指揮、シュターツカペレ・ベルリンの2010年6月ベルリン・フィルハーモニーでの演奏。