2019年11月3日日曜日

レブエルタス:センセマヤ

メキシコの作曲家、シルベストレ・レブエルタスが作曲した、管弦楽のための小曲。

キューバの詩人、ニコラス・ギレンの詩にインスピレーションを得て作曲された。詩の内容は、巨大な蛇を殺すというカリブ海地方の伝統的な儀式を詠っている。

メキシコ版春の祭典、などと言われるが、確かに、似ているように聞こえた。

2019 セイジ・オザワ松本フェスティバルの演奏から。指揮はディエゴ・マテウス、演奏はサイトウ・キネン・オーケストラ。

ラフマニノフ:交響曲第3番

ラフマニノフが、1935年から1936年にかけて作曲した、3番目の、そして最後の交響曲。

3つの楽章から構成されている。

第1楽章。ラフマニノフらしい、ノスタルジックな音楽で始まるが、次第に、ダイナミックな音楽に展開して行く。

第2楽章。ハープ、ホルン、などの静かな音楽で始まり、美しい管弦楽のハーモニーで移行して行く。

第3楽章。一転して華やかな音楽で始まるが、次第に、ラフマニノフらしい重厚な音楽に変わって行く。

2019年8月に行われたルツェルン音楽祭の演奏から。指揮はリッカルド・シャイー、演奏はルツェルン祝祭管弦楽団。

ラフマニノフは、この曲の大半をこのルツェルン湖畔の別荘で作曲した。

2019年10月27日日曜日

モーツァルト:オペラ『イドメネオ』

モーツァルトが、1780年から作曲を始め、1781年の1月にザルツブルクで初演された初期のオペラ。

あまり上演される機会はないが、序曲を聞くと、紛れもなくモーツァルトの音楽。

クレタ島の王イドメネオと、クレタ島に囚われていたトロイアの王女イリアの恋の物語。

初期の作品であることや、脚本が今ひとつであるため、演奏機会にはあまり恵まれていないが、所々、モーツァルトらしい珠玉のメロディが登場し、やはり、聞きごたえがある。

トロイアの王女イリアを、中国人のソプラノ、イン・ファンが演じている。

2019年のザルツブルグ音楽祭の演奏から。指揮は、テオドール・クルレンツィス。

ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲

ポーランドの代表的な作曲家、ヴィトルト・ルトスワフスキが、1950年から1954年に作曲した、管弦楽のための協奏曲。

第1楽章。緊迫感と高揚感が入り混じったような音楽で始まる。

第2楽章。短い静かな旋律が、次第に壮麗な音楽に変わっていく。

第3楽章。不安を掻き立てるような、印象的なメロディ。

最後には、様々なモチーフが登場し、フィナーレを迎える。

NHK交響楽団の2019年9月の定期演奏会から。指揮は、パーヴォ・ヤルヴィ。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番

ユダヤ系のカトリックの家に生まれた、ポーランドの作曲家・ヴァイオリニストのヘンリク・ヴィエニャフスキが、1862年に自らの演奏によって初演した、2番目のヴァイオリン協奏曲。

第1楽章、アレグロ・モデラート。静かに、厳かな雰囲気で始まる。

第2楽章、ロマンス、アンダンテ・ノン・トロッポ。文字通り、ロマンチックで哀愁を感じさせる美しいメロディ。

第3楽章、アレグロ・コン・フォーコ〜アレグロ・モデラート。前半は軽快な音楽。後半はロマンチックな音楽に。

2019年9月のNHK交響楽団の定期演奏会から。指揮はパーヴォ・ヤルビ。ヴァイオリンは、ジョシュア・ベル。

バツェヴィチ:弦楽オーケストラのための協奏曲

ポーランドの女性作曲家でヴァイオリニストとしても活躍した、グラジナ・バツェヴィチが、1948年に作曲した曲。

父親はリトアニアの作曲家で、彼女の娘は画家として活躍した。

第1楽章、やや不協和音的な音楽で始まる。その後も、忙しない感じで音楽が進んでいく。

第2楽章、一転して静かな音楽だが、相変わらず、不安さは残っている。

第3楽章、スケルツォのような軽快な音楽。

2019年9月のNHK交響楽団の定期公演から。指揮はパーヴォ・ヤルビ。

トゥビン:交響曲第5番

エストニアの作曲家、エドュアルド・トゥビンが1946年に作曲した、5番目の交響曲。

トゥビンは、1944年にエストニアがソ連に占領されると、スウェーデンに逃れ、その後の人生はストックフォルムで過ごした。

果たして、どんな思い出この交響曲を作曲したのだろうか。

第1楽章は、雄大でダイナミックな音楽。

第2楽章は、静かな音楽。

第3楽章は、リズミカルな軽快な音楽で始るが、最後は壮麗ながら、やや拍子抜けのフィナーレ。

2019年5月のNHK交響楽団の定期演奏会から。指揮は、同郷で友人でもあったネーメ・ヤルヴィ。

2019年8月10日土曜日

ロッシーニ:オペラ『泥棒かささぎ』

ロッシーニが、ミラノのスカラ座のために、1817年に作曲したオペラ。

ロッシーニにしては珍しく、3ヶ月もの期間をかけて、しかも、他の作品からも引用もなく、完全オリジナル作品とした完成させた。

主人公の女中のニネッタが、代官の悪巧みによって苦しめられるが、最後はハッピーエンドを迎える。

題名にある、かささぎ、がこのオペラで重要な役割を占めている。

2017年4月にミラノのスカラ座で行われた、このオペラの200年を記念する特別公演から。指揮は、リッカルド・シャイー。ニネッタ役には、ローザ・フェオーラ。

かささぎ役のダンサーが、オペラの間中、ステージのどこかにいて、オペラの展開を見守っている、というユニークな演出。

2019年8月4日日曜日

メシアン:天の都市の色彩

フランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンが、1963年に作曲した、ピアノと管弦楽のための曲。

1960年代以降、メシアンはキリスト教をテーマにした管弦楽曲を何曲も作曲したが、これもその一つ。

ヨハネの黙示録の描かれた、天国の都市をイメージしたという、いかにもメシアンらしい、現代音楽の調べが奏でられる。

果たして、天国の音楽は、こんな音楽なのだろうか?

2016年4月、ロンドンのバービカンホールでの公演から。指揮はサイモン・ラトル、演奏はロンドン交響楽団。ピアノは、メシアンとも交流があったピアニストのピエール=ロラン・エマール。

リムスキー=コルサコフ:オペラ『皇帝の花嫁』

ロシアの作曲家、ニコライ・リムスキー=コルサコフが、1898年に作曲した、4幕もののオペラ。

イヴァン雷帝の3番目の妃になった直後に、謎の死を遂げたマルファ・ソバーキナを主人公にした作品。

マルファは、裕福なノヴゴルド商人の娘で、結婚式の直前に、母親が飲ませた気付け薬が死の原因であったのではないか、と言われているが、真相は不明。

このオペラでは、マルファは死なないものの、独自の解釈に基づいた愛憎を交えた悲劇が展開されて、最後は毒薬のために正気を失ってしまう。

史実では、イヴァン雷帝は3番目の妃も失ってしまい、その怒りから周囲の人間を粛清したという。

ロシアの伝統的な音楽に彩られた、リムスキー=コルサコフの音楽がなんとも美しい。

2018年11月に行われた、モスクワのボリショイ劇場の公演から。マルファを演じたのは、ソプラノのオリガ・セリヴェルストワ。

2019年6月29日土曜日

チャイコフスキー:オペラ『スペードの女王』

ピュートル・チャイコフスキーが作曲し、1890年に初演されたオペラ。

有名なプーシキンの原作とは、ストーリーが改編されており、その脚本は、弟のモデスト・チャイコフスキーが書いている。

秘密のカードの必勝法を巡り、トランプの賭け事に熱中する主人公のゲルマン、恋人のリーザ、秘密を知る伯爵夫人の3人が繰り広げる愛憎劇。

人間の狂気の世界が、チャイコフスキーの美しくも、闇をも併せ持つ、重厚な音楽によって展開されていく。

2017年のシュトゥットガルト歌劇場の公演は、舞台を現代社会の裏世界に設定し、作品の持つダークな世界が前面に押し出された演出だった。

2019年6月22日土曜日

ロッシーニ:オペラ『ランスへの旅』

ジョアキーノ・ロッシーニが、1825年のフランス国王シャルル10世の戴冠式のために作曲したオペラ。

初演は、カンタータ形式で行われたが、その後、戴冠式の熱が冷めるととともに忘れられ、1970年代以降に再発見されて、現在ではロッシーニの代表的なオペラ作品の一つになっている。

伝統的にランスで行われる国王の戴冠式に出席するため、黄金の百合、というホテルに滞在してる様々な人々の様子が描かれている。

当時のパリで活躍する売れっ子のオペラ歌手たちを総出演させるために、ストーリーはほとんどなく、それぞれの歌手が自慢の歌声を披露する、という内容になっている。

2017年6月に、ローマ国立歌劇場で行われた公演から。舞台をホテルでなく、美術館に設定し、絵の中に描かれた人物が飛び出してくる、というユニークな演出。

2019年6月15日土曜日

ドニゼッティ:オペラ『ランメルモールのルチア』

イタリアの作曲家、ガエターニ・ドニゼッティが、1835年に作曲したオペラ。

スコットランドの作家、ウォルター・スコットが、実際に起こった出来事を元に書いた小説『ラマムアの花嫁』を題材にしたオペラ。

対立する家に生まれながら、互いに愛し合った若いカップルが、政略結婚に巻き込まれてしまう。

最後の、ルチアが婚約者を刺し殺し、狂乱の中で歌い続ける場面が、やはり聞きどころ。

2019年2月のウィーン国立歌劇場の公演は、ルチア役にオルガ・ペレチャツコ、エドガルド役にファン・ディエゴ・フローレス、という2大スターの共演となった。

2019年5月25日土曜日

ビゼー:オペラ『真珠採り』

『カルメン』の作曲で知られるジョルジュ・ビゼーが、1863年に完成させたオペラ。

36歳で亡くなってしまったが、このオペラは24歳の時に書かれている。まさに早熟の天才だった。

耳に残るは君の歌声、神殿の奥深く、などの個別の歌曲が美しく、単独でもよく歌われる。

セイロン島、現在のスリランカの真珠採りの村が舞台となっている悲劇。

とにかく、ビゼーの音楽が素晴らしい。

2012年10月、ナポリのサン・カルロ劇場での公演から。

2019年5月19日日曜日

オペラ:ラモー『イポリットとアリシー』

フランス・バロックの巨匠、ジャン=フィリップ・ラモーが、1734年に完成させたオペラ。

ギリシャの人間と神々の愛憎劇を描いたラシーヌの原作を、オペラ用に改変している。

主要な登場人物が、それぞれの置かれた悲劇や、切ない心情を切々と訴えるアリアが、悲しくも美しい。

じっくりと聞いていると、宗教音楽を聞いているような感覚に襲われる。

バロック音楽の真髄に触れたような気がした。

2018年12月にベルリン国立歌劇場で行われた公演は、舞台装置に現代アートのエラー・エリアソンのデザインした作品が使われており、バロック・オペラと現代アートが融合した、独創的なオペラ公演となった。

指揮はサイモン・ラトル。アリシー役に、アンナ・プロハスカ。フェードル役に、マグダレーナ・コジェナー。イポリット役に、レノー・ヴァン・メヒェレン。演奏は、フライブルク・バロック・オーケストラ。

2019年5月2日木曜日

プーランク:カンタータ『人間の顔』

フランスの作曲家、フランシス・プーランクが、1943年に作曲したカンタータ。

詩人のポール・エリアールが、ナチス占領下のパリで作った同名の詩を元に、壮大なカンタータに仕上げている。

プーランクの古典とモダンさを併せ持った音楽が、エリアールの詩に描かれた世界観を、見事に表現している。

詩に合わせて、8つのパートから構成されているが、最後の自由(Liberte)がとりわけ印象的。

Et par le pouvoir d'un mot
Je recommence ma vie
Je suis ne pour te connaitre
Pour te nommer

そして言葉の力を借りて
私は再び私の人生をやり直す
私はあなたが誰か知らない
(だから)あなたに名前を付ける(自由という名を)

2016年2月のベルリン、フィルハーモニーでの演奏から。指揮はサイモン・ラトル。合唱はベルリン放送合唱団。

2019年5月1日水曜日

ファリャ:オペラ『はかなき人生』

マヌエル・デ・フャリャが、1905年にマドリードの音楽学校の作曲コンクールに応募して、1位を取った2幕物のオペラ作品。

ストーリーは、身分の青年、パコと恋に落ちたヒターノの娘サルーが、パコに裏切られて、裕福な家の娘カルメラとの結婚式に現れて死を遂げるという、スペインらしい悲劇。

ファリャがパリに出た後で、デュカスやドビュッシーに評価されて、1913年にニースで初演されて成功を収めた。

単独で演奏されることは少ないが、劇中で登場するスペイン舞曲などは、ファリャの代表曲として、単独で演奏される。

ほぼ、ソプラノのサルーによる独り舞台、といった印象のオペラだが、悲劇のクライマックスは見応えがある。

2010年にスペインのバレンシア州立歌劇場での公演から。指揮はロリン・マゼール。ソプラノのサルーを演じたのはクリスティーナ・ガイヤルド=ドマス。

2019年4月29日月曜日

シューマン:幻想小曲集(作品73)

ロベルト・シューマンが1849年に作曲した室内楽曲。

オリジナルでは、クラリネットとピアノのための曲だが、ヴァイオリンやチェロのためにも編曲されている。

3つのパートから成り立っている10分ほどの小曲だが、ロマン派としてのシューマンの音楽がよく表れている。

2018年12月にローマの聖チェーリア・ホールでの、別府アルゲリッチ音楽祭inローマでの演奏から。アルゲリッチとマイスキーによる演奏。

ハンス・ロット:交響曲第1番

25歳という若さで惜しくも世を去ったハンス・ロットが、1880年に完成させた最初の交響曲。

ブルックナーにオルガンを師事し、2歳年下のマーラーとは音楽学校の学友だった。この二人はロットの音楽を高く評価していた。

後年のマーラーの交響曲第1番には、この曲からの引用が多いという。

第1楽章。ダイナミックなオーケストレーションは確かにマーラーを連想させる。

第2楽章。静かな音楽で、これもマーラーを連想させる。

第3楽章。この楽章の出だしの部分と最後のパートは、取り分けマーラーが引用したことがよく分かる。

第4楽章。この楽章でも、特に最後のクライマックスの壮大な音楽を聴くよ、マーラーがそのモチーフの多くをロットに負っていたことがよくわかる。

NHK交響楽団の定期演奏会から。指揮は、パーヴォ・ヤルヴィ。

シュトラウス:ヴァイオリン協奏曲

リヒャルト・シュトラウスが、1861年から1862年に作曲した、最初のヴァイオリン協奏曲。まだわずか18歳であった。

3つの楽章からなる。特に最初の楽章は、将来のシュトラウスらしい音楽の片鱗が現れている。

他のシュトラウスの作品に比べると、演奏される機会はほとんどない。

NHK交響楽団の定期演奏会から。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。ヴァイオリンは、アリョーナ・バーエワ。

ルクレール:2つのバイオリンのためのソナタ

18世紀に活躍した、ジャン=マリー・ルクレールが作曲した、珍しい2台のヴァイオリンのためのソナタ。

ルクレールは、リヨンに生まれ、トリノでヴァイオリンとダンスを学び、フランスに戻り、ルイ15世の宮廷で活躍しながら、最後は、惨殺されて命を落とすという、まさに波乱万丈な人生を送った。

いわゆるバロック音楽の時代の曲だが、このヴァイオリン・ソナタは、時代を超えて、人々に訴えかける何かを持っているような気がする。

2018年12月にローマの聖チェーリア・ホールでの、別府アルゲリッチ音楽祭inローマでの演奏から。ヴァイオリンは、竹澤恭子と豊嶋泰嗣。

2019年4月21日日曜日

ヴェルディ:オペラ『アッティラ』

ジュゼッペ・ヴェルディが、1846年の2月に完成させた、9作目のオペラ。

古代ローマに進行して、当時のローマを大混乱に陥れた、フン族のアッティラを主人公に、そのアッティラに父を殺された娘の復讐劇、初演されたヴェネツィアのフェニーチェ劇場にちなんだ、ヴェネツィア建国の物語も絡めた、スケールの大きな内容。

ミラノ・スカラ座の2018/2019年シーズンのオープニング公演で、イタリア大統領も鑑賞し、華やかな雰囲気の中で行われた。

ベルリオーズ:交響曲『イタリアのハロルド』

フランスの作曲家、エクトル・ベルリオーズが、1834年6月に完成させた、ヴィオラ独奏付きの交響曲。

ヴァイオリンの名手、パガニーニにヴィオラのための管弦楽曲を依頼されたベルリオーズが、パガニーニを満足させる曲を作れずに、最後はヴィオラ独奏付きの交響曲に落ち着いたという話が伝わっている。

イギリスの詩人、バイロンの長編詩『チャイルド・ハロルドの巡礼』にインスピレーションを得て作られており、4つの楽章にはそれぞれ場面を表す表題が付いている。

ヴィオラは、この曲の名では主人公のハロルドの役を演じている。

この長編詩はイタリアが舞台だが、ベルリオーズもローマ賞を受賞してイタリアを訪れており、その時の経験が作曲にも活かされている。

イギリス人のバイロン、フランス人のベルリオーズ、二人のイタリア趣味が混じり合った作品とも言える。

幻想交響曲と同じようなメロディが、所々で登場する。

2019年1月のNHK交響楽団の定期公演から。ヴィオラ演奏は佐々木亮、指揮はトゥガン・ソヒエフ。

2019年3月30日土曜日

ストラヴィンスキー:葬送の歌

ストラヴィンスキーが、1908年の6月に亡くなったリムスキー=コルサコフのために作曲した追悼の曲。

ストラヴィンスキー自らが、初期の傑作、と位置付けていたが、出版されなかったためか、楽譜が紛失し、2015年になった発見された。

まだ後年のストラヴィンスキーのスタイルは確立していない時期で、この曲を捧げたコルサコフの影響が感じられる曲。

2016年12月、モスクワのマリインスキー劇場で、ゲルギエフの指揮の元で、マリインスキー歌劇場管弦楽団により演奏された。

2019年3月10日日曜日

パーセル:オペラ『インドの女王』

17世紀のイギリスの作曲家、ヘンリー・パーセルが、作曲を始めながら、36歳という若さで亡くなったため未完に終わったオペラ。弟のダニエル・パーセルが完成させた。

インドの女王とあるが、舞台はメキシコ。新大陸の発見の時代は、ヨーロッパではアメリカ大陸をインドだと考えていた。

メキシコの女王の地位についたセンポアラが、破滅して自ら命を絶つまでを描いた悲劇。

ピーター・セラーズの大胆な演出で、舞台芸術をアーティストのゲロングが担当、クリストファー・ウィリアムスのダンスと合間って、総合芸術としてのオペラの魅力が最大限に発揮されている。

2013年、マドリードのテアトロ・レアルで行われた公演から。指揮は、テオドール・クルレンツィス。

2019年2月24日日曜日

ターネジ:スペランツァ

イギリスの現代音楽の作曲家、マーク=アンソニー・ターネジが作曲した、管弦楽用の音楽。

ジャズの影響が冒頭から如実に表れている。

途中で、映画『ゴッドファーザー』からの引用などもあり、いかにも現代的な音楽。

2014年5月にスウェーデンのストックホルムで行われた、スウェーデン放送交響楽の演奏から。指揮はダニエル・ハーディング。

2019年2月23日土曜日

エルガー:交響曲第2番

イギリスの作曲家、エドワード・エルガーが1910年から1911年にかけて作曲した2番目の交響曲。

エルガーは、第3番を完成させずに亡くなってしまったため、この交響曲が最後の交響曲となった。

1910年にイギリス国王のエドワード7世が亡くなっており、その追悼に捧げられた。

第1楽章、アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・ノビレメンテ。雄大なイメージの音楽。

第2楽章、ラルゲット。情感がたっぷりの音楽。

第3楽章、ロンド、プレスト。コミカルな軽々な音楽。

第4楽章、モデラート・エ・マエストーソ。再び、エルガーらしいダイナミックな音楽。

2017年7月、BBCプロムス2017でのシュターツカペレ・ベルリンの演奏。指揮はバレンボイム。

2019年2月16日土曜日

ブリテン:弦楽四重奏曲第2番

イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンが、1945年に作曲した2番目の弦楽四重奏曲。

第1楽章、Allegro calmo senza rigore。

第2楽章、Vivace。

いずれの楽章とも、古典的な音楽と、モダンな音楽が混在している。

第3楽章、Chacony。

この年は、パーセル没後250年を記念する年だった。第3楽章は、そのパーセルのシャコンヌからヒントを得ている。

途中、ヒチコックの映画『サイコ』のサウンドトラックのような音楽が現れる。

2014年6月、ベルチャ弦楽四重奏団によるパリでの演奏から。

ブリテン:弦楽四重奏曲第1番

イギリスの作曲家、ベンジャミン・ブリテンが、1941年に作曲した最初の弦楽四重奏曲。

第1楽章、Andante sostenuto: Allegro vivo。

第2楽章、Allegretto con slancio。

第3楽章、Andante calmo。

第4楽章、Molto vivace。

モダンな音楽が展開するが、第3楽章だけが、優雅な古風な印象を与える。

2014年6月、ベルチャ弦楽四重奏団によるパリでの演奏から。

リゲティ:弦楽四重奏曲第1番『夜の変容』

ルーマニアのトランシルヴァニア生まれの作曲家、リゲティ・ジュルジュ・シャーンドルが、1953年から1954年にかけて作曲した、最初の弦楽四重奏曲。

4つのパートから構成されているが、切れ目なく演奏される。

当時、リゲティはハンガリーに暮らしていたが、1956年のハンガリー動乱の後、ウィーンに亡命することになる。

音楽は、いわゆるリゲティらしい大胆な内容だが、時折、穏やかな表情も見せている。

2017年10月、ベルリンのピエール・ブーレーズ・ザールでの演奏から。

グラズノフ:交響曲第7番『田園』

ロシアの作曲家、アレキサンドル・グラズノフが1901年から1902年にかけて作曲した、7番目の交響曲。

第1楽章:アレグロ・モデラート。

表題のような、田園を連想させる、伸びやかな音楽。

第2楽章:アンダンテ。

ファンファーレの厳かな雰囲気で始まる。

第3楽章:スケルツ、アレグロ・ジョコーソ

第4楽章:フィナーレ、アレグロ・マエストーソ

ゆったりとしたフィナーレ。

全体として、可もなく不可もなくといった、特徴のあまりない音楽のように感じた。

2018年12月のNHK交響楽団の定期公演から。指揮はアレクサンドル・ヴェデルニコフ。

2019年2月3日日曜日

アイヴス:交響曲第2番

チャールズ・アイヴスが、イェール大学在学中の1897年から1902年にかけて作曲した、2番目の交響曲。

アイヴスは、保険代理店の社長を務めながら、作曲活動もしていたという、ユニークな経歴を持っている。

5つの楽章で構成されているが、1楽章(アンダンテ・モデラート)と2楽章(アレグロ・モルト)、4楽章(レンソ・マエストーソ)と5楽章(アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ)は続けて演奏される。

その間の第3楽章(アダージョ・カンタービレ)は、短いながら、叙情性に満ちた音楽。

全体的に、伸びやかで、穏やかな、アメリカの広大な平原をイメージできるような音楽。

ただし、フィナーレはやや唐突で、違和感を感じる終わり方。そこはとても残念だ。

2018年11月に行われた、NHK交響楽団の定期演奏会から。

コープランド:オルガンと管弦楽のための交響曲

アーロン・コープランドが、パリに暮らしていた1921年から1924年にかけて作曲した、オルガンと管弦楽のための交響曲。

アメリカでは、クラシック音楽の世界においては、ドイツの影響が大きかったが、第一次世界大戦で対戦国となったことから、戦後にはその影響力が薄れ、フランスに対する関心が強くなっていた。

コープランドもその流れを受けて、パリでフランスの音楽を学んでいた。

3つの楽章から構成され、コープランドは後にこの曲を再構成し、交響曲第1番としている。

第1楽章:プレリュード。静かな音楽。

第2楽章。ファンファーレのような、華やかな音楽。

第3楽章。不安を掻き立てるような音楽で始まる。やがて、ショスタコーヴィッチの交響曲のような、壮大だが不安定なバランスの音楽になる。

2018年11月に行われた、NHK交響楽団の定期演奏会から。