2017年12月31日日曜日

バッハ:クリスマス・オラトリオ

ヨハン・セバンスティアン・バッハが、1734年に作曲した、クリスマス用のオラトリオ。

64曲が6つのパートに分かれて構成されている。

初演時は、ライプツィヒの聖トマス教会と聖ニコライ教会において、12月25日から1月6日にかけて演奏された。

どこかで聞いたことのあるような、バッハらしい音楽が満載。

第1部の第5曲は、とりわけ美しい。

私は、初演が行われたというこの2つの教会を訪れたことがあるが、どちらも決して第教会というわけではなく、こじんまりとした町の教会という印象だった。

初めて、この曲が演奏された時の教会は、どのような雰囲気で、当時の人々は、どのようにこの曲を受け入れたのだろうか?

2011年12月にドレスデンのブラウエン教会で行われた演奏から。指揮は、クリスティアン・ティーレマン。演奏は、シュターツカペレ・ドレスデン及びドレスデン・フラウエン教会室内合唱団。

2017年12月24日日曜日

コダーイ:ブダ城のテ・デウム

ハンガリーの作曲家、コダーイ・ゾルターンが、1936年に発表したテ・デウム。キリスト教の賛美歌。

ハンガリーが、オスマン帝国から独立した年から、250年を記念する式典のために、ハンガリー政府がコダーイに作曲し、作られた曲。

宗教音楽で、しかも政府の式典用音楽ということもあり、音楽はオーソドックスで、壮麗な宗教音楽というイメージ。

しかし、コダーイのダイナミックな音楽の要素も感じられる。

2017年のプロムスの演奏から。

2017年11月4日土曜日

バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント

バルトークが、1939年8月に作曲した、弦楽オーケストラのためのディヴェルティメント。

第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ。

バルトークらしい、不安に駆られるような、重々しい雰囲気。

第2楽章 モルト・アダージョ。

第3楽章 アレグロ・アッサイ。

目まぐるしい展開の後に、突然、終わりを迎える。

ディヴェルティメントという古典的な音楽形式と、バルトークが研究を重ねた民族音楽の要素を取り入れた、バルトーク音楽を代表する曲になっている。

2017年9月に行われた、NHK交響楽団の定期演奏会から。

2017年11月3日金曜日

モーツァルト:オペラ『皇帝ティートの慈悲』

モーツァルトが、1791年に作曲したオペラ。この年にモーツァルトは命を落としている。

神聖ローマ皇帝、レオポルド2世のボヘミア国王の戴冠式に合わせて、プラハで上演された。

古代ローマの皇帝で、ユダヤ戦争を指揮してイスラエルを鎮圧した一方で、ベスビオス火山が噴火した際に、懸命に救助に注力した、ティートを中心とした物語。

大胆な演出で知られているピーター・セラーズは、オペラの舞台を現代のテロに怯える現代社会に設定し、皇帝ティートが自分の命を狙った暗殺者に与える慈悲から、現代における慈悲の意味とは何かを、聴衆に問いかけている。

明るく楽しいモーツァルトのイメージとは、まるで違った趣のオペラに仕立てられている。

2017年にザルツブルク音楽祭での公演から。

2017年10月29日日曜日

スクリャービン:交響曲第2番

スクリャービンが、1901年に作曲した2番目の交響曲。

スクリャービンは、1900年以降、ニーチェの思想や、神智学などの神秘思想に深い影響を受けるようになるが、この交響曲には、まだロシアの伝統的な交響曲の色彩が強い。

アンダンテ、
アレグロ、
アンダンテ、
テンペストゥオーソ、
マエストーソ、という5つの楽章で構成されている。

最終楽章のダイナミックな音楽からのフィナーレは、実に壮麗で、素晴らしい。

2017年2月のNHK交響楽団の定期演奏会から。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番

ラフマニノフが、1926年にフランス滞在中に完成させた、4番目のピアノ協奏曲。

1917年にロシアを離れる以前、1914年にスケッチは書かれていた。

その後、何度か改定されて、最終版が出版されたのは、ラフマニノフの死後、1944年のことだった。

第1楽章、アレグロ・ヴィヴィアーチェ。めまぐるしく音楽の印象が変わり、まとまりのない印象。

第2楽章、ラルゴ。ラフマニノフらしい、哀愁に満ちた音楽。

第3楽章

突然、それまでとの音楽の基調が変わり、スピーディーな展開に。ジャズの影響が感じられる。

2017年2月のNHK交響楽団の講演から。ピアノは、デニス・コジュヒン。

2017年9月30日土曜日

フランコ・ファッチョ:オペラ『アムレート(ハムレット)』

イタリアのフランコ・ファッチョの作品で、1865年に初演されたオペラ。

フランコ・ファッチョは、19世紀後半にミラノを中心に活躍し、指揮者としてもヴェルディ作品などを演奏し、自ら作曲も行った。

音楽も、ヴェルディの影響を大きく受けており、ヴェルディ風のハムレットと行ったところ。

オフェーリアの埋葬のシーンなどの音楽のダイナミックさは、とりわけ素晴らしい。

ハムレット、オフェーリア、クラウディオなどのシェークスピアの彫刻作品のような人物造形は、ヴェルディのような劇的な音楽には、実にぴったりとはまる。

143年もの間、上演されなかったことが信じられないくらいの、素晴らしい作品。

ただし、クライマックが盛り上がりに欠けて、その辺が、長く演奏されなかった原因かもしれない。

他にも、こうした埋もれてしまった作品は、数多くあるのだろう。

2016年のブレゲンツ音楽祭での演奏から。

2017年9月23日土曜日

リゲティ:弦楽四重奏曲第2番

リゲティが、1968年に作曲した2番目の弦楽四重奏曲。

I. Allegro nervoso
II. Sostenuto, molto calmo
III. Come un meccanismo di precisione
IV. Presto furioso, brutale, tumultuoso
V. Allegro con delicatezza

終始、独特の緊張感の中で音楽が展開されていく。

IIIのピチカートは、最初はそうとは気づかないほど、不思議な音楽に聞こえる。

2017年6月、NHKスタジオでのアルディッティ弦楽四重奏団による演奏。

バルトーク:弦楽四重奏曲第3番

バルトークが、1927年に作曲した、3番目の弦楽四重奏曲。

単一の楽章からなるが、
Moderato
Allegro
Recapitulazione della prima parte
Coda
という緩急の反転した4つのパートから構成されている。

バルトークの他の音楽と同様に、何かの不安に駆られたような、バランスが崩れていくような感覚の音楽。

2017年6月、NHKスタジオでのアルディッティ弦楽四重奏団による演奏。

2017年7月17日月曜日

ブーレーズ:シュル・アンシーズ

ピエール・ブーレーズが、1996年〜1998年にかけて作曲した曲。

3つのピアノ、3つのハープ、3つのパーカッション・クラヴィーアのための。という副題が付いている。

シュトックハウゼンの3つのオーケストラを使った音楽に触発されたのだろうか。

ピアノとハープとパーカッション、という組み合わせがユニーク。

2017年3月にベルリンで行われた、ピエール・ブーレーズ・ホールのこけら落とし公演の冒頭で、バレンボイムの指揮により、演奏された。

ベルク:ピアノ バイオリンと13の管楽器のための室内協奏曲

アルバン・ベルクが、1923年〜1925年にかけて作曲した、ピアノとバイオリンと13の管楽器のための室内協奏曲。

4つの部分から構成されているが、内容は、ベルクが構想を練りに練っていることが感じられる。

モットー。最初に、シェーンベルク、ウェーベルン、そしてベルクのイニシャルから取られた動機が演奏される。

第1楽章 スケルツォ風主題と変奏曲。

ヴァイオリンはほとんど登場せず、ピアノによりリードされる楽章。

5つの変奏には、すべてベルクの友人の名前が付いている。

第2楽章 アダージョ。

この楽章では、ヴァイオリンがリードする

第3楽章 序奏とロンド・リトミコ。

ベルクらしい、エキセントリックな音楽だが、最後は静かに終わる。

2017年3月にベルリンで行われた、ピエール・ブーレーズ・ホールのこけら落とし公演の冒頭で、バレンボイムの指揮により、演奏された。

モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番

モーツァルトが、1785年〜1786年にかけて作曲したピアノ四重奏曲。

第1番のすぐ後に作曲されたが、こちらは全体的に穏やかな曲になっている。

第1楽章 アレグロ。

第2楽章 ラルゲット。静かで瞑想的な音楽。

第3楽章 アレグレット。軽やかで華やかな音楽。

2017年3月にベルリンで行われた、ピエール・ブーレーズ・ホールのこけら落とし公演の冒頭で、バレンボイムのピアノなどにより、演奏された。


シューベルト:岩の上の羊飼い

シューベルトの最後の歌曲の一つ。

ピアノの他に、クラリネットが伴奏についている。

3つの詩を組み合わせて、一つの歌曲として構成されている点がユニーク。

クラリネットの伸びやかな音楽が、効果的に使われている。

2017年3月にベルリンで行われた、ピエール・ブーレーズ・ホールのこけら落とし公演の冒頭で、バレンボイムのピアノなどにより、演奏された。

ブーレーズ:イニシャル

ピエール・ブーレーズが、1987年に作曲した、7つの管楽器のための音楽。

5分ほどの小品だが、音楽の印象は、意外に古典的。

2017年3月にベルリンで行われた、ピエール・ブーレーズ・ホールのこけら落とし公演の冒頭で、バレンボイムの指揮により、演奏された。

2017年6月25日日曜日

ニールセン:クラリネット協奏曲

デンマークの作曲家、ニールセンが1928年に完成させた、クラリネットのための協奏曲。

ニールセンにとっては、オーケストラのために書いた、最後の曲となった。

ニールセンは、親しかったデンマーク弦楽五重奏団のために、それぞれの楽器の協奏曲を書く約束をした。

フルート協奏曲の次に作曲したのが、このクラリネット協奏曲で、残念ながら、その2曲しか作曲することはできなかった。

単独の楽章で構成されているが、4つのパートに分かれている。

現代音楽と古典の間をすれすれに通り過ぎているような、実にユニークな音楽。

諧謔的な貴重も見られ、何となく、ショスタコーヴィチの交響曲を連想させる。

2015年6月に、コペンハーゲンのDRホールで行われた、ニールセン生誕150年ガラの演奏から。

クラリネットは、オリ・レポニエミ。ファンホ・メナ指揮、デンマーク国立交響楽団の演奏。

2017年6月18日日曜日

ヘンデル:オペラ『クセルクセス』

1738年に初演された、ヘンデルのオペラ。

古代ペルシャの征服王、クセルクセスを中心に、その婚約者や弟とその恋人などが絡んだ、恋の愛憎劇。

第1幕で歌われるアリア、オンブラ・マイ・フはとりわけ有名で、単独のアリアで現在でもよく歌われる。

歴史にテーマを取ったオペラだが、内容は、いつの時代でも起こりがちな恋のドラマになっている。

音楽は、極めてオーソドックス。愛憎劇だけに、ロマンティックなもの、ダイナミックなものと様々。

2017年1月、ドイツのフランクフルト歌劇場での公演から。

2017年6月3日土曜日

陳銀淑:オペラ『不思議の国のアリス』

韓国生まれの陳銀淑(チン・ウンスク)が、ルイス・キャロルの不思議の国のアリスを、オペラに仕立てた作品。

陳銀淑は、リゲティに音楽を学んでいた。

さぞかし、凄まじい不思議の国のアリスになるのかな、と思いきや、テーマが子供向けとあってか、音楽はやや大人しい。

しかし、クライマックスが近づくにつれて、音楽が次第にエキセントリックになっていき、現代のオペラとして楽しめた。

ストーリーは、原作にほぼ忠実で、時計を持ったウサギ、トランプ国の女王など、お馴染みのキャラクターが登場する。

2007年6月に行われた、ミュンヘン・オペラ・フェスティバルからの演奏。指揮は、ケント・ナガノ。アリス役は、サマー・マシューズ。

2017年5月14日日曜日

カレル・フサ:プラハ1968年のための音楽

チェコの作曲家、カレル・フサが、1968年のプラハの春に怒りを覚えて作曲した曲。

その翌年に編曲された管弦楽版。

第1楽章、序章とファンファーレ。

第2楽章、アリア。

第3楽章、間奏曲。

第4楽章、トッカータとコラール。

楽章の名前を見ると、伝統的な音楽のようだが、テーマがテーマ的に、音楽は、前提的に陰鬱で、怒りに満ちているように聞こえる。

2017年1月のNHK定期演奏会から。指揮は下野竜也。

マルティヌー:リディツェへの追悼

チェコの作曲家、ボフスラフ・マルティヌーが、1943年に作曲した曲。

ナチスによって、親衛隊長の暗殺の報復として、村人が虐殺あるいは強制収用所に連行され、焼き尽くされて消滅したチェコのリディツェ村への追悼曲。

凄惨な事件とは裏腹に、音楽は静かで、ひたすら美しい。

人間という生物は、これ以上もない残忍なことを行うと同時に、これ以上もない美しい音楽を作ることができる、ということなのか。

2017年1月のNHK定期演奏会から。指揮は、下野竜也。

2017年5月6日土曜日

ベルク:オペラ『ヴォチェック』

アルバン・ベルクが、1922年に完成させた、3幕のオペラ。

ベルクは、1914年にこの戯曲を見て作曲を開始したが、途中で第1次世界大戦が勃発し、ベルクも従軍を余儀なくされて中断。戦後に再開し、1922年に完成させた。

オリジナルの戯曲の内容もさることながら、この従軍の体験が、オペラのダークな内容に大きな影響を与えたようだ。

ストーリーは、実話に基づいていて、下級軍人のヴォチェックが、浮気をした情婦のマリーを殺す様子が描かれる。

当時の不穏な時代を背景に、ヴォチェックを軸に、人間の狂気が描かれた、悲劇的なオペラの傑作。

2010年にボリショイ・オペラの公演から。

2017年4月16日日曜日

ジャック・ヘギー:オペラ『白鯨』

アメリカの作家、ハーメン・メルビルの小説『白鯨』をオペラ化したもの。

ジャック・ヘギーは、映画『デッドマン・ウォーキング』などを作曲している。

グレゴリー・ペックが主役のエイブラハム船長を演じた映画はよく知られているが、オペラ版もなかなかのものだ。

人間の狂気を体現したようなエイブラハム船長と、その意思に引きづられていく船員たち。そしてその前に超然と立ちはだかり、それを破壊する神、あるいは自然の象徴としての白鯨、モービー・ディック。

この世の狂気と悲劇の世界が、見事なオペラに仕立て上げられている。

音楽は、ややポピュラーな内容で、どうしても、映画音楽のように聞こえてしまった。

現代の文学作品を、オペラにしていく可能性を、十分に感じさせる作品だった。

2012年10月のサンフランシスコ歌劇場での公演から。

2017年4月15日土曜日

レスピーギ:交響詩『ローマの祭』

イタリアの作曲家、オットリーノ・レスピーギが、1928年に作曲した交響詩。

ローマの噴水、ローマの松に続く、ローマ三部作の最後の曲。

レスピーギは、作曲を始める前に、すでに構想を煮詰めに煮詰めていたのだろう。わずか9日間で作曲を完成させたという。

第1曲、チルチェンセス

暴君である皇帝ネロが、大闘技場で開催した祭。キリスト教の奴隷を猛獣の生贄とした残酷な祭。

音楽は、ネロの残酷さをダイナミックな音楽で、対するキリスト教徒の祈りを壮麗な音楽で表現している。

第2曲、五十年祭

中世の祭の一つで、教会による恩赦が行われた祭。

第3曲、十月祭

ブドウ畑が広がる、カスティリ・ロマーノ地方のルネサンスの祭。音楽もどこか牧歌的。

第4曲、主顕祭

20世紀のローマ、ナヴォナ広場で開催される祭。東方三博士がキリストの誕生を祝うためにベツレヘムを訪れたことにちなむお祭り。

現代の祭ということもあり、音楽は、様々な音色が喧騒する現代音楽風。

この曲は、1929年にトスカニーニの指揮でニューヨーク・フィルによって初演された。

トスカニーニは、同じイタリア人であったレスピーギの曲を数多く取り上げて演奏し、レスピーギのアメリカでの人気を作り上げた指揮者だった。

2017年1月のNHK交響楽団の定期演奏から。指揮は、ヘスス・ロペス・コボス。

レスピーギ:教会のステンドグラス

イタリア、ボローニャ生まれのオットリーノ・レスピーギが、1925年に完成させた4つの楽章から成る管弦楽曲。

4つの楽章には、キリスト教に所縁の場面が名付けられており、音楽もその場面を連想させるような描写になっている。

4枚の教会のステンドグラスを、4つの楽章に見立てた、ユニークな着想の音楽。

第1曲、エジプトへの逃避

冒頭から哀愁に満ちたメロディが奏でられる。サンクトペテルブルク時代に直接教えを受けた、リムスキー=コルサコフの音楽を連想させる。

第2曲、大天使 ミカエル

大天使ミカエルが龍などの怪物と戦うシーン。往年のハリウッドのスペクタル映画にぴったり合いそうな、勇壮な音楽。

第3曲、聖クララの朝の祈り

アッシジの聖フランチェスコの弟子の一人、病身の聖クララにまつわるエピソード。静かな祈りの音楽。

第4曲、偉大なる聖グレゴリウス

パイプオルガンも登場する、聖グレゴリウスを讃える壮麗なフィナーレ。

2017年1月のNHK交響楽団の定期演奏会から。指揮は、ヘスス・ロペス・コボス。

レスピーギ:グレゴリオ風の協奏曲

イタリアの作曲家、レスピーギが1921年に完成させた、ヴァイオリン協奏曲。

グレゴリオ風という言葉にある通り、レスピーギのグレゴリオ音楽への関心の高さが伺える音楽。

3つの楽章の随所に、中世の教会音楽を思わせる旋律が登場する。

2017年1月のNHK交響楽団の定期公演から。ヴァイオリンはアルベナ・ダナイローヴァ、指揮はヘスス・ロペス・コボス。

2017年3月25日土曜日

モーツァルト:協奏交響曲

モーツァルトがパリ滞在中の1778年に作曲した、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットのための協奏交響曲。

第1楽章、アレグロ。

第2楽章、アダージョ。

第3楽章、アンダンティーノ・コン・ヴァリッツィオーネ。

モーツァルトの真作がどうか、議論のある曲のようだが、要所要所に、いかにもモーツァルトらしいフレーズが聞こえてくる。

国連の世界人権デー2016の特別コンサートから。

イスラエルと中東諸国からの若者で構成される、ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケルトラの演奏。指揮はダニエル・バレンボイム。

ハイドン:チェロ協奏曲第2番

フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが、1765年から1767年頃にかけて作曲した、最初のチェロ協奏曲。

第1楽章、モデラート。明るく華やかな印象の音楽。

第2楽章、アダージョ。

第3楽章、アレグロ・モルト。軽快で流れるような音楽。チェロの演奏レベルも高そう。

国連の世界人権デー2016の特別コンサートから。

イスラエルと中東諸国からの若者で構成される、ウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケルトラの演奏。指揮はダニエル・バレンボイム。

チェロは、イラン人を両親に持つ、キアン・ソルタニ。

2017年3月20日月曜日

ドニゼッティ:オペラ『ラ・ファヴォリータ』

1840年にパリのオペラ座で初演された、ドニゼッティのオペラ。

有名なサンティアゴ・デ・コンポステーラを舞台に、カスティーリャ王のアルフォンソ11世とその愛人レオノーラ、レオノーラに恋する修道士のフェルナンド、修道長のバルダッサーレが、宮廷と教会を舞台に繰り広げる、愛と政治に彩られた悲劇。

オリジナルはフランス語だが、通常はイタリア語で演奏される。

2016年のバイエルン国立歌劇場での公演は、ゲスト・ソプラノにエリーナ・ガランチャ、指揮者のその夫のカレル・マーク・チチョンを迎え、オリジナルのフランス語版での上演。

クライマックスで、レオノーラが国王の愛人であることがフェルナンドに告げられる場面、そして最後にそのレオノーラが虚しく死んでしまうシーンは、とりわけ劇的な音楽。

2017年2月25日土曜日

ヤナーチェク:オペラ『イェヌーファ』

オーストリアの領土だった、チェコのモラヴィア生まれのレオシュ・ヤナーチェクが、1903年に完成させたオペラ。

セリフは、モラヴィア地方の方言で語られ、ヤナーチェクはその言葉のイントネーションに合う音楽を作り出した。

オペラの題名にもなっている、モラヴィアの農村に住む、主人公の若い女性イェヌーファに訪れる、様々な悲劇を描いている。

何よりも、ヤナーチェクの多彩な音楽が、実に美しい。

2014年2月のベルリン・ドイツ・オペラの公演から。

2017年1月9日月曜日

ラフマニノフ:徹夜祷

ラフマニノフが、1915年に作曲した、ギリシャ正教会で徹夜で行われる徹夜祷のための音楽。

合唱のみで構成され、器楽部分はない。

ラフマニノフは、経験なギリシャ正教徒ではなかったという。

純粋な宗教音楽だが、この2年前にラフマニノフは合唱交響曲『鐘』を作曲しており、何となく雰囲気が似ている。

1917年にボルシェビキによる革命が起こってからは、長く演奏されることはなかったという。

2013年10月、モスクワ国立合唱団による東京オペラシティーでの演奏。

ブリテン:セレナード

イギリス人のベンジャミン・ブリテンが、1943年に作曲した歌曲集。

冒頭に、短いホルンのソロパートがあり、その後に、6つの歌曲が続く。

歌曲の詩は、ブレイクやテニスンなどの詩が使われている。

6つの曲は、それぞれ多彩で、どれも楽しめる。

2016年11月、ダニエル・ハーディング指揮、パリ管弦楽団とテノールのマーク・パドモアによる東京での演奏から。

ブリテン:4つの海の間奏曲

イギリス人のベンジャミン・ブリテンが作曲し、1945年に初演されたオペラ『ピーター・クライズム』の間奏曲をまとめ、管弦楽用にアレンジしたもの。

夜明け、日曜の朝、月光、嵐、という4つの曲から構成される。

オペラを知っている人は、その内容を思い出すことができるが、知らなくても、音楽を十分に堪能できる。

音楽は実に素直というかオーソドックスで、4つの曲の名前から連想されるようなわかりやすい曲になっている。

終わり方も劇的で、オペラの間奏曲からの抜粋と全く感じられないほど、独立した音楽になっている。

2016年11月、ダニエル・ハーディング指揮、パリ管弦楽団による東京での演奏から。

2017年1月7日土曜日

ブリテン:弦楽四重奏曲第3番

ベンジャミン・ブリテンが、1975年に作曲した、3番目の弦楽四重奏曲。

第2番からは、およそ30年が立っている。しかも、1976年にはブリテンは亡くなっており、最晩年の作品。

内容は、前の2つの作品より、よりモダンな内容になっている。

第1楽章、二重奏(デュエッツ)。

第2楽章、オスティナート。

第3楽章、独奏(ソロ)。

第4楽章、ブルレスケ。

第5楽章、レティタチーヴ&パッサカリア。

2014年6月、ベルチャ四重奏団によるパリでの演奏。

ブリテン:弦楽四重奏曲第2番

ベンジャミン・ブリテンが、1945年に作曲した、2番目の弦楽四重奏曲。

第1楽章、アレグレット・カルモ・センツァ・リゴーレ。

スタイリッシュな音楽。

第2楽章、ヴィヴィアーチェ。

ヴィヴィアーチェというよりも、ドラマチックな音楽。

第3楽章、シャコニー ソステヌート。

終始、静かな雰囲気で進む。最後のリフレインが印象的。

2014年6月、ベルチャ四重奏団によるパリでの演奏。

ブリテン:弦楽四重奏曲第1番

ベンジャミン・ブリテンが、1941年に作曲した、最初の弦楽四重奏曲。

第1楽章、アンダンテ・ソステヌート。

不協和音のような現代的な音楽。

第2楽章、アレグレット・コン・スランチオ。

短く、あっという間に終わってしまう。

第3楽章、アンダンテ・カルモ

アンニュイな雰囲気に満ちている。チェロが奏でる音楽が実に美しい。

第4楽章、モルト・ヴィヴァ-チェ。

基調は、再び第1楽章に戻り、

全体的にモダンな音楽で、威風堂々のブリテンとは、全く違った印象で面白い。

2014年6月、ベルチャ四重奏団によるパリでの演奏。