ファリャが、パリ滞在中の1909年から、スペインに帰国した1915年にかけて作曲した曲。
始めは、ピアノ用の曲を作ろうとしたが、献呈するつもりだったピアニストからのアドバイスを受けて、最終的にはピアノ協奏曲のような形式となった。
構成は、ヘネラリーフェにて、はるかな踊り、コルドバの山の上にて、という3つの部分から構成されている。
あきらかに、ドビュッシー、ラヴェルなどからの影響が感じられる。
それにしても、”交響的印象”とは良く言ったもので、何でもどこかのジャンルに分類したがる、音楽界の悪い傾向が、良く表れている。
2013年、ナントで行われたフォルジュルネの演奏から。ピアノは、ルイス・フェルナンド・ペレス。管弦楽は、ジャン=ジャック・カントロフの指揮、シンフォニア・ヴァルソヴィア。
2014年4月27日日曜日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第15番
ベートーヴェンが、1825年に完成させた、ヘ短調の弦楽四重奏曲。
ベートーヴェンは、1824年にはこの曲のスケッチを書き上げていたが、途中、死の危険を伴う病気をし、奇跡的に回復した。
当初は、古典的な4楽章の構成だったが、第3楽章に、その回復を神に感謝した音楽を加えて完成させた。
第1楽章は、Assai sostenuto - Allegro。冒頭に、静かな音楽が置かれ、続いて、アレグロの音楽となる。
第2楽章は、Allegro ma non tanto。耳に心地よい、軽快な明るい音楽。
第3楽章は、"Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart" Molto Adagio - Andante。
リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌。と題された、特別な楽章。
自分の苦しい病を表したようなアダージョと、そこから回復した喜びを表すようなアダージョで構成され、それが繰り返される。
リディア旋法とは、教会旋法の一つで、この楽章全体が、教会音楽のように、敬虔な雰囲気をたたえた音楽になっている。
第3楽章は、Alla Marcia, assai vivace。第3楽章の敬虔さを振り払うかのような、明るく軽快な音楽。
第4楽章は、Allegro appasionata - Presto。哀愁を帯びたメロディで始まる。次第に、音楽は文字通り、激情的になっていく。
この曲は、第3楽章を除いて、イ短調、イ長調、イ長調、イ短調、というベートーヴェンにしては実にシンプルな構成になっており、全体としてのまとまりを感じる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ベートーヴェンは、1824年にはこの曲のスケッチを書き上げていたが、途中、死の危険を伴う病気をし、奇跡的に回復した。
当初は、古典的な4楽章の構成だったが、第3楽章に、その回復を神に感謝した音楽を加えて完成させた。
第1楽章は、Assai sostenuto - Allegro。冒頭に、静かな音楽が置かれ、続いて、アレグロの音楽となる。
第2楽章は、Allegro ma non tanto。耳に心地よい、軽快な明るい音楽。
第3楽章は、"Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart" Molto Adagio - Andante。
リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌。と題された、特別な楽章。
自分の苦しい病を表したようなアダージョと、そこから回復した喜びを表すようなアダージョで構成され、それが繰り返される。
リディア旋法とは、教会旋法の一つで、この楽章全体が、教会音楽のように、敬虔な雰囲気をたたえた音楽になっている。
第3楽章は、Alla Marcia, assai vivace。第3楽章の敬虔さを振り払うかのような、明るく軽快な音楽。
第4楽章は、Allegro appasionata - Presto。哀愁を帯びたメロディで始まる。次第に、音楽は文字通り、激情的になっていく。
この曲は、第3楽章を除いて、イ短調、イ長調、イ長調、イ短調、というベートーヴェンにしては実にシンプルな構成になっており、全体としてのまとまりを感じる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番
ベートーヴェンが、1826年に完成させた、14番目の弦楽四重奏曲、嬰ハ短調。7つの楽章から成り立っている。
-
第1楽章は、Adagio ma non troppo e molto espressivo。13番につづいて、ここでも第1楽章がアダージョになっている。静かな始まり。
- 人生の哀愁を感じさせ、とても神妙な気持ちへと誘われる。日常の世界から、一気にこの弦楽四重奏曲の世界の中に、引きずり込まれてしまう。
- 第2楽章は、Allegro molto vivace。こちらの方が、よっぽど弦楽四重奏曲の始まりのよう。明るく、軽快な音楽で始まる。その後は、実にいろいろと変化していく。
- 第3楽章は、Allegro moderato - Adagio。
- 第4楽章は、Andante ma non troppo e molto cantabile - Più mosso - Andante moderato e lusinghiero - Adagio - Allegretto - Adagio, ma non troppo e semplice - Allegretto。
- 印象的な主題による、6つの変奏。ピチカートなども使われ、多彩な音楽。
- 第5楽章は、Presto。
- 第6楽章は、Adagio quasi un poco andante。静かで美しい音楽。
- 第7楽章 Allegro。いきなり、ベートーヴェンらしい、ショッキングなテーマが登場して、ビックリする。
- 最後の終わり方は、唐突な感じがする。いわゆる、これで終わり!、という感じの音楽ではない。
- 2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第13番『大フーガ』
ベートーヴェンが、1925年に完成させた、13番目の弦楽四重奏曲、変ロ長調。
6つの楽章を持っているが、初演では、最後の楽章のフーガについて、演奏がうまくいかず、ベートーヴェンが後にこの部分を書き換えたため、2つのバージョンが存在する。
第1楽章は、Adagio, ma non troppo - Allegro。アダージョで始まる珍しい楽章。すぐに、印象の深いアレグロのメロディが現れる。その後は、この緩急が繰り返えされる。
第2楽章は、Presto。いろいろな、イメージ的な音楽が登場するが、あっという間に終わってしまう。息抜きのような楽章。
第3楽章は、Andante con moto, ma non troppo. Poco scherzoso。アンダンテでありながら、少しスケルツォ、とこれまたユニークな楽章。ベートーヴェンは、多くの試みを、この第13番で行おうとしたようだ。
第4楽章は、 Alla danza tedesca. Allegro assai。ドイツ舞曲風に。ウィーン舞曲とは、少し違った感じ、ということだろうか?これも、じつに短い。
第5楽章 Cavatina. Adagio molto espressivo。有名なカヴァティーナ。
第6楽章は、Overture. Allegro fuga。不協和音のような音も聞こえてきて、かなり革新的な音楽。
交響曲第9番の歓喜の歌と同じような音楽。晩年のベートーヴェンが追い求めた音楽の、一つのパターンだったのだろう。
続いて、バッハのフーガのような静かな厳かな雰囲気になり、その後は、再び複雑な音楽になる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
6つの楽章を持っているが、初演では、最後の楽章のフーガについて、演奏がうまくいかず、ベートーヴェンが後にこの部分を書き換えたため、2つのバージョンが存在する。
第1楽章は、Adagio, ma non troppo - Allegro。アダージョで始まる珍しい楽章。すぐに、印象の深いアレグロのメロディが現れる。その後は、この緩急が繰り返えされる。
第2楽章は、Presto。いろいろな、イメージ的な音楽が登場するが、あっという間に終わってしまう。息抜きのような楽章。
第3楽章は、Andante con moto, ma non troppo. Poco scherzoso。アンダンテでありながら、少しスケルツォ、とこれまたユニークな楽章。ベートーヴェンは、多くの試みを、この第13番で行おうとしたようだ。
第4楽章は、 Alla danza tedesca. Allegro assai。ドイツ舞曲風に。ウィーン舞曲とは、少し違った感じ、ということだろうか?これも、じつに短い。
第5楽章 Cavatina. Adagio molto espressivo。有名なカヴァティーナ。
第6楽章は、Overture. Allegro fuga。不協和音のような音も聞こえてきて、かなり革新的な音楽。
交響曲第9番の歓喜の歌と同じような音楽。晩年のベートーヴェンが追い求めた音楽の、一つのパターンだったのだろう。
続いて、バッハのフーガのような静かな厳かな雰囲気になり、その後は、再び複雑な音楽になる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
2014年4月26日土曜日
ボーイト:オペラ『メフィストーフェレ』
アッリーゴ・ボーイトは、作曲家としてよりは、ヴェルディの『シモン・ボッカネグラ』、『オテロ』、『ファルスタッフ』などの台本作家として、知られている。
作詞家や作家としてキャリアをスタートさせたボーイトは、オペラ作曲家になることを目指しており、1868年にこの『メフィストーフェレ』を完成させたが、初演が大失敗してしまったことから、その後は、オペラの台本作家として活躍した。
しかし、この『メフィストーフェレ』をその後も改訂し続け、今日では、立派なオペラ作品として上映されている。
ボーイトは、ワーグナーの信奉者で、この作品もワーグナーの影響が強いと言われているが、正直言って、ワーグナーの音楽とは比べものにならない。
ストーリーは、ファウストそのもので、それを悪魔のメフィストーフェレの立場から描いている。
2008年、イタリア、シチリア島のパレルモのマッシモ劇場での公演。
冒頭と最後のセットが同じで、冒頭でのメフィストーフェレの神への挑戦と、最後の敗北との対比の演出が面白かった。
作詞家や作家としてキャリアをスタートさせたボーイトは、オペラ作曲家になることを目指しており、1868年にこの『メフィストーフェレ』を完成させたが、初演が大失敗してしまったことから、その後は、オペラの台本作家として活躍した。
しかし、この『メフィストーフェレ』をその後も改訂し続け、今日では、立派なオペラ作品として上映されている。
ボーイトは、ワーグナーの信奉者で、この作品もワーグナーの影響が強いと言われているが、正直言って、ワーグナーの音楽とは比べものにならない。
ストーリーは、ファウストそのもので、それを悪魔のメフィストーフェレの立場から描いている。
2008年、イタリア、シチリア島のパレルモのマッシモ劇場での公演。
冒頭と最後のセットが同じで、冒頭でのメフィストーフェレの神への挑戦と、最後の敗北との対比の演出が面白かった。
ロッシーニ:オペラ『チェネレントラ』
1817年に初演された、ロッシーニのオペラ・ブッファ。他の作品もそうだが、この作品もわずか3週間で仕上げてしまったという。
いわゆるシンデレラのストーリーを、いくつかの部分を変更しているが、前妻の子が、後妻のいじわるな兄弟と理解のない父親によって、不幸な生活を送っており、最後は、王子様によって救われる、という基本的な部分は、そのまま活かされている。
1981年に、映像化されたもので、映像でありながら、舞台的な要素も取り入れており、素晴らしい演出。指揮はクラウディオ・アバド、ミラノ・スカラ座のスタッフによる作品。
主役のメゾ・ソプラノ、アンジェリーナを、フレデリカ・フォン・シュターデが演じているいるが、ルックスが美しく、いかにも性格の良さそうなそのキャラクターが、見事にはまっている。
ロッシーニの美しい音楽と、素晴らしい映像の演出、最高の出演者が揃って、オペラということを忘れさせてしまうくらいの、見事なエンターテインメントになっている。
いわゆるシンデレラのストーリーを、いくつかの部分を変更しているが、前妻の子が、後妻のいじわるな兄弟と理解のない父親によって、不幸な生活を送っており、最後は、王子様によって救われる、という基本的な部分は、そのまま活かされている。
1981年に、映像化されたもので、映像でありながら、舞台的な要素も取り入れており、素晴らしい演出。指揮はクラウディオ・アバド、ミラノ・スカラ座のスタッフによる作品。
主役のメゾ・ソプラノ、アンジェリーナを、フレデリカ・フォン・シュターデが演じているいるが、ルックスが美しく、いかにも性格の良さそうなそのキャラクターが、見事にはまっている。
ロッシーニの美しい音楽と、素晴らしい映像の演出、最高の出演者が揃って、オペラということを忘れさせてしまうくらいの、見事なエンターテインメントになっている。
2014年4月19日土曜日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番
ベートーヴェンが、第11番を完成させたのち、14年ぶりに、1825年に完成させた、弦楽四重奏曲、変ホ長調。
第13番、第15番とともに、ロシアのガリツィン公爵という人物からの注文に応じて作られた弦楽四重奏曲。
実に多くの変調が行われ、古典的でありながら、実に多彩な内容になっている。
第1楽章は、Maestoso - Allegro。マエストーゾ、という実に重々しい始まりだが、やがて、アレグロの美しいメロディが現れる。
シンフォニーにありそうな、ダイナミックな音楽が登場し、この弦楽四重奏曲のただならなさが、感じられる。
第2楽章は、Adagio, ma non troppo e molto cantabile。最初に、静謐な主題のメロディが提示され、これが様々に変奏されていく。
最後の方は、あまりにも繊細で音が小さい。注意して聞かないとわからない。
第3楽章は、Scherzando vivace - Presto 。前半は、典型的なスケルツォだが、後半、突然イメージが変わって、おもしろい。
第4楽章は、Finale。ベートーヴェンのイメージを裏切らない、非常に激しい調子の音楽が所々に聞こえる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
第13番、第15番とともに、ロシアのガリツィン公爵という人物からの注文に応じて作られた弦楽四重奏曲。
実に多くの変調が行われ、古典的でありながら、実に多彩な内容になっている。
第1楽章は、Maestoso - Allegro。マエストーゾ、という実に重々しい始まりだが、やがて、アレグロの美しいメロディが現れる。
シンフォニーにありそうな、ダイナミックな音楽が登場し、この弦楽四重奏曲のただならなさが、感じられる。
第2楽章は、Adagio, ma non troppo e molto cantabile。最初に、静謐な主題のメロディが提示され、これが様々に変奏されていく。
最後の方は、あまりにも繊細で音が小さい。注意して聞かないとわからない。
第3楽章は、Scherzando vivace - Presto 。前半は、典型的なスケルツォだが、後半、突然イメージが変わって、おもしろい。
第4楽章は、Finale。ベートーヴェンのイメージを裏切らない、非常に激しい調子の音楽が所々に聞こえる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番『セリオーソ』
ベートーヴェンが、1810年に作曲した、11番目の弦楽四重奏曲、ヘ短調。
みずから、この曲に、セリオーソとなつけている。
ベートーヴェンは、この曲を完成させた後、14年もの間、弦楽四重奏曲は、1曲も作っていない。
第1楽章は、Allegro con brio。この曲の副題のように、シリアスな出だし。あっという間に終わってしまう。
第2楽章は、Allegretto ma non troppo。第1楽章よりも長く、じっくりと聞かせる。
第3楽章は、Allegro assai vivace ma serioso。ここに、セリオーソ、と付けられている。冒頭に、印象的なメロディが現れる。まるで運命のテーマのように展開される。
第4楽章は、Larghetto espressivo-Allegro agitato。ここでも、シリアスに始められるが、次々といろいろなメロディが、現れては消えて行く。
最後には、急にテンポが変わり、明るくなり、まあ、悩んでも仕方ないさ!と終わる感じ。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
みずから、この曲に、セリオーソとなつけている。
ベートーヴェンは、この曲を完成させた後、14年もの間、弦楽四重奏曲は、1曲も作っていない。
第1楽章は、Allegro con brio。この曲の副題のように、シリアスな出だし。あっという間に終わってしまう。
第2楽章は、Allegretto ma non troppo。第1楽章よりも長く、じっくりと聞かせる。
第3楽章は、Allegro assai vivace ma serioso。ここに、セリオーソ、と付けられている。冒頭に、印象的なメロディが現れる。まるで運命のテーマのように展開される。
第4楽章は、Larghetto espressivo-Allegro agitato。ここでも、シリアスに始められるが、次々といろいろなメロディが、現れては消えて行く。
最後には、急にテンポが変わり、明るくなり、まあ、悩んでも仕方ないさ!と終わる感じ。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ファリャ:スペイン民謡組曲
ファリャは、この曲をピアノ用に作ったが、その後、いろいろな人が、他の構成用に編曲している。
いずれもスペインらしさを感じさせる、コミカルな、あるいは物悲しい7つの音楽で構成されている。
フィナーレは、とくにエモーショナルな雰囲気が濃厚で、実に印象的。
2013年2月にフランスのナントで行われた、ラ・フォルジュルネでの演奏。ヴァイオリンは、パトリツィア・コバチンスカヤ。
文字通り、体全体を使い、豊かな表情をともなったコバチンスカヤの情熱的な演奏は、ビジュアル時代に相応しい。
いずれもスペインらしさを感じさせる、コミカルな、あるいは物悲しい7つの音楽で構成されている。
フィナーレは、とくにエモーショナルな雰囲気が濃厚で、実に印象的。
2013年2月にフランスのナントで行われた、ラ・フォルジュルネでの演奏。ヴァイオリンは、パトリツィア・コバチンスカヤ。
文字通り、体全体を使い、豊かな表情をともなったコバチンスカヤの情熱的な演奏は、ビジュアル時代に相応しい。
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲
ラヴェルが、1929年から1930年にかけて作曲した協奏曲。第一次世界大戦で、右手を失ったピアニストのために作曲した。
印象派、と言われるラヴェルだが、この曲を作るに当たっては、過去の同様な曲を研究したという。
20分ほどの曲で、切れ目なく演奏される。
オーケストレーションは、何となく、ボレロに似ている。
2013年2月にフランスのナントで行われたラ・フォルジュルネでの演奏。ピアノは、ボリス・ベレゾフスキー。
印象派、と言われるラヴェルだが、この曲を作るに当たっては、過去の同様な曲を研究したという。
20分ほどの曲で、切れ目なく演奏される。
オーケストレーションは、何となく、ボレロに似ている。
2013年2月にフランスのナントで行われたラ・フォルジュルネでの演奏。ピアノは、ボリス・ベレゾフスキー。
2014年4月13日日曜日
ポール・デュカス:交響詩『魔法使いの弟子』
ポール・デュカスが1897年に作曲した、管弦楽曲。
ポール・デュカスは、完璧主義者で、多くの曲を作りながら、今日では、13作品しか完成作品として伝わっていない。
ゲーテが、古代ギリシャのルキアモスの詩をもとに作ったバラード、がテーマになっている。
まだ魔法が巧く使えない、魔法使いの弟子が、うる覚えの魔法を使い、収拾がつかなくなり、最後は、老師に助けられる、という話。
映画『ファンタジア』で利用されたこともあり、実に、親しみやすい音楽。
ナントのフォルジュルネ2013から、ジャン=ジャック・カントロフ指揮、シンフォニア・ヴァルソヴィアの演奏。
ポール・デュカスは、完璧主義者で、多くの曲を作りながら、今日では、13作品しか完成作品として伝わっていない。
ゲーテが、古代ギリシャのルキアモスの詩をもとに作ったバラード、がテーマになっている。
まだ魔法が巧く使えない、魔法使いの弟子が、うる覚えの魔法を使い、収拾がつかなくなり、最後は、老師に助けられる、という話。
映画『ファンタジア』で利用されたこともあり、実に、親しみやすい音楽。
ナントのフォルジュルネ2013から、ジャン=ジャック・カントロフ指揮、シンフォニア・ヴァルソヴィアの演奏。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番
ベートーヴェンが、1809年に作曲した、変ホ長調の弦楽四重奏曲。
第1楽章で、ピチカートが多用されるところから、ハープ、という名前が付けられている。
第1楽章は、Poco Adagio-Allegro。始まりは、実に静かだが、次第に、いろいろな動機が表れて来て、実に自由な雰囲気の楽章。
第2楽章は、Adagio ma non troppo。優しい音楽が、聞く者の心を、包み込んでいくような、美しいメロディーで始まる。
第3楽章は、Presto-Piu presto quasi prestissimo。運命交響曲のような、緊張感に溢れたメロディが実に印象的。
第4楽章は、Allegro con Variazioni。1つの主題が、6つに変奏される、というベートーヴェンにしては珍しい楽章。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
第1楽章で、ピチカートが多用されるところから、ハープ、という名前が付けられている。
第1楽章は、Poco Adagio-Allegro。始まりは、実に静かだが、次第に、いろいろな動機が表れて来て、実に自由な雰囲気の楽章。
第2楽章は、Adagio ma non troppo。優しい音楽が、聞く者の心を、包み込んでいくような、美しいメロディーで始まる。
第3楽章は、Presto-Piu presto quasi prestissimo。運命交響曲のような、緊張感に溢れたメロディが実に印象的。
第4楽章は、Allegro con Variazioni。1つの主題が、6つに変奏される、というベートーヴェンにしては珍しい楽章。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第9番
ベートーヴェンが、1806年に作曲したハ長調の弦楽四重奏曲。いわゆるラズモフスキー四重奏曲の第3番になる。
第1楽章は、Introduzione, Andante con moto-Allegro vivace。重々しい出だしの後、軽快な第1主題が演奏される。その雰囲気は、交響曲の趣がある。
第2楽章は、Andante con moto quasi Allegro。静かで、悲しみを誘う、陰鬱な音楽。
第3楽章は、Menuetto, Grazioso。穏やかな曲調で始まるメヌエット。
第4楽章は、Allegro moltoだが、第3楽章から切れ目なく始められ、まるで、第3楽章が急にテンポアップしたように錯覚する。曲調は早くなり、軽快な音楽になっていく。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
第1楽章は、Introduzione, Andante con moto-Allegro vivace。重々しい出だしの後、軽快な第1主題が演奏される。その雰囲気は、交響曲の趣がある。
第2楽章は、Andante con moto quasi Allegro。静かで、悲しみを誘う、陰鬱な音楽。
第3楽章は、Menuetto, Grazioso。穏やかな曲調で始まるメヌエット。
第4楽章は、Allegro moltoだが、第3楽章から切れ目なく始められ、まるで、第3楽章が急にテンポアップしたように錯覚する。曲調は早くなり、軽快な音楽になっていく。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
2014年4月12日土曜日
マーラー:交響曲第6番『悲劇的』
マーラーが、1903年〜1904年にかけて作曲した、6番目の交響曲。
第2番から第5番までは、歌曲が組み込まれていたが、この第6番には含まれていない。
第1楽章は、アレグロ・エネルジコ・マ・ノン・トロッポ。その悲劇的という題名からくるイメージとは違って、勇壮な行進曲風の主題で始まる。
続いて、ロマンチックで情感に溢れた主題が登場し、この2つの主題が展開されて行く。
第2楽章はスケルツォ。重々しい感じで始まるが、やがてマーラーらしいコミカルな内容に。
第3楽章は、アンダンテ・モデラート。哀愁に満ちあふれた、濃密な旋律。次第にクライマックスに続いて行く、その展開が素晴らしい。
第5番のアダージョは有名だが、この第6番の第3楽章も、それに劣らず、実に美しい。
第4楽章は、アレグロ・モデラート。冒頭で、ダイナミックなファンファーレが鳴り響く。30分ほどの長大な内容で、この楽章が、一つの作品のようだ。
最後は、物悲しいファンファーレで終了する。このことから、悲劇的と呼ばれたのだろう。
2010年10月、オランダのアムステルダム、コンセルトヘボウでの、ロリン・マゼール指揮、ロイヤル・コンサルトヘボウ管弦楽団の演奏。
第2番から第5番までは、歌曲が組み込まれていたが、この第6番には含まれていない。
第1楽章は、アレグロ・エネルジコ・マ・ノン・トロッポ。その悲劇的という題名からくるイメージとは違って、勇壮な行進曲風の主題で始まる。
続いて、ロマンチックで情感に溢れた主題が登場し、この2つの主題が展開されて行く。
第2楽章はスケルツォ。重々しい感じで始まるが、やがてマーラーらしいコミカルな内容に。
第3楽章は、アンダンテ・モデラート。哀愁に満ちあふれた、濃密な旋律。次第にクライマックスに続いて行く、その展開が素晴らしい。
第5番のアダージョは有名だが、この第6番の第3楽章も、それに劣らず、実に美しい。
第4楽章は、アレグロ・モデラート。冒頭で、ダイナミックなファンファーレが鳴り響く。30分ほどの長大な内容で、この楽章が、一つの作品のようだ。
最後は、物悲しいファンファーレで終了する。このことから、悲劇的と呼ばれたのだろう。
2010年10月、オランダのアムステルダム、コンセルトヘボウでの、ロリン・マゼール指揮、ロイヤル・コンサルトヘボウ管弦楽団の演奏。
リヒャルト・シュトラウスの生涯 第V部 辞世のうたー去りゆく古き良きヨーロッパ
2014年の東京・春・音楽祭。リヒャルト・シュトラウスをテーマとしたマラソン・コンサートもいよいよ最後。第V部は、シュトラウスの晩年の曲を中心とした構成。
最初の曲は、メタモルフォーゼン。オリジナルでは、23の独奏弦楽器のための習作のための、ということになっているが、ここでは、レオポルト編曲による、弦楽七重奏版で演奏された。
この曲は、第2次世界単線の末期、1945年4月、ドイツの降伏の直前に完成された。
とにかく暗い音楽で、聴いているうちに、こちらの気分がだんだんと悪くなってくるくらいに、暗い。
およそ30分くらいの曲だが、余りの曲の暗さに、20分くらいすぎた頃から、会場内には、”まだ終わらないか?”という無言の雰囲気が漂ってくる。
演奏が終了した時の拍手には、”ようやく終わった。終わってくれて、ありがとう!”という気持ちがこもっているように感じられた。
シュトラウスは、ヒトラーのナチス政権下において、帝国音楽院の総裁を務めていた。そのため、戦後はナチスへ協力した罪を問われ、裁判にかけられ、結局は無罪となったが、高齢のこともあり、その後はあまり表立った活動は行わなくなった。
メタモルフォーゼンとは、変容、あるいは複数の変奏という意味だが、それは音楽的な意味よりは、シュトラウス自身の気分的な意味合いが強いのかもしれない。
ドイツは、連合国軍による度重なる空襲で荒廃しきっていた。ミュンヘン、ドレスデン、そしてウィーンといった名だたる歌劇場は、その空襲で破壊された。
当時すでに80歳を超えていたシュトラウスは、自分の死と、ドイツの死を目の前にし、瞑想と、そのいずれの復活をも、この曲を通して願ったの知れない。
メロディは、終止暗いが、時折、明るさを取り戻しそうになるが、それもつかの間、すぐに、悲しい世界に戻ってしまう。
演奏は、ウェールズ四重奏団、佐々木亮(ヴィオラ)、門脇大樹(チェロ)、池松宏(コントラバス)。
後で、CDでオリジナルのより大きな構成での演奏を聴く機会があったが、このコンサートで聴いたほど、暗さは感じなかった。この小編成だったからこそ、あの音楽が生み出されたのだろう。
続いて、その暗い不雰囲気を、少し中和するかのような、ソプラノの横山恵子による、あおい、という歌曲。これは、シュトラウスの最後の作品。
1948年11月に書かれ、シュトラウスは、その翌年の9月に85歳で亡くなっている。
続いては、その死より半世紀前の1894年に作られた、4つの歌から、メゾソプラノの加納悦子のよる、憩え、わが魂。シュトラウスが2番目のオペラが失敗したことで、落ち込んでいた時の曲で、やや暗い内容。
そして、有名な歌曲、4つの最後の歌。安井陽子と横山恵子がそれぞれ2曲づつを歌った。
シュトラウスは、この珠玉の作品を死の前年の1948年に作っている。人生の、ある地点に到達した心境が、そのまま音楽として溢れ出ているようだ。
最後は、再び、ばらの騎士から、オペラの終盤に歌われる、私が誓ったことは。
元帥夫人は、若い愛人のオクタヴィアンとの愛をあきらめて、オクタヴィアンとゾフィーとの愛を祝福する。オクタヴィアンは、元帥夫人への後ろめたさに躊躇しながらも、すでに気分はゾフィーとの愛に移っている。そして、ゾフィーは、そうした事情を全く知らず、ただただ、オクタヴィアンとの愛を純粋に喜び、歌う。
この3人の感情が、シュトラウスの悲しくも美しい音楽で表現され、例えようもない、素晴らしい音楽世界を生み出す。
このオペラを初めて目にし、耳にした時の感動が、再びよみがえる。
音楽と、物語が、これほど融合した作品は、他にそう簡単に見つけられるものではない。オペラという芸術作品の、ひとつの頂点がそこにある。
偉大な作曲家でありながらも、実に複雑な人生を歩んだ、リヒャルト・シュトラウスという人物をテーマにした、このコンサート・シリーズの最後に相応しい曲だった。
最初の曲は、メタモルフォーゼン。オリジナルでは、23の独奏弦楽器のための習作のための、ということになっているが、ここでは、レオポルト編曲による、弦楽七重奏版で演奏された。
この曲は、第2次世界単線の末期、1945年4月、ドイツの降伏の直前に完成された。
とにかく暗い音楽で、聴いているうちに、こちらの気分がだんだんと悪くなってくるくらいに、暗い。
およそ30分くらいの曲だが、余りの曲の暗さに、20分くらいすぎた頃から、会場内には、”まだ終わらないか?”という無言の雰囲気が漂ってくる。
演奏が終了した時の拍手には、”ようやく終わった。終わってくれて、ありがとう!”という気持ちがこもっているように感じられた。
シュトラウスは、ヒトラーのナチス政権下において、帝国音楽院の総裁を務めていた。そのため、戦後はナチスへ協力した罪を問われ、裁判にかけられ、結局は無罪となったが、高齢のこともあり、その後はあまり表立った活動は行わなくなった。
メタモルフォーゼンとは、変容、あるいは複数の変奏という意味だが、それは音楽的な意味よりは、シュトラウス自身の気分的な意味合いが強いのかもしれない。
ドイツは、連合国軍による度重なる空襲で荒廃しきっていた。ミュンヘン、ドレスデン、そしてウィーンといった名だたる歌劇場は、その空襲で破壊された。
当時すでに80歳を超えていたシュトラウスは、自分の死と、ドイツの死を目の前にし、瞑想と、そのいずれの復活をも、この曲を通して願ったの知れない。
メロディは、終止暗いが、時折、明るさを取り戻しそうになるが、それもつかの間、すぐに、悲しい世界に戻ってしまう。
演奏は、ウェールズ四重奏団、佐々木亮(ヴィオラ)、門脇大樹(チェロ)、池松宏(コントラバス)。
後で、CDでオリジナルのより大きな構成での演奏を聴く機会があったが、このコンサートで聴いたほど、暗さは感じなかった。この小編成だったからこそ、あの音楽が生み出されたのだろう。
続いて、その暗い不雰囲気を、少し中和するかのような、ソプラノの横山恵子による、あおい、という歌曲。これは、シュトラウスの最後の作品。
1948年11月に書かれ、シュトラウスは、その翌年の9月に85歳で亡くなっている。
続いては、その死より半世紀前の1894年に作られた、4つの歌から、メゾソプラノの加納悦子のよる、憩え、わが魂。シュトラウスが2番目のオペラが失敗したことで、落ち込んでいた時の曲で、やや暗い内容。
そして、有名な歌曲、4つの最後の歌。安井陽子と横山恵子がそれぞれ2曲づつを歌った。
シュトラウスは、この珠玉の作品を死の前年の1948年に作っている。人生の、ある地点に到達した心境が、そのまま音楽として溢れ出ているようだ。
最後は、再び、ばらの騎士から、オペラの終盤に歌われる、私が誓ったことは。
元帥夫人は、若い愛人のオクタヴィアンとの愛をあきらめて、オクタヴィアンとゾフィーとの愛を祝福する。オクタヴィアンは、元帥夫人への後ろめたさに躊躇しながらも、すでに気分はゾフィーとの愛に移っている。そして、ゾフィーは、そうした事情を全く知らず、ただただ、オクタヴィアンとの愛を純粋に喜び、歌う。
この3人の感情が、シュトラウスの悲しくも美しい音楽で表現され、例えようもない、素晴らしい音楽世界を生み出す。
このオペラを初めて目にし、耳にした時の感動が、再びよみがえる。
音楽と、物語が、これほど融合した作品は、他にそう簡単に見つけられるものではない。オペラという芸術作品の、ひとつの頂点がそこにある。
偉大な作曲家でありながらも、実に複雑な人生を歩んだ、リヒャルト・シュトラウスという人物をテーマにした、このコンサート・シリーズの最後に相応しい曲だった。
リヒャルト・シュトラウスの生涯 第IV部 オペラ作曲家として
2014年、東京・春・音楽祭の、リヒャルト・シュトラウスをテーマにしたマラソン・コンサート。第IV部は、いわばハイライトとも言える、オペラ作品を中心としたプログラム。
リヒャルト・シュトラウスというと、やはりオペラの作曲家というイメージが強い。
シュトラウスのオペラの中でも、飛び抜けた人気を誇る、ばらの騎士から「ワルツ」。ヴァルターズが、ヴァイロリンとピアノ用に編曲したバージョン。ヴァイオリンは、成田達輝。ピアノは津田裕也。
いわゆるウィーンワルツ。生粋のウィーンっ子にしか出せないと言われる、独特のワルツのリズム。成田は、かなりがんばっているように思えたが、やはり、どこか違う、と感じてしまう。
1905年に初演され、大ヒットしたサロメからは、オペラのハイライトで演奏される、7つのヴェールの踊り。ジンガーがピアノ用に編曲したもの。
当時の前衛的な音楽と、古典的な音楽を組み合わせた難曲を、津田裕也は見事に弾き熟した。
(参考)リヒャルト・シュトラウス:オペラ『サロメ』
1841年に初演されたカプリッチョからは、弦楽六重奏曲版による序曲。ウェールズ四重奏団と佐々木 亮(ヴァイオリン)、門脇大樹(チェロ)による演奏。
同じく、カプリッチョから、クラウスの編曲による舞曲。成田達輝(ヴァイオリン)、奥泉貴圭(チェロ)、津田裕也(ピアノ)による演奏。
そして再び、ばらの騎士からの歌曲、だれも知らない。メゾソプラノは加納悦子。
元帥夫人が、若い愛人のオクタヴィアンと甘い夜を過ごした後で歌われる歌。よくよく考えてみれば、かなりきわどい内容の歌だ。
当時のウィーンの有閑マダムたちは、それと同じような経験をしている人もいたろうし、それを憧れる人もいたであろう。それぞれの思いを、この歌から感じたに違いない。
そしてこの曲は、実は、最後の第V部にもつながっている意味を持っている。
1927年に初演され、不評だったエジプトのヘレナからは、第二の新婚初夜!魅惑的な夜、をソプラノの横山恵子で。
最後は、1916年に初演された、ナクソス島のアリアドネから、ソプラノの安井陽子による、偉大なる王女様。
このオペラでは、悲劇と喜劇を同時に演じる、というユニークな演出が採られている。
(参考)リヒャルト・シュトラウス:オペラ『ナクソス島のアリアドネ』
この第IV部は、シュトラウスのオペラから、前半は踊りにまつわる曲、後半は、愛の情事にまつわる曲を集めて構成する、という凝った内容だった。
リヒャルト・シュトラウスというと、やはりオペラの作曲家というイメージが強い。
シュトラウスのオペラの中でも、飛び抜けた人気を誇る、ばらの騎士から「ワルツ」。ヴァルターズが、ヴァイロリンとピアノ用に編曲したバージョン。ヴァイオリンは、成田達輝。ピアノは津田裕也。
いわゆるウィーンワルツ。生粋のウィーンっ子にしか出せないと言われる、独特のワルツのリズム。成田は、かなりがんばっているように思えたが、やはり、どこか違う、と感じてしまう。
1905年に初演され、大ヒットしたサロメからは、オペラのハイライトで演奏される、7つのヴェールの踊り。ジンガーがピアノ用に編曲したもの。
当時の前衛的な音楽と、古典的な音楽を組み合わせた難曲を、津田裕也は見事に弾き熟した。
(参考)リヒャルト・シュトラウス:オペラ『サロメ』
1841年に初演されたカプリッチョからは、弦楽六重奏曲版による序曲。ウェールズ四重奏団と佐々木 亮(ヴァイオリン)、門脇大樹(チェロ)による演奏。
同じく、カプリッチョから、クラウスの編曲による舞曲。成田達輝(ヴァイオリン)、奥泉貴圭(チェロ)、津田裕也(ピアノ)による演奏。
そして再び、ばらの騎士からの歌曲、だれも知らない。メゾソプラノは加納悦子。
元帥夫人が、若い愛人のオクタヴィアンと甘い夜を過ごした後で歌われる歌。よくよく考えてみれば、かなりきわどい内容の歌だ。
当時のウィーンの有閑マダムたちは、それと同じような経験をしている人もいたろうし、それを憧れる人もいたであろう。それぞれの思いを、この歌から感じたに違いない。
そしてこの曲は、実は、最後の第V部にもつながっている意味を持っている。
1927年に初演され、不評だったエジプトのヘレナからは、第二の新婚初夜!魅惑的な夜、をソプラノの横山恵子で。
最後は、1916年に初演された、ナクソス島のアリアドネから、ソプラノの安井陽子による、偉大なる王女様。
このオペラでは、悲劇と喜劇を同時に演じる、というユニークな演出が採られている。
(参考)リヒャルト・シュトラウス:オペラ『ナクソス島のアリアドネ』
この第IV部は、シュトラウスのオペラから、前半は踊りにまつわる曲、後半は、愛の情事にまつわる曲を集めて構成する、という凝った内容だった。
リヒャルト・シュトラウスの生涯 第III部 時代の寵児となった、若き天才音楽家
東京春祭マラソン・コンサート、リヒャルト・シュトラウスの生涯の第III部は、時代の寵児となった、若き天才音楽家、と題して、1880、1890年代の作品を中心とした構成。
最初は、1882年、18歳の時に作曲した、13 管楽器のためのセレナードという曲のピアノ・ソロ版。シュトラウスは、生涯、セレナードはこの1曲しか作らなかった。ピアノは、津田裕也。
続いて、同じ頃に書かれたチェロ・ソナタから第3楽章。チェロの演奏は、奥泉貴圭。
そして、次はこの第III部のハイライトとも言える、もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル。
オーケストラ用に作曲された、交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な いたずら』を、ハーゼンエールが、ヴァイオリン、コントラバス、ク ラリネット、ファゴット、ホルンの小編成用に編曲したもの。
編成は小さいが、原曲の持つ、コミカルな魅力は健在、十分に楽しめる。
1895年に発表した、この『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』に代表される交響詩によって、シュトラウスは、一気に時代の寵児になった。
同時期のウィーンでは、マーラーがダイナミックな構成の交響曲を発表していた。
時代の変化の中で、音楽を楽しむ人々は、古典主義やロマン主義に変わる、新しい、時代の変化に応じた、大胆な音楽を求めるようになったのだろう。
そして、最後は、万霊節、ツェチーリエ、愛の神、ダリア、献呈、冬の夜、なんと不幸な男だろう、たそがれの夢、の8つの歌曲。
そのうち、ソプラノの安井陽子が最初の3曲を、メゾ・ソプラノの加納悦子が、後半の5曲を歌った。
ドイツの歌曲というと、もっと大人しく、静かなものかなあ、と想像していたが、意外にも、シュトラウスの歌曲は、情熱的なものが多かった。
最初は、1882年、18歳の時に作曲した、13 管楽器のためのセレナードという曲のピアノ・ソロ版。シュトラウスは、生涯、セレナードはこの1曲しか作らなかった。ピアノは、津田裕也。
続いて、同じ頃に書かれたチェロ・ソナタから第3楽章。チェロの演奏は、奥泉貴圭。
そして、次はこの第III部のハイライトとも言える、もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル。
オーケストラ用に作曲された、交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な いたずら』を、ハーゼンエールが、ヴァイオリン、コントラバス、ク ラリネット、ファゴット、ホルンの小編成用に編曲したもの。
編成は小さいが、原曲の持つ、コミカルな魅力は健在、十分に楽しめる。
1895年に発表した、この『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』に代表される交響詩によって、シュトラウスは、一気に時代の寵児になった。
同時期のウィーンでは、マーラーがダイナミックな構成の交響曲を発表していた。
時代の変化の中で、音楽を楽しむ人々は、古典主義やロマン主義に変わる、新しい、時代の変化に応じた、大胆な音楽を求めるようになったのだろう。
そして、最後は、万霊節、ツェチーリエ、愛の神、ダリア、献呈、冬の夜、なんと不幸な男だろう、たそがれの夢、の8つの歌曲。
そのうち、ソプラノの安井陽子が最初の3曲を、メゾ・ソプラノの加納悦子が、後半の5曲を歌った。
ドイツの歌曲というと、もっと大人しく、静かなものかなあ、と想像していたが、意外にも、シュトラウスの歌曲は、情熱的なものが多かった。
2014年4月9日水曜日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番
ベートーヴェンが1806年に作曲した、いわゆるラズモフスキー協奏曲の第2番にあたる、第8番ホ短調。
第1楽章は、Allegro。冒頭のメロディが、実に印象的。短調らしい、悲しくも激しい音楽。
第2楽章は、Molto Adagio。静かで内省的な調べ。ベートベーンは、星のきらめきをイメージして、この楽章を作った、といわれているが、真冬で寒さの厳しい夜をイメージでもしたのだろうか?
第3楽章は、Allegretto。出だしのメロディは、これまた印象的。この楽章の一部は、ロシア風で、後に、リムスキー=コルサコフ、チャイコフスキー、ラフマニノフらが引用している。
第4楽章は、Presto。これまでの陰鬱な雰囲気を吹き飛ばすかのような、軽快な出だし。この主題を転換させ、コンパクトにフィナーレを迎える。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
第1楽章は、Allegro。冒頭のメロディが、実に印象的。短調らしい、悲しくも激しい音楽。
第2楽章は、Molto Adagio。静かで内省的な調べ。ベートベーンは、星のきらめきをイメージして、この楽章を作った、といわれているが、真冬で寒さの厳しい夜をイメージでもしたのだろうか?
第3楽章は、Allegretto。出だしのメロディは、これまた印象的。この楽章の一部は、ロシア風で、後に、リムスキー=コルサコフ、チャイコフスキー、ラフマニノフらが引用している。
第4楽章は、Presto。これまでの陰鬱な雰囲気を吹き飛ばすかのような、軽快な出だし。この主題を転換させ、コンパクトにフィナーレを迎える。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
2014年4月7日月曜日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第7番
ベートーヴェンが、1806年に完成させた7番目の弦楽四重奏曲。ヘ長調。
ロシアのウィーン公使だった、アンドレイ・ラズモフスキーに依頼され作曲した3つの弦楽四重奏曲の最初の曲。そのため、この3つの弦楽四重奏曲は、ラズモフスキー四重奏曲と呼ばれている。
すでに、ベートーヴェンは、交響曲第4番を発表しており、独自の音楽世界を確立していた。
第1楽章は、Allegro。複雑な始まり方で、初期の6つの弦楽四重奏曲とは、全く別物であることがよくわかる。
チェロが主題を奏でて、後から第1ヴァイオリンがそれを引き継ぐなど、第1ヴァイオリンがリードするというよりは、4つの楽器が一体となっている。
第2楽章は、Allegretto vivace e sempre scherzando。チェロが弦を弾いて始まるという、これまた変わった始まり方。
途中でも、弦を叩く程度で小さな音を出した後で、いきなり激しく弾いたりと、エキセントリックなベートーヴェンの特徴がよく表れている。
第3楽章は、Adagio molto e mesto - attacca。実に静かな楽章。途中、ピチカートなども使われ、いろいろなことを試みている。
第4楽章は、Theme Russe, Allegro。第3楽章の最後に、短い第1ヴァイオリンのカデンツァの後に間断なく始まる。ロシアの民謡風のメロディが表れる。
最後は、終わりそうでなかなか終わらない。ようやく最後になって、”これで終わるよ”という感じでフィナーレを迎える。
ベートーヴェンのしつこい性格が、表れているようにも思えた、
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ロシアのウィーン公使だった、アンドレイ・ラズモフスキーに依頼され作曲した3つの弦楽四重奏曲の最初の曲。そのため、この3つの弦楽四重奏曲は、ラズモフスキー四重奏曲と呼ばれている。
すでに、ベートーヴェンは、交響曲第4番を発表しており、独自の音楽世界を確立していた。
第1楽章は、Allegro。複雑な始まり方で、初期の6つの弦楽四重奏曲とは、全く別物であることがよくわかる。
チェロが主題を奏でて、後から第1ヴァイオリンがそれを引き継ぐなど、第1ヴァイオリンがリードするというよりは、4つの楽器が一体となっている。
第2楽章は、Allegretto vivace e sempre scherzando。チェロが弦を弾いて始まるという、これまた変わった始まり方。
途中でも、弦を叩く程度で小さな音を出した後で、いきなり激しく弾いたりと、エキセントリックなベートーヴェンの特徴がよく表れている。
第3楽章は、Adagio molto e mesto - attacca。実に静かな楽章。途中、ピチカートなども使われ、いろいろなことを試みている。
第4楽章は、Theme Russe, Allegro。第3楽章の最後に、短い第1ヴァイオリンのカデンツァの後に間断なく始まる。ロシアの民謡風のメロディが表れる。
最後は、終わりそうでなかなか終わらない。ようやく最後になって、”これで終わるよ”という感じでフィナーレを迎える。
ベートーヴェンのしつこい性格が、表れているようにも思えた、
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
2014年4月6日日曜日
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
モーツァルトが、1785年に完成させた、20番目のピアノ協奏曲。ニ短調。単調の協奏曲は、この20番と24番のみ。
第1楽章はアレグロ。モーツァルトの華やかなイメージとは違った、重々しいダークなメロディで始まる。
第2楽章はロマンツェ。この音楽は、モーツァルトが作曲した数多の音楽の中でも、おそらく屈指の名曲だろう。まるで、天上の音楽のようだ。やや悲しげに変化していく、展開部も自然で、美しい。
第3楽章はロンド・アレグロ・アッサイ。天上の世界から、厳しい現実の世界に一気に引き戻されたような、そんな気分にさせられる出だし。
ニ短調からニ長調に変化し、陰鬱に始まったこの単調の協奏曲も、最後は、モーツァルトらしい、明るく壮麗なフィナーレを迎える。
ピアノは、ウィーンを代表するピアニスト、ルドルフ・ブフビンダー。ファビオ・ルイージ指揮、NHK交響楽団の2014年1月の演奏。
第1楽章はアレグロ。モーツァルトの華やかなイメージとは違った、重々しいダークなメロディで始まる。
第2楽章はロマンツェ。この音楽は、モーツァルトが作曲した数多の音楽の中でも、おそらく屈指の名曲だろう。まるで、天上の音楽のようだ。やや悲しげに変化していく、展開部も自然で、美しい。
第3楽章はロンド・アレグロ・アッサイ。天上の世界から、厳しい現実の世界に一気に引き戻されたような、そんな気分にさせられる出だし。
ニ短調からニ長調に変化し、陰鬱に始まったこの単調の協奏曲も、最後は、モーツァルトらしい、明るく壮麗なフィナーレを迎える。
ピアノは、ウィーンを代表するピアニスト、ルドルフ・ブフビンダー。ファビオ・ルイージ指揮、NHK交響楽団の2014年1月の演奏。
マーラー:歌曲集『子供の魔法の角笛』
マーラーが、1892年から1901年にかけて、作曲した歌曲集。
マーラーは、そのうちのいくつかの曲を、交響曲2番、3番、4番の一部として採用しているので、聴いていると、”あっ!これはどこかで聴いたことがあるぞ!”ということが何度かある。
詩の部分は、ルートヴィヒ・アヒム・フォン・アルニムとクレメンス・ブレンターノが収集したドイツの民衆歌謡の詩集から採られている。
歌詞の内容は、ドイツの民衆の生活感に溢れた内容。悲しい話した、残酷な話も含まれている。
マーラーは、そうした詩の内容を、自分の持つメランコリックな、あるいはダイナミックな音楽で、よりその性格が際立つように、作曲している。
2010年2月、アメリカ、オハイオ州、クリーブランドのセヴェランス・ホール。指揮はピエール・ブーレーズ、クリーヴランド管弦楽団の演奏。メゾ・ソプラノは、マグダレーナ・コジェナ、バリトンは、クリスティアン・ゲルハーヘル。
マーラーは、そのうちのいくつかの曲を、交響曲2番、3番、4番の一部として採用しているので、聴いていると、”あっ!これはどこかで聴いたことがあるぞ!”ということが何度かある。
詩の部分は、ルートヴィヒ・アヒム・フォン・アルニムとクレメンス・ブレンターノが収集したドイツの民衆歌謡の詩集から採られている。
歌詞の内容は、ドイツの民衆の生活感に溢れた内容。悲しい話した、残酷な話も含まれている。
マーラーは、そうした詩の内容を、自分の持つメランコリックな、あるいはダイナミックな音楽で、よりその性格が際立つように、作曲している。
2010年2月、アメリカ、オハイオ州、クリーブランドのセヴェランス・ホール。指揮はピエール・ブーレーズ、クリーヴランド管弦楽団の演奏。メゾ・ソプラノは、マグダレーナ・コジェナ、バリトンは、クリスティアン・ゲルハーヘル。
リヒャルト・シュトラウスの生涯 第II部 イノック・アーデン
東京春祭マラソン・コンサートの第II部。テーマは、イノック・アーデン。
シュトラウスは、ある舞台俳優の要請により、イギリスの詩人、テニスンの詩、イノック・アーデンをもとに、メロドラマ、という作品を、1897年に作り上げた。
ピアノのスケッチをBGMにして、詩を朗読するというもので、オペラとも、歌曲とも違っている。
ピアノのスケッチをBGMにして、詩を朗読するというもので、オペラとも、歌曲とも違っている。
詩の内容は、実に悲しい物語だ。
貧しい漁船で生まれ育った2人の少年と1人の少女。イノックは、立派な青年に成長し、幼なじみのアニーと結婚する。生まれた子供のために、一旗揚げようと、外洋航海の船員となるがその船が無人島に難破してしまう。
アンネは、イノックは死んだものとあきらめ、やさしく支えてくれるフィリップと再婚し、子供も生まれたが、奇跡的に救助されたイノックが村に戻ってくる。
全てを知ったイノックは、アニーと我が子を愛するがゆえに、自ら身を引き、一人で寂しく息を引き取る。
冒頭に、重苦しい、悲しげなメロディがピアノで奏でられる。この音が、物語全体の基調を表している。
詩の朗読は、元NHKアナウンサーの松平定知。ストーリーは悲しい内容だが、感情を最小限に抑えて、淡々と語る。それが、物語の悲しさを、より一層引き立てている。
ピアノ演奏は、清水和音。
ピアノの登場する場面は、思った以上に少なく、場面の切れ目に登場して、その場面の雰囲気を伝える程度に留まっている。
全体としては、朗読劇であり、シュトラウスは、その朗読がより効果的に伝わるように、BGMとしての音楽を作ったのだろう。
ピアノの登場する場面は、思った以上に少なく、場面の切れ目に登場して、その場面の雰囲気を伝える程度に留まっている。
全体としては、朗読劇であり、シュトラウスは、その朗読がより効果的に伝わるように、BGMとしての音楽を作ったのだろう。
リヒャルト・シュトラウスの生涯 第I部 誕生ー激動の人生の幕開け
毎年、3月末から4月の上旬にかけて、上野を中心に開催される、東京・春・音楽祭。その音楽祭の中で、マラソンコンサートが行われる。
1つのテーマで、午前11時から、およそ1時間のプログラムが、5つ行われる。最後のプログラムは午後7時から行われ、午後8時頃に終了する。文字通り、マラソンだ。
今年のテーマは、リヒャルト・シュトラウス。2014年は、1864年生まれのシュトラウスの生誕150周年にあたる。
シュトラウスといえば、ばらの騎士に代表されるオペラ、映画、2001年宇宙の旅にも使用されたダイナミックな交響詩の作曲家というイメージがある一方で、ナチス政権に協力したことで裁判にもかけられたりと、一言では言い表すことの出来ない、複雑な人物。
生涯にわたる音楽を、多彩な演奏家の音楽で楽しみながら、その複雑な人物像を探る、興味深い体験だった。
その第I部は、誕生ー激動の人生の幕開けと題して、4つの曲が演奏された。
最初の曲は、仕立屋のポルカ(ピアノ・三輪郁)。何と、6歳の時の作品だという。
リヒャルト・シュトラウスの父、フランツ・シュトラウスは、ミュンヘンの宮廷楽団でホルンを演奏していた。モーツァルトやハイドンの音楽を愛し、リストやワーグナーの音楽には、否定的だったという。
そのフランツによる、ホルンのためのノクターン。そして、リヒャルトが、父フランツの60歳の誕生日を記念して作ったホルン協奏曲第1番。いずれも、日橋辰朗。
ホルンの演奏は、この日、予定していた演奏者が急病で、急遽代行した日橋辰朗。日橋は、もともと第III部のみ出演の予定だったが、この第I部でも、ホルンの演奏を務めることになった。
もともと、レパートリーのひとつではあったろうが、さすがに緊張していたのだろう。演奏が終わった後の、ホッとしたような表情が印象的だった。
ホルンというと、けたたましいファンファーレや、勇壮な音楽で使われることが多いが、ソロで聴くと、どこかユーモアがあって、伸びやかな音で、純粋に、その音質を楽しむことが出来た。
最後は、オーボエ協奏曲 ニ長調。演奏は、東京都交響楽団の首席オーボエ奏者の広田智之。
オーボエは、音質が高すぎず、低すぎず、バランスのとれた楽器で、多彩な音を表現できる楽器だということが、その演奏から感じられた。
ホルンとオーボエというと、シュトラウスの華やかなイメージとは、一見結びつかないので、いずれも新鮮だった。
1つのテーマで、午前11時から、およそ1時間のプログラムが、5つ行われる。最後のプログラムは午後7時から行われ、午後8時頃に終了する。文字通り、マラソンだ。
今年のテーマは、リヒャルト・シュトラウス。2014年は、1864年生まれのシュトラウスの生誕150周年にあたる。
シュトラウスといえば、ばらの騎士に代表されるオペラ、映画、2001年宇宙の旅にも使用されたダイナミックな交響詩の作曲家というイメージがある一方で、ナチス政権に協力したことで裁判にもかけられたりと、一言では言い表すことの出来ない、複雑な人物。
生涯にわたる音楽を、多彩な演奏家の音楽で楽しみながら、その複雑な人物像を探る、興味深い体験だった。
その第I部は、誕生ー激動の人生の幕開けと題して、4つの曲が演奏された。
最初の曲は、仕立屋のポルカ(ピアノ・三輪郁)。何と、6歳の時の作品だという。
リヒャルト・シュトラウスの父、フランツ・シュトラウスは、ミュンヘンの宮廷楽団でホルンを演奏していた。モーツァルトやハイドンの音楽を愛し、リストやワーグナーの音楽には、否定的だったという。
そのフランツによる、ホルンのためのノクターン。そして、リヒャルトが、父フランツの60歳の誕生日を記念して作ったホルン協奏曲第1番。いずれも、日橋辰朗。
ホルンの演奏は、この日、予定していた演奏者が急病で、急遽代行した日橋辰朗。日橋は、もともと第III部のみ出演の予定だったが、この第I部でも、ホルンの演奏を務めることになった。
もともと、レパートリーのひとつではあったろうが、さすがに緊張していたのだろう。演奏が終わった後の、ホッとしたような表情が印象的だった。
ホルンというと、けたたましいファンファーレや、勇壮な音楽で使われることが多いが、ソロで聴くと、どこかユーモアがあって、伸びやかな音で、純粋に、その音質を楽しむことが出来た。
最後は、オーボエ協奏曲 ニ長調。演奏は、東京都交響楽団の首席オーボエ奏者の広田智之。
オーボエは、音質が高すぎず、低すぎず、バランスのとれた楽器で、多彩な音を表現できる楽器だということが、その演奏から感じられた。
ホルンとオーボエというと、シュトラウスの華やかなイメージとは、一見結びつかないので、いずれも新鮮だった。
2014年4月5日土曜日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第6番
ベートーヴェンの初期の6つの弦楽四重奏曲の1つ。1800年に作曲したロ長調の弦楽四重奏曲。
これまでの5つの曲とは、全く違った印象をもっており、ある意味で、この初期のセットの一つの到達点と言えるのかもしれない。
第1楽章は、Allegro con brio。出だしは、ヴァイオリンの軽快な音楽で始まる。これまでの5曲とは全く違った雰囲気。
第2楽章は、Adagio ma non troppo。文字通りのアダージョ。ゆったりとした音楽。第1楽章との対比も鮮やか。
第3楽章は、Scherzo, Allegro。これまた第2楽章とはうって変わって、激しく軽快な音楽。あっという間に終わってしまう。
第4楽章は、La Malinconia, Adagio - Allegretto quasi Allegro。メランコリック、という名の通り、憂鬱な音楽で始まる。”苦悩するベートーベン”というイメージにピッタリの曲。人生の不条理に苦しんでいるような出だしは、やがて軽快なアレグレットによって引き継がれる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
これまでの5つの曲とは、全く違った印象をもっており、ある意味で、この初期のセットの一つの到達点と言えるのかもしれない。
第1楽章は、Allegro con brio。出だしは、ヴァイオリンの軽快な音楽で始まる。これまでの5曲とは全く違った雰囲気。
第2楽章は、Adagio ma non troppo。文字通りのアダージョ。ゆったりとした音楽。第1楽章との対比も鮮やか。
第3楽章は、Scherzo, Allegro。これまた第2楽章とはうって変わって、激しく軽快な音楽。あっという間に終わってしまう。
第4楽章は、La Malinconia, Adagio - Allegretto quasi Allegro。メランコリック、という名の通り、憂鬱な音楽で始まる。”苦悩するベートーベン”というイメージにピッタリの曲。人生の不条理に苦しんでいるような出だしは、やがて軽快なアレグレットによって引き継がれる。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第5番
ベートーヴェンの初期の弦楽四重奏曲のうちの1曲。1800年頃に作曲された。イ長調。
第1楽章は、Allegro。古典的な雰囲気が漂う。
第2楽章は、Menuetto。ベートーヴェンは、通常は第2楽章にスケルツォを置くが、ここでは、伝統にならってメヌエットを置いている。穏やかな音楽。
第3楽章は、Andante cantabile。静かな、落ち着いた気分にさせる、美しいメロディが、様々に展開されていく。チェロが全体をリードする部分があると、すぐその後で、ヴァイオリンが答えるように、楽器の構成が凝りに凝っている。最後には、行進曲のような華々しい音楽が登場し、この楽章自体が、独立した音楽のようだ。
第4楽章は、Allegro。同じアレグロだが、第1楽章とは全く違った印象で、面白い。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
第1楽章は、Allegro。古典的な雰囲気が漂う。
第2楽章は、Menuetto。ベートーヴェンは、通常は第2楽章にスケルツォを置くが、ここでは、伝統にならってメヌエットを置いている。穏やかな音楽。
第3楽章は、Andante cantabile。静かな、落ち着いた気分にさせる、美しいメロディが、様々に展開されていく。チェロが全体をリードする部分があると、すぐその後で、ヴァイオリンが答えるように、楽器の構成が凝りに凝っている。最後には、行進曲のような華々しい音楽が登場し、この楽章自体が、独立した音楽のようだ。
第4楽章は、Allegro。同じアレグロだが、第1楽章とは全く違った印象で、面白い。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番
ベートーヴェンが初期に作曲した6つの弦楽四重奏曲の1つ。この第4番は、1800年に作曲したと言われている。
ハ短調は、いわゆる運命交響曲と同じ調整で、ベートーヴェンにとっては、特別なものだった。
第1楽章は、Allegro ma non tanto。出だしのテーマは、実にドラマティックで、悲劇性を感じさせる。続く第2テーマは、穏やかで、冒頭の激しさを忘れさせるが、再び第1テーマが現れ、聞く者を混乱させる。
第2楽章は、Scherzo,Andante quasi Allegro。スケルツォとありながら、アンダンテ、少しアレグロ、という変わった楽章。
第3楽章は、Menuetto Allegretto。スケルツォの後にメヌエットを置くというのは、当時は斬新だったようだ。短い構成だが、めまぐるしく調が変化する。
第4楽章は、Allegro。冒頭のメロディは、キレがあって実に印象的。このメロディは、最後にも登場し、フィナーレを迎える。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
ハ短調は、いわゆる運命交響曲と同じ調整で、ベートーヴェンにとっては、特別なものだった。
第1楽章は、Allegro ma non tanto。出だしのテーマは、実にドラマティックで、悲劇性を感じさせる。続く第2テーマは、穏やかで、冒頭の激しさを忘れさせるが、再び第1テーマが現れ、聞く者を混乱させる。
第2楽章は、Scherzo,Andante quasi Allegro。スケルツォとありながら、アンダンテ、少しアレグロ、という変わった楽章。
第3楽章は、Menuetto Allegretto。スケルツォの後にメヌエットを置くというのは、当時は斬新だったようだ。短い構成だが、めまぐるしく調が変化する。
第4楽章は、Allegro。冒頭のメロディは、キレがあって実に印象的。このメロディは、最後にも登場し、フィナーレを迎える。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
2014年4月2日水曜日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番
ベートーヴェンが、1798年に作曲した最初の、ニ長調の弦楽四重奏曲。他の5曲の弦楽四重奏曲とともに発表され、そこでは、第3番とされた。
第1楽章は、Allegro。穏やかなメロディと、軽快なメロディが織り交ぜられている。第1番、第2番と同じようなメロディも登場する。
第2楽章は、Andante con moto。冒頭の音楽は、一度聴いたら忘れられない、強烈な印象を残す。
第3楽章は、再びAllegro。どこか懐かしいような、さわやかなメロディ。これもまた、美しい。スケルツォというほどには、くだけていない感じ。
第4楽章は、Presto。リズム感のある、軽快な音楽。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
第1楽章は、Allegro。穏やかなメロディと、軽快なメロディが織り交ぜられている。第1番、第2番と同じようなメロディも登場する。
第2楽章は、Andante con moto。冒頭の音楽は、一度聴いたら忘れられない、強烈な印象を残す。
第3楽章は、再びAllegro。どこか懐かしいような、さわやかなメロディ。これもまた、美しい。スケルツォというほどには、くだけていない感じ。
第4楽章は、Presto。リズム感のある、軽快な音楽。
2012年5月、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
2014年4月1日火曜日
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第2番
ベートーヴェンが、1798年から1800年にかけて作曲した、最初の6つの弦楽四重奏曲の一つ。ト長調。実際には、第3番、第1番に続いて3番目に作曲したと言われる。
第1楽章は、Allegro。冒頭のテーマが、繰り返し登場し、展開される。
第2楽章は、Adagio cantabile。カンタービレ、歌うように。その通りに、ヴァイオリンが静かなメロディを歌い、他の3つの楽器は、それをサポートする感じ。
第3楽章は、Scherzo. Allegro。いわゆるスケルツォだが、アレグロとついているせいか、少し趣があるスケルツォ。
第4楽章は、Allegro molto quasi presto。出だしのテーマは、音は違うが、テンポは第1楽章と同じ。ベートーヴェンの細かい計算が伺える。
2012年5月、若いメンバーが揃った、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
第1楽章は、Allegro。冒頭のテーマが、繰り返し登場し、展開される。
第2楽章は、Adagio cantabile。カンタービレ、歌うように。その通りに、ヴァイオリンが静かなメロディを歌い、他の3つの楽器は、それをサポートする感じ。
第3楽章は、Scherzo. Allegro。いわゆるスケルツォだが、アレグロとついているせいか、少し趣があるスケルツォ。
第4楽章は、Allegro molto quasi presto。出だしのテーマは、音は違うが、テンポは第1楽章と同じ。ベートーヴェンの細かい計算が伺える。
2012年5月、若いメンバーが揃った、ベルチャ四重奏団による、ウィーンのコンチェルトハウスでの演奏。
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