毎年、3月末から4月の上旬にかけて、上野を中心に開催される、東京・春・音楽祭。その音楽祭の中で、マラソンコンサートが行われる。
1つのテーマで、午前11時から、およそ1時間のプログラムが、5つ行われる。最後のプログラムは午後7時から行われ、午後8時頃に終了する。文字通り、マラソンだ。
今年のテーマは、リヒャルト・シュトラウス。2014年は、1864年生まれのシュトラウスの生誕150周年にあたる。
シュトラウスといえば、ばらの騎士に代表されるオペラ、映画、2001年宇宙の旅にも使用されたダイナミックな交響詩の作曲家というイメージがある一方で、ナチス政権に協力したことで裁判にもかけられたりと、一言では言い表すことの出来ない、複雑な人物。
生涯にわたる音楽を、多彩な演奏家の音楽で楽しみながら、その複雑な人物像を探る、興味深い体験だった。
その第I部は、誕生ー激動の人生の幕開けと題して、4つの曲が演奏された。
最初の曲は、仕立屋のポルカ(ピアノ・三輪郁)。何と、6歳の時の作品だという。
リヒャルト・シュトラウスの父、フランツ・シュトラウスは、ミュンヘンの宮廷楽団でホルンを演奏していた。モーツァルトやハイドンの音楽を愛し、リストやワーグナーの音楽には、否定的だったという。
そのフランツによる、ホルンのためのノクターン。そして、リヒャルトが、父フランツの60歳の誕生日を記念して作ったホルン協奏曲第1番。いずれも、日橋辰朗。
ホルンの演奏は、この日、予定していた演奏者が急病で、急遽代行した日橋辰朗。日橋は、もともと第III部のみ出演の予定だったが、この第I部でも、ホルンの演奏を務めることになった。
もともと、レパートリーのひとつではあったろうが、さすがに緊張していたのだろう。演奏が終わった後の、ホッとしたような表情が印象的だった。
ホルンというと、けたたましいファンファーレや、勇壮な音楽で使われることが多いが、ソロで聴くと、どこかユーモアがあって、伸びやかな音で、純粋に、その音質を楽しむことが出来た。
最後は、オーボエ協奏曲 ニ長調。演奏は、東京都交響楽団の首席オーボエ奏者の広田智之。
オーボエは、音質が高すぎず、低すぎず、バランスのとれた楽器で、多彩な音を表現できる楽器だということが、その演奏から感じられた。
ホルンとオーボエというと、シュトラウスの華やかなイメージとは、一見結びつかないので、いずれも新鮮だった。
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