ベートーベンが、1803年に作曲した9番目のヴァイオリンソナタ。イ長調。
ルドルフ・クロイツェルに献呈されたために、クロイツェル、と呼ばれている。
ベートーベン自身は、この曲を、”ほとんど協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノ・ソナタ”と呼んでいた。
当時は、まだヴァイオリンソナタにおけるヴァイオリンの役割は、あくまでもピアノの助奏であり、主役はあくまでもピアノだった。
この曲でベートーベンは、ヴァイオリンに、ピアノと同じ役割を与え、その2つの楽器の協奏曲を作ろうとした。
第1楽章は、アダージョ・ソステヌート、プレスト、アダージョ。イ長調。
緊張感のある音楽で、ヴァイオリンとピアノの協奏というよりは、対決といった感じ。
第2楽章は、アンダンテ・コン・ヴァリアツィオーニ。ヘ長調。
第1楽章の緊張から一気に解放され、穏やかな音楽で、冒頭の主題が、様々に変奏されていく。
第3楽章は、プレスト。イ長調。
すっかり仲直りしたヴァイオリンとピアノが、軽軽な音楽を楽しげに奏でる。
ロシアの文豪トルストイは、この曲に深い印象を受けて、小説『クロイツェル・ソナタ』を書いた。
そして、その小説に刺激され、ヤナーチェクは弦楽四重奏第1番を作曲している。
このベートーベンの記念碑的なヴァイオリンソナタから、様々な変奏曲が生まれている。
ザルツブルク音楽祭2012での演奏。ヴァイオリンはレオニダス・カヴァコス、ピアノはエンリコ・パーチェ。
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